第二話!!鍛冶屋!
カーン、カーン。
城下町の一角にある鍛冶屋で、規則正しい音が響く。
「らっしゃい、ジャン君!」
気前のよい声を出すのは、アレンの祖父である。人の良い、くしゃっとした笑顔。それを見て、今日もアレンは安心する。
アレンは、幼い時に両親と死別し、祖父と住んでいるので、ここがアレンの家だ。
鍛冶屋とはいえ規模が小さいため、商人に商品を渡さず、店も構えている。
ジャンは慌ててポケットを探る。
「あ……金が500デヌしかない」
「ガキかよお前は。16なんだろ」
「その上から目線やめろって。マンガとか買ってたら小遣いが……」
「やっぱりガキ……」
ゴツン、と拳が飛ぶ。いってぇ……とジャンの方を睨むが、ジャンは気にしていない様子だ。
「ははっ。仲がいいな。まぁ、ゆっくりしていきなさい」
「アレンのじいちゃんは性格いいんだよなー」とジャンは遠まわしにアレンの悪口を言いながら、店を物色する。
店には、所せましに剣が並べられている。壁にも、机にも、天井にも!
つやつやとした剣が光を反射しあい、店内は明るい光に包まれる。
一つの大剣の前で、ジャンの目が留まる。
「これ、いいな」
その大剣は、柄が竜をかたどった銅でできており、刀は金色に輝いている。
「300万デヌだぜ、それ」
「うぉっ!やべーでも欲しい」
ジャンの瞳はキラキラしている。アレンの祖父は困ったような笑顔を浮かべる。
「それはこの店で一番高い。元は依頼を受けて作ったものなんだが、依頼主がトンズラしてしまってな」
「あっそれって」
「ジャンの父ちゃん」
ジャンの父親は、元は貴族だったのだが途中で没落してしまい、今は剣術の講師として食いつないでいる。貴族の剣術はなかなか優美で、実戦向きではないが人気がある。
「なんか申し訳ない……」
ジャンは一気にゆでたホウレンソウのようになると、アレンの祖父は、バン、と背中をたたく。
「気にしないでおくれ。君の家とは昔からの付き合いだ。剣を献上してた頃からの」
「ありがとうございます!」
アレンは、そんなジャンを見て、こいつ、暴力はふるうけど根はいい奴なんだよなぁ、と腕を組む。
やっぱり、こんな平和な日々が続けばいい。
そう思っていた矢先のことだった……
設定がいろいろあるのに書き切れない……これから明かそうと思います。






