第4話 恋の始まり
心は、ひとけのない公園を一人で帰っていった。
正直、恐かった。ここの公園は、もう行きたくない場所だったのに。
(あの記憶は、忘れたはずなのに・・・・。)
だんだんと恐怖がくる。
でも、辺りを見渡すとだれもいないのを確かめると少し安心した。
心は、公園のベンチに座りアキにメールを打っていた。空を見渡すと、星がきれいで今日は満月だった。
(きれい・・・。)
心は、携帯の画面に視線を戻した。
その時、いきなり後ろから抱きつかれた。
「!!」
心は、必死になって抵抗した。でも、案の定、男の人の力は強かった。
(これじゃあ、あの時と一緒!!)
心は、目に涙を浮かべた。
また、あのときの恐怖がよみがえった。心は、一心不乱にあばれた。
「い・・ゃ助けて!」
(恐いよぉ。)
すると、心は男に押し倒された。
「!!」
今日の合コンのあの男の人だった。ずっと、思いださないように心に閉まっていたのにどんどんその思
い出が心からあふれる。
あの時もそうだった。私のこと見離さないと思っていたのに・・・信じていたのに。
あの人は私だけ置いて逃げてった。あの思い出は、どんなに楽しいときだって思い出すほど
鮮明に覚えている。
すると、男の人は私の首筋にすべらせる。
(気持ち悪い・・・。)
すると、フワっと体が軽くなった。
私は、あの時のことは目を閉じていてぜんぜんわかんなかったけど「ショウ」が私を助けてくれたのは
わかったよ。
あの時から、私の恋が始まっていた。
読んでいただきありがとうございます。