第32話 ナギ物語ー妊娠ー
あれからタイチくんと愛し合ってきた。
それは、幸せだけど親に対する罪悪感もあった。。。
「・・・ナギちゃん?起きてる?」
愛おしい声が私を呼ぶ。
「うん。。。何?」
「これからも・・・俺のこと愛してくれるよね?」
タイチくんは照れてるのがわかった。
「うん・・・。じゃあ、私も愛してね。」
「当たり前じゃん。」
「だから・・・私以外の人に・・・やっちゃ嫌だよ?」
困ると思ったけど、タイチくんはためらわず、私を抱くしめてくれた。
私は、このまま続けばいいと思った。
でも・・・続かなかった。。。
あの後、私は親に呼ばれた。
「お母さん・・・あんたに言いたいこと・・・あるの。」
「なにィ?」
私は、真剣には聞いてなかった。
「タイチとナギは・・・本当の兄弟じゃないの。」
「・・・・・。」
(え・・・?)
私は、持っていたお菓子を落としてしまった。
「このこと・・・タイチくん・・・知ってる?」
「いいえ・・・。タイチは・・・一番傷つくと思って・・・。」
「え??どうゆう意味??おかあさん??」
お母さんは、目に涙をためて謝った。
「タイチは・・・私の子じゃないの!!お父さんの愛人の子なの・・・。黙っててごめんなさい
本当にごめんなさい。。。タイチ。。。」
私は、さとった。。。
私達は、愛し合ってはいけないんだぁ。
じゃなきゃ・・・お母さんが可愛そう。。。
ごめね。。。タイチくん。。。
私は、家を出た。まだ、14なのに・・・。だって、タイチくんといたら愛し合ってしまうよう
な気がした。
でもそれは・・・自分を苦しめていただけかもしれない。
1人で暮らすようになってから1ヶ月たって、体調がいきなり悪くなった。
病院に行くと、結果が出された。。。”妊娠”
頭が真っ白になった。タイチくんと離れたくて、離れたのに別の形でタイチくんのそばに
いることになった。
14という若さで私は、子供をさずかるんだからそれなりには決心が必要だった。
最初は、中絶しようと思った。
でも・・・出来なかった。
お母さんにも相談できないし、タイチくんになんかもってのほかだった。
そのつらさが、お腹が大きくなるにつれて世間の人の目は厳しくなる。
1回、自殺も考えた。
そのとき、ふとタイチくんの笑顔が見えた。
”もっとがんばって”そう聞こえた。
その日から私に力を貸してくれる人が現れた。
彼女はわたしより10才も上で小さいころからの幼馴染。
私の唯一の親友でもあった。
名前は、”なつき”だった。
私がつらいとき、いつも一緒にいてくれた。
なつきは、産婦人科の医者でもあったし勇気強かった。
なつきのおかげで、私はかわいい女の子が産まれた。
名前は”真紀”とゆう名前にした。
そのとき・・・決めた。
この子は、だれにもわたさない・・・。