第30話 ナギちゃんの過去2
「よく黙ってられたね。」
心は、悲しそうな顔をした。
「そう?まぁ、私にはなんとも無かったけどね。」
と笑顔のナギちゃんを見て、心はすごいなぁと思った。
「私・・・その話・・・聞きたい。」
「え・・・・。」
ナギちゃんは、悲しそうな顔で私をみた。
すると、チャイムが鳴った。
「ちょっと、行ってくる。」
心は、玄関を開けると真紀がいた。
「ただいまぁ!!」
真紀は、少しご機嫌で帰ってきた。
「あのね・・・いま、ナギちゃん帰ってきてるの。」
心は、やっとの思いで真紀に言った。
「はぁ???あいつ、いんの??」
真紀は、舌打ちをした。
「ねえ、今ならナギちゃんの話、聞けるかもよ?」
心は、部屋に入ろうとしている真紀に言った。
「・・・。」
「知りたかったんでしょ??いろいろ聞きたかったんでしょ???」
心は、声を張り上げた。
「うるさいなぁ!!ココは、あっち行ってよ!!」
とドアを閉めようとしたとき、いきなりドアから手が伸びてきた。
「!!」
真紀は驚いた。
「真紀も聞いて。今なら全部・・・話せる。」
それは、ナギちゃんだった。
「なんで今なのよ!!私・・・疲れてるから!!」
真紀は、ドアを閉めようとしたが、ナギちゃんの力で閉まらない。
すると、ナギちゃんは土下座した。
「ごめん!!真紀ちんの好きな人、奪ってごめん!!本当にごめん!!」
一生懸命に謝った。
「ちょっと・・・やめてよ!!」
真紀はたじたじになっている。
「今だから・・・お願い。」
ナギちゃんが泣いたところ・・・初めて見た。