第12話 アキの笑顔
朝からにぎやかな音楽が流れている。
「・・・・んん。」
心が先に起きた。
ショウくんの携帯からだった。
右のほうを見るとショウくんが気持ちよさそうに寝ている。
心は起こさないように、静かにショウくんの部屋から出た。
「コ〜コ!!おは!!」
と学校に着くとアキが抱きついてきた。
「おはよ。」
といつもの私。
「ねえ、今日こそ一緒に帰ろうね!!」
「わかったって。」
アキに悪いとは思ってたんだけど、なぜかいつも用事を思い出して一緒に帰れない。
「ねえ、アキ。あんたなんで今日は一段と子犬ビームでてんの?」
とアキがおかしいことに気がついた。
「え??そう??じつは・・・彼氏ができました!!」
「・・・・。」
言葉が出ない。
「本当?どうゆう人?」
「じゃあ、今日みせてあげるよ!!」
とうれしそう。
私もアキが幸せならいいと思ったし、アキが選ぶんだから普通の男の子だと思ってた。
でも、あんな男とは思わなかった・・・・。
ー帰り道ー
「ココは、好きな人見つかった??」
「・・・・ううん。」
と下を向いたまま。
「私・・・・ココにはもう傷ついてほしくないんだ。」
とアキはいつもとは、ちょっとちがう。
「・・・なんで?」
いつも気になっていた。アキは、こんな私のどこが好きで友達になったんだろうっておもってた。
「だって、ココは私の初めての友達だもん。」
「・・・・・?」
私は、少し驚いた。
アキは、たくさん友達がいるとばかり思ってた。
「初めて・・・?」
私は、訊いてみた。
「うん・・。小学校のとき友達いなかったから・・・・。みんな私のこと裏切るから。」
アキが初めて見せた悲しい笑顔。
私は、なにも言わずにアキの手をにぎった。
「・・・私は、一生アキの友達だから・・。」
その一言だけなのにアキは、たくさん涙を流して。
私は、アキをこれからももっと相手してやろうと思った。
「そんなんじゃ、彼氏びっくりするよ。」
アキは、笑顔でうなずいた。
町の喫茶店で待ち合わせらしい。
「まだかな??私ねぇ、もうめちゃくちゃLOVEなんだぁ!!」
とノロケを聞く心。
「はやく来るといいね。」
「うん!!」
アキ?
あのころのアキは私のあこがれでもあったんだよ?
なのに・・・・どうして?