第11話 ショウくんの真実
心は、涙があふれる。
「心おねえちゃん!僕、眠いからベットにいるけど心おねえちゃんも眠たかったらおいでねえ!」
と笑顔でいった。
私は、いく訳がないと思った。今日は、男で傷ついたっていうのに・・・。
でも、私の心と体は違ったみたいだ。
どんどんショウくんの部屋へと進んでいく。
ドアを開けた瞬間、ショウは一瞬おどろいた顔をしたがまた優しい笑顔に戻った。
「心おねえちゃん!どうぞ!」
とベットのはじにショウくんはつめた。
心は、さっきよりも子供っぽい泣き方でショウくんにしがみついた。
「ショウ・・・くん。」
ショウくんは、私をなでてあげた。
それは、なんかにつつまれているみたいな感じがした。
ショウくんは、私に布団をかぶせてくれた。
「明日から、学校でしょ?心おねえちゃんは風邪ひいちゃだめだよ!」
と優しい心遣いだった。
「ねえ、少しお話しよ!!」
とショウくんは、右手をあげて言う。
「いいよ。」
「ねえ、心おねえちゃんは・・・。」
と言うと心は、人差し指をショウくんの口にあてる。
「心おねえちゃんじゃなくて、心でいいよ。」
こうゆう時、普通は笑顔で言うのが理想だと思うんだけどやっぱり私の顔は冷めてるのがわかる。
「わかった!心ちゃんにする!!」
と布団にくるまりながら、無邪気に笑うショウくん。
(いいなぁ。あんなにうれしそうに笑えて。)
と少しうらやましそうにみていると、ショウくんが気づいた。
「ねえ、心ちゃんは一人暮らしなの??」
とショウくんと心は向かい合わせになって言う。
「ううん。私、家族と暮らしてるよ。でも、崩壊ぎみかも・・・。」
ショウくんの顔がくもる。
「なんで・・・?」
「お母さんはね自分勝手でどこかに遊びにいってて帰ってこないし、お父さんはそんなお母さんに嫌気がさして出ていった。
おねえちゃんもそれが嫌で彼氏のところから帰ってこないからカナ。」
心は、ショウくんの顔を見ると暗い顔をしている。
「どうしたの?」
心が訊く。
「だって・・・そんなの家族じゃないよ。」
「そうだね。」
少し、沈黙があった。
「じゃあ、ショウくんはなんで一人暮らしなの?」
先に沈黙を破ったのが心だった。
「僕のお母さんは、違う人のお母さんだから・・・・。」
心はすべてを察した。
「浮気した時の子供なの?」
ショウくんはうなずいた。
「お父さんは・・・・?」
「とっくに死んでるよ。」
とショウくんは悲しい笑顔だった。
「大変・・・だったね。」
心は、ショウくんを見る。
ショウくんは、布団を頭までかぶった。
「もう・・・寝よぅ。」
ショウくんの体は、ガタガタと震えていた。
心は、優しく布団のうえから抱きしめた。
このときからだった・・・。私の恋が始まっていたのは。