表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/37

第10話  ショウの大切さ

「今から・・・僕の家来る?」


と真剣なまなざしで心をみてきた。


「・・・・。」


心は、声が出る力もなく、うなずくだけで精一杯だった。


ショウくんは、心の手をやさしくにぎった。


ショウくんは、いつもとはなぜは違う不陰気がでてるような・・・・。


少し歩くと、でっかくてきれいなマンションがそびえたっている。


「ここなの?」


やっとのことで出た言葉が「ここなの?」だった。もっとほかに言うことはなかったのかと今も思う。


「うん!!僕、一人暮らしだから!!」


といつもどうりのショウくんに戻った。


(良かった。ふつうのショウくんにもどったんだ。)


ショウくんの家にあがると、なんともいえない大人っぽい部屋だった。


ほんのり明るい電灯がそう言ってるようにみえるからだった。


「きれいな部屋だね。」


と心は、ソファーに座りながら言った。


「そう??ありがとう!!僕、ちょっと着替えてくるね!」


と言い、奥の部屋へ行ってしまった。


(ショウくんの部屋、私より広いなぁ。)


部屋は、物音一つしない。


心は、体育すわりをしながらクッションを抱いていた。


すると、奥の部屋からショウくんが出てきた。


「ごめん。遅くて!!」


ショウくんはパジャマかはわからないけど、私服で出てきた。


「ううん。」


心は、首を振る。


「それで、どうしたの??心おねえちゃんは。」


ショウくんは、心の隣にすわった。


(どうしたの??って今日のことだよね・・・。)


「私に前の彼氏がもう一回付き合おう??って告られて、私いいやって思ってOKしちゃったんたんだよね。バカだよね。」


この時、ぜったいショウくんは私のこと励ましてくれるというやさしさに甘えていたんだ。


だから、あの時もそれを期待してたんだ。自分では、認めたくないけど。


私がショウくんの言葉で傷つくなんて思ってなかったから・・・。


「うん!!心おねえちゃん、同じこと繰り返して傷ついて!!」


と笑顔で言った。


(なんか・・・むかつく。)


ただ、ショウくんに本当のことを言われてなぜかはわからないけどすごくむかついた。


ここにいると、ショウくんにあたっちゃいそうだしなんか、自分のダメなところを言われてすごく恥ずかしかった。


心はかばんとコートを持ち、玄関に向かう。


「どうしたの??なんで帰るの??心おねえちゃん??」


ショウくんは、心の腕をつかむ。


「来るなぁ!!」


とかばんをなげると、壁にかかってた絵の角でショウくんの目のギリギリのところで切れた。


(ほら。ショウくんにあたっちゃった。ショウくんを傷つけた。)


心は、振り返りショウくんを泣きそうな目で見た。


「悪かったね・・・。しょうがないじゃん!!あれだけ傷ついてもまだ探してるんだからね。そのせいで、失ったものだって


 あるんだもん!!私、ここ2年間どうやっても笑えないの!!私だって、ふつうの恋がしたいよ。」


心は、座り込んだ。


ショウくんは、私のそばに寄る。


「やったー!!心おねえちゃん、やっと本音はけたね!!少し楽になった??」


といつもの笑顔だった。


(もしかして・・・私のために?)


ショウくんは、私のために体をはって私を励ましてくれた。


この日、なぜかはわからないけどいつか笑えるような気がした。


ショウくんといると、幸せになれるような気がした。






読んでいただきありがとうございます!!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ