↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
放電魔女と充電ロボット  作者: 月打
第一章 出会い

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
8/14

第8話:時速666のトラック

 アダムはコンビニで買い物をした。

 ユーザーの指示通りに、麦茶と新発売のカスタードプリンを手に取る。

 レジで会計を済ませて店を出る。

 袋を片手に提げ、道を歩く。

 横断歩道の前で足を止め、赤信号が変わるのを待つ。

 信号が赤に変わった瞬間、彼は車道へと一歩踏み出した。

 その刹那――突発的な異変を検知する。

 一台の車が、アダムの方へと猛スピードで突っ込んできていた。

 それは運転席の高い、大型のトレーラートラックだった。

 車が歩道に飛び込んでくるなど、あり得ない。

 制御系の致命的な不具合か、あるいは深刻なシステムエラーでも起きたのだろう。

 だが、運転席に目を向け、そこに座る者の姿を捉えた瞬間、アダムの演算回路に一瞬の空白が生じた。

 人間。

 人間が、運転をしている。

 人間の運転は、法律で禁じられて久しい。

 数千年も前のことだ。

 とにかくアダムは即座に、自身の演算能力をフル稼働させた。

 トラックの速度は時速666kmに達しており、さらに加速を続けている。

 そして二人との距離はすでに300mを切っていた。

 このままでは、遅くとも1.6秒後には衝突することになる。

 アダムはトラックの前面面積や突入角度、自身のボディの可動域、出力、そして物理力学的な諸条件を網羅し、約1億回に及ぶシミュレーションを瞬時に実行した。

 その結果、導き出された結論は――

 回避不能。

 アダムは断念し、悪あがきする代わりにこの貴重なデータを収集することにした。

 自身のシステムを司るマザークラスターへ転送するだけの猶予は、アダムには十分に残されていた。

 一秒にも満たないその時間は、彼の演算能力をもってすれば、膨大なデータを送信するには余りあるもの。

 そうしてすべてのタスクを終えたアダムは、時速666kmで突っ込んできたトラックに、真正面から派手にはね飛ばされた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。