02 今日からよろしくっす!
20xx年の冬。
都内某所のプラネタリウム。
座席の3分の1が埋まった状態で、いつもとは異なる上映が終わりを迎えた。
「──以上のことから、心して励むように。なお今後、疑問・質問はパートナーの1等星に聞くように」
「……やっと、終わったっすね」
頭上のスクリーンから映像が消えると、1人の少年はぐーっと体を伸ばした。隣に座っている男性に口を閉じるように注意されるが、説明中寝なかったのだから、大目に見てほしいっすと呟いた。
プラネタリウムに集められているのは──星標学園の1年生。
表向きは普通の高校生だが、彼らは“星側”として活動するために集められた存在だ。
そして明日から、彼らはこれまで学んできた知識を現場で実行し、経験を積む「実践期間」に入る。
もちろん既に活躍している、優秀な1等星の上司の下で。
実践期間は、1年の冬から2年間。
期間終了後は、すぐに今後の進路を決める。対象者に接触する『導き手』となるか、対象者の情報などを収集する『鍵人』となるか。はたまた──星側から卒業するか。
ホールから出た少年──黒霧白兎は、再び体を伸ばして隣に立つ男に改めて伝える。
「これから1年間、鍵人として頑張るっすから、よろしくお願いしますっす!蒼夜さん」
「こちらこそ、よろしくお願いします」
挨拶を交わす彼らの頭上には、本物の星々が輝いていた。




