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第8章 新たな決意


模倣レベル2になってから、

世界の見え方が変わった。


敵の動きが、

少しだけ遅く感じる。


剣の軌道が、

はっきり分かる。


「強くなってるな」


訓練場で、

カインが言う。


「はい」


素直に答えられる。


前なら、

そんな自信はなかった。



影武者の任務も、

難度が上がった。


複数体の魔獣。

強化個体。


それでも、

俺は前に出る。


怖さは、

消えない。


でも。


怖いまま、

戦えるようになった。



ある町での任務後。


子供たちが、

俺の周りに集まった。


「勇者さま!」


「すごかった!」


無邪気な笑顔。


胸が、

痛む。


それでも、

俺は膝をつく。


「ありがとう」


声が、

少し震える。


子供の一人が、

聞いた。


「ねえ、

 勇者さまは、

 怖くないの?」


俺は、

一瞬考える。


そして、

正直に答えた。


「怖いよ」


「でも、

 逃げない」


子供は、

目を輝かせた。


「かっこいい!」


胸の奥で、

何かがほどけた。



その夜。


屋上で、

星を見ていた。


カインが、

隣に来る。


「顔つきが、

 変わったな」


「……そうですか」


「覚悟が、

 できた顔だ」


俺は、

星空を見る。


「影武者は、

 続けます」


「でも」


言葉を、

選ぶ。


「いつか、

 自分の名前で

 立ちたいです」


カインは、

静かに頷いた。


「それでいい」


「お前は、

 お前だ」


胸が、

温かくなる。



俺は、

心の中で誓う。


影の中でも、

前を向く。


そして、

必ず――


影から、

抜け出す。


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