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第7章 模倣の進化


訓練と実戦が、

繰り返される日々。


影武者としての任務も、

少しずつ増えていった。


小規模な魔物討伐。

盗賊団の制圧。


どれも、

俺が前に立つ。


カインは、

必ず近くにいる。


それだけで、

心が折れずに済んだ。



ある日。


山道での討伐任務。


相手は、

双頭の魔獣。


二つの口から、

同時に炎を吐く。


正面からでは、

勝てない。


「右を引きつけろ」


カインの指示。


俺は、

頷く。


模倣。


体が、

勇者の型になる。


走る。


斬る。


避ける。


炎が、

頬をかすめる。


熱い。


だが、

止まらない。


左の頭が、

大きく口を開けた。


今だ。


踏み込み。


全力の一撃。


剣が、

深く刺さる。


同時に、

右の頭が噛みつく。


避けきれない。


「ぐっ……!」


肩に、

牙が食い込む。


視界が、

赤く染まる。


それでも――


剣を、

離さない。


「倒せ!」


カインの声。


俺は、

吠える。


最後の力で、

剣を振り抜いた。


二つの首が、

同時に落ちる。


魔獣は、

崩れ落ちた。



次の瞬間。


体が、

熱くなる。


胸の奥で、

何かが弾けた。


頭の中に、

声が響く。


――模倣レベル2に

到達しました。


俺は、

膝をつく。


息が、

荒い。


カインが、

駆け寄る。


「来たな」


俺は、

頷く。


震える声で言う。


「強く……

 なりました」


カインは、

笑った。


「まだ、

 始まりだ」



その夜。


訓練場で、

試す。


模倣。


動きが、

違う。


重い。


鋭い。


以前より、

確実に強い。


「これが、

 レベル2」


劣化は、

まだある。


だが、

戦える。


俺は、

剣を見つめる。


影武者として。


でも。


いつか、

影じゃなくなる。


そんな気がした。


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