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第28章 エピローグ
魔王城は、
崩れ落ちた。
黒い石が、
砂となる。
空が、
少しずつ
青さを取り戻す。
俺は、
瓦礫の上に立つ。
剣を、
地面に突き立てる。
静かだ。
戦いの音が、
もうない。
◆
王都。
鐘が、
鳴る。
何度も。
魔王討伐の、
合図。
人々が、
泣く。
笑う。
抱き合う。
◆
城のバルコニー。
王が、
頭を下げる。
「勇者ルート」
「世界を、
救ってくれた」
俺は、
首を振る。
「俺は、
一人じゃありません」
影だった日々。
支えてくれた人。
全部が、
あったから。
◆
屋上。
カインと、
並ぶ。
「終わったな」
「はい」
「これから、
どうする」
俺は、
少し考える。
「旅をします」
「助けを
求める人が
いる限り」
カインは、
笑う。
「立派な勇者だ」
◆
夜空を、
見上げる。
星が、
輝いている。
俺は、
思う。
最底辺冒険者だった。
影武者だった。
それでも、
進んだ。
だから、
ここにいる。
俺は、
勇者ルート。
そして。
これからも、
歩き続ける。
ー完ー




