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第23章 新たな旅立ち
王都は、
祭りのようだった。
通りには、
人が溢れる。
旗が、
はためく。
「勇者ルート!」
「万歳!」
声が、
何度も響く。
俺は、
人混みから離れ、
城の上階に立つ。
騒がしさよりも、
静けさが欲しかった。
◆
背後から、
足音。
カインだ。
「行くのか」
「はい」
「魔王の元へ」
短い会話。
それで、
十分だった。
カインは、
剣を外し、
俺に渡す。
「これは、
もう使わない」
「お前の剣だ」
受け取る。
重みが、
違う。
責任の重さだ。
◆
ギルド本部。
ギルド長が、
地図を広げる。
「魔王城は、
黒き大地の中央」
「魔王軍が、
集結している」
「だが、
道はある」
指で、
一本の線を引く。
「この街道を、
進め」
俺は、
頷く。
◆
夜明け。
王都の門前。
見送りは、
最小限。
カイン。
ミレア。
ギルド長。
ミレアが、
小さく言う。
「……生きて」
俺は、
笑う。
「約束します」
門が、
開く。
一歩、
踏み出す。
俺はもう、
影じゃない。
勇者ルートとして。
魔王を、
倒すために。
旅は、
始まった。




