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第22章 勇者覚醒


世界が、

静まった。


音が、

遠ざかる。


ザグロスの笑い声も、

兵士の叫びも、

聞こえない。


あるのは、

自分の鼓動だけ。


ドクン。


ドクン。


剣を、

握る。


模倣しない。


誰にも、

ならない。


俺は――


俺だ。



胸の奥が、

開く。


光が、

溢れる。


だが、

眩しくない。


温かい。


優しい。


同時に、

圧倒的。


身体が、

軽い。


痛みが、

消える。


疲労も、

ない。


魔力が、

尽きない。


理解する。


これが――


勇者覚醒。



ザグロスが、

目を見開く。


「何だ……

 その力は……」


俺は、

前に出る。


一歩。


ただそれだけで、

空気が揺れる。


剣を振る。


一閃。


ザグロスの腕が、

飛ぶ。


悲鳴すら、

上げられない。


二歩目。


胴を、

断つ。


巨体が、

崩れ落ちる。


静寂。



光が、

ゆっくり消える。


俺は、

立っている。


息は、

乱れていない。


カインが、

近づく。


じっと、

俺を見る。


そして。


笑う。


「お前は、

 勇者だ」


胸が、

熱くなる。


頷く。



その日。


王都中に、

知らせが走る。


魔王軍幹部、

討伐。


勇者ルート、

覚醒。


影武者の名は、

歴史から消えた。


だが。


俺は、

忘れない。


影だった日々を。


あの日々が、

俺を作った。


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