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第20章 勇者覚醒への条件
王城の、
地下書庫。
封印指定区域。
埃だらけの棚に、
古い書物が並ぶ。
ギルド長。
カイン。
そして、
俺。
三人だけ。
「勇者覚醒の記録だ」
ギルド長が、
一冊の本を置く。
表紙には、
文字がない。
中を開く。
古代文字。
カインが、
読む。
「模倣を超え、
己の勇者性を
目覚めさせし者」
「影を捨て、
己を選んだ時、
覚醒は起こる」
俺は、
息を呑む。
「模倣じゃ、
駄目なんですか」
ギルド長は、
首を振る。
「最終段階では、
模倣をやめろ」
「勇者の力を、
借りるな」
「勇者として、
自分を選べ」
頭が、
混乱する。
今まで、
模倣で
生きてきた。
それを、
捨てる。
怖い。
◆
さらに、
ページをめくる。
「覚醒条件」
一。
自我を失わない。
二。
誰かになろうとしない。
三。
それでも戦う。
カインが、
俺を見る。
「俺になるな」
「ルートでいろ」
胸が、
熱くなる。
◆
書庫を出た後。
廊下で、
立ち止まる。
「もし、
覚醒できなかったら」
俺は、
聞く。
カインは、
即答。
「それでも、
お前は勇者だ」
不思議と、
怖くなかった。
俺は、
剣を握る。
模倣に頼らない日が、
来る。
その日のために。
進む。




