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第17章 勇者の重み


拍手は、

いつまでも続かなかった。


人は、

すぐ次を求める。


「もっと強い敵は?」


「魔王軍は?」


「勇者なら、

 全部倒せるだろ?」


その声が、

胸に刺さる。



ギルド本部。


依頼書の山。


以前の倍以上。


すべて、

勇者指名。


受付長は、

苦い顔だ。


「休め」


「無理です」


俺は、

首を振る。


「俺がやらなきゃ」


受付長は、

机を叩いた。


「お前が倒れたら、

 終わりだ」


言い返せない。



夜。


宿の部屋。


ベッドに、

倒れ込む。


身体が、

動かない。


目を閉じると、

魔物の顔。


剣の感触。


血の匂い。


眠れない。



次の依頼は、

廃鉱山の魔物討伐。


中型以上、

複数。


単独出撃。


普通なら、

自殺行為。


でも。


勇者だから。



鉱山内部。


暗い。


湿った空気。


模倣。


カインになる。


奥から、

魔物が出る。


三体。


同時。


剣を振る。


間に合う。


だが。


四体目。


死角。


避けきれない。


肩に、

衝撃。


血が、

流れる。


歯を食いしばる。


まだだ。


倒れるな。


最後の一体を、

斬る。


膝をつく。


模倣解除。


息が、

できない。



帰還後。


ミレアが、

傷を治す。


「……死ぬよ」


小さな声。


俺は、

目を逸らす。


「それでも、

 行く」


ミレアは、

何も言わない。


ただ、

唇を噛む。



屋上。


カインと、

並ぶ。


「後悔してるか」


「してません」


即答。


「でも、

 怖いです」


カインは、

頷く。


「それでいい」


「怖いまま、

 前に進め」


夜風が、

冷たい。


勇者は、

孤独だ。


それでも。


俺は、

歩く。


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