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第11章 勇者を疑う者たち
王都ギルド本部。
重厚な扉の奥で、
会議が行われていた。
受付長。
上級冒険者。
騎士団代表。
全員、
険しい顔をしている。
机の上には、
報告書が並ぶ。
「おかしい」
受付長が言う。
「勇者カインが、
三日前に王都で
目撃されている」
「だが同時刻、
北の砦で
勇者が戦っている」
部屋が、
静まり返る。
「分身スキルか?」
「そんな報告はない」
「双子?」
「年齢も一致する」
受付長は、
額を押さえる。
「つまり」
「勇者が、
二人いる可能性がある」
空気が、
張りつめる。
◆
その頃。
俺は、
訓練場にいた。
何も知らず、
剣を振る。
汗が、
落ちる。
強くならなければ。
影武者である前に、
生き残らなければ。
背後から、
ミレアの声。
「最近、
視線を感じない?」
「え?」
「貴族や、
ギルド上層部」
嫌な予感がする。
影武者は、
永遠に隠せない。
必ず、
バレる。
その時、
どうなる。
答えは、
まだ出ない。
だが。
物語は、
次の段階へ
進み始めていた。




