ぱずる
ツギハギなことを忘れ
生きている人々
私はまだ覚えている
そのうち境目もわからなくなり
その縫い目さえ消えてしまうの
剥がれ落ちた瘡蓋の記憶を無くしてしまう
隣の絵に手を伸ばすうちに
馴染んだふりをして消えてしまうの
くっついて、馴染んで、消えて
それが完成形だと勘違いしている
くっついて、馴染んで、同化して
それが当たり前と信じている
ツギハギなことを忘れられずにいる私
その絵は孤立する
粘着力が足りないみたい
接着剤が足りないみたい
隙間を埋める私が足りない
あなたが足りない
くっついて、裾を捲り、距離を取る
それが完成形になる
くっついて、裾を捲り、突き放す
それが私の生き方だから
いえ、それ以外の生き方を知らないから