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97話 告白

「しちゃった……海人としちゃったよ……

 

 私は体育館裏で顔を手で覆って悶えていた。

 どうして……私は、あの劇ではふりなのに……キスはふりなはずなのに……なのに……


 海人に私が好きだってことばれちゃったかな……

 私がいきなりキスしてびっくりしちゃったよね……

 気持ち悪るがられてないかな……


 もう……どうすればいいの……


 私はしばらくその場で顔を赤らめながら自問自答を繰り返していた。



 ーーーーーー


「これより文化祭二日目の日程を終了いたします! みなさん文化祭お疲れ様でした。」


 劇が終わった後、俺は正孝と一緒に文化祭を回った。中川さんとは劇の後今まで一回も顔を合わせていない。


 あの……文化祭の劇のキスは……事故だよな……


 すると、生徒会長がアナウンスで文化祭の終わりを告げた。


 俺たちはその後、迷路の片付けを少し行っている。


「そこの段ボールはそこに置いてくれ……」


「ああ、わかったよ……」


 俺は北原に指示された通り、段ボールを運んで指定された場所に置く。


「これより文化祭後夜祭を行います。みなさんグラウンドに集まってください!!」


 生徒会長がアナウンスを告げる。


「後夜祭なんか去年あったか?」


「後夜祭? そんなの聞いてないぞ?」


「え? なにすんの?」


 ダンボールを置いたとほぼ同時に突如にアナウンスがかかり後夜祭のお知らせを俺たちに伝える。

 クラスのみんなから疑問の声が流れる。

 てか、生徒会長みんなに後夜祭のこと伝えてなかったんかい……


「まあ、みんな疑問も残ると思うが! 後夜祭をやるってことは後夜祭を行うんだろう! ということでグラウンドに行こうかみんな!!」


 北原は混乱しているみんなをそう言ってまとめた。

 

 それから俺は正孝とグラウンドに向かう。


「後夜祭って何するんだろうな?」


「それが……キャンプファイヤーが行われるとかなんとか……」


「キャンプファイヤーなんて中学校の林間学校以来だぜ!」


 俺は正孝と話しているうちにグラウンドに到着した。

 辺り文化祭が終わり文化祭の後片付けの時間を含んだため、空は真っ暗な夜の空に覆われていた。


 その中でグラウンドの中央に一際目立つ焚き火があった。


 これが生徒会長が言っていたキャンプファイヤーか……


 それから俺は学校のグラウンド近くにある段差に正孝と二人腰を下ろす。


 それから生徒会長の提案でフォークダンスが行われる旨のアナウンスがされた。


「なあ、正孝! なんか楽しそうだからあっちでそのフォークダンスってのを踊れ!!」


「え? 結菜……」


 橘さん横で座っている正孝の元に足を踏み入れた。


「あ! 別にいいけどよ……」  


 正孝はそう言いながら俺の方をチラ見する。


「行ってこいよ!! せっかくの機会だろ! 正孝!」


「……お、おう……」


 俺が正孝の背中を押すと正孝は恥ずかしがりながらも橘さんとグラウンド中央へと向かっていった。


 なんというか疲れた……

 俺は正孝がこの場を離れたことによって、俺の近くに誰もいなくなり今日の疲れがどんとし肩にのしかかった。


 グラウンド中央を見ると、焚き火のそばには生徒会長が言った通り、フォークダンスを行なっている生徒が目立つ。


 その中には、涼風先輩と如月先輩、それと、正孝と橘さんが仲良くフォークダンスを踊っていた。


 俺はそれを手を顎につけながら見る。

 

「……海人……今ちょっといい……」


「ん? いいけど……」


 すると劇ぶりに姿を見た中川さんが俺の横に腰を静かに下ろした。

 そんな時だ……学校の上空を一つの花火が照らした。


「花火……花火だ……」


 生徒会長めちゃくちゃ大掛かりやん……

 俺は上空に何度も打ち上げられる花火を見てそう思う。

 グラウンドの方を見ると、グラウンドに集まっている生徒は突然な花火は歓喜や驚きを示しているしている様子だった。


「海人……あんがい……早く見れたね花火」


「……うん……そうだね……」


「ねぇ! 山田くん一緒に花火見ようね!!」

 俺は中川さんに夏祭りの時言われた言葉を思い出した。


「……その……ごめん……」


「え? なにが?」


「だって……さっきキスしちゃったでしょ……」


「いや……あれは事故だったんでしょ……それに、中川さん……たとえ事故だとしても、俺なんかとキスしちゃってごめん」


「何言ってんの!! そんなことない!!」


 俺が彼女に謝罪をすると、彼女は俺に花火が鳴っているため、聞こえるように叫んで言った。


「海人は優しくて! いつも私のそばにいてくれて! いつも私の料理を美味しいって言って笑顔で食べてくれて! 別の世界から来た私のことを信じてくれて私のことを助けてくれて!」


 中川さん俺のことをそんなふうに……


「だから……ね……私は……そんな海人のことが好き……」


 鈴音がそう告白をした時……今日の特大の花火がなった……その鈴音の好きがこもった言葉は花火の後にかき消されることもなく正真正銘……海人の元へと届いた。


「……中川さん……今……俺のこと好きって……そう言ったの?」

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