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94話 もし……海人のこと……

「そういえばさ! 結菜と田中くんって幼馴染なんでしょ?」


 ポップコーンを食べた終わった後、俺たちはポップコーンを食べるために座った席にしばらく座り、休んでいた。


「うん、この前夏休みに偶然再開してだと思ったらこの学校に転校して来て、本当びっくりだよね!」


「今頃二人文化祭回っているのね!」

 

 俺たちがそこで悠々と休息をとっていると、俺たちが座ってるテーブルから斜め奥に涼風先輩がそわそわしていた。


 何してるんだろう……涼風先輩……


「それはね! 涼風くんは奏に決めようとしてるのよ」


「ついに決めるんすか……ん? って生徒会長!」


 いきなり声がしたので反射的に答えたが、よくよく考えたら一緒にテーブルに座ってる中川さんの声じゃなかったと思ったら生徒会長か、てか、この人どこから湧いてきた?


「あら? 山田くんさっきの縁日ぶりね」


「ええ……生徒会長こそ……てか、なんで涼風先輩が決めること知ってるんすか?」


「それはさっき本人に聞いたからよ……」


「……なるほど、だったら本当に決めそうですね」


 この生徒会長が言う分にはいまいち信用に欠けるがまあ、涼風先輩が言うなら本当だろう……


「あの……決めるって?」


 中川さんはしばらく俺たちを不思議な感じで見つめていたがようやく口を開いて聞いてきた。



「あら? 鈴音ちゃん、バイトぶりね」


「はい! 愛佳先輩お久しぶり!」

 

 中川さんは俺がやっていたファストフード店のバイト先で働き始めていて、そこに生徒会長も同じく働いている。


「決めるっていうのはね! 告白をすることよ!」


「え!? 告白って好きって伝えること!?」


 中川さんはそれを聞いて顔を赤くしてえらく動揺していた。


「あら? なんで鈴音ちゃんが恥ずかしがってるのよ?」


「……だって……わかんないけど……」


 なんで今俺の顔を一瞬見たんだ? 中川さんは


「よう! お前ら!! 元気そうか?」


 すると俺たちが話していたところにさっき少し離れたところにいた涼風先輩がやって来た。


「涼風先輩こんにちは!」


「よう! 海人の生徒会長! っていう元気な声よく響いていたぞ!」


 え? 俺そんなに声響かせていましたか!?


「あら? 涼風くん……決めに行くんでしょ? こんなところに来て大丈夫?」


「ああ! まだ時間はあっからよ! それよりもお前らもついてきてくれないか」


 ついてきてくれないかって? 告白に?


「あら? どういうこと? 涼風くん」


「どうせならお前なに俺の勇姿を見届けて欲しいと思ってな!」


 いや……なんというか……涼風先輩らしいけど……


 そして、俺たちは涼風先輩の後に続いて、校舎裏までやってきた。


「それじゃあ、あたし達三人はそこの壁の奥からあなたの勇姿を見てるから頑張ってね!」


「おう! 頑張るぜ俺は!」


 俺たちは生徒会長の言った通り、校舎裏の壁の奥からひょっこり顔を出して先輩を見つめた、すると如月先輩がやって来た。


「どうしたの? こんなところに呼び出して……」


「あのな……奏……俺はな……おれと……」


「おれと……?」


「お前はその……今彼氏とかいるのか……?」


「え? 私……いないけど……」


 壁の向こうで涼風先輩が緊張して如月先輩に想いを伝えようと奮闘している。


「どうしてそんなこと聞くの?」


「いや……もしかしたら坂井と付き合ってるんじゃないかと思ってな……」


 涼風先輩の言う坂井というのはおそらく如月先輩の幼馴染のあの人のことだろう……


「違うよ! 酒井くんとは幼馴染なだけで、それに坂井くん彼女いるから」


「そ! そうなのか……」


「もう! 焦ったいな! 早くぶちかましなさい」


 涼風先輩の様子を見ていた、生徒会長が俺の横で目を細めている。


「なあ、奏! 俺と付き合ってくれないか?」


 涼風先輩が告白の言葉を口にした時、二人の周りを木の葉がまった。

 そして沈黙が流れる。


 俺たちは固唾を飲んで見守る。


「……よろこんで……私もあなたの事が好き……」


「……っ!? それって……つまり?」


「ええ、よろしくお願いします」


「よっしゃあ!! 奏と恋人になれたー!!」


 涼風先輩は声をあげて喜んだ。

 俺はそれの一部始終を見て先輩の恋が叶って嬉しくなった。


「いやー! やっぱりいいわね! こういうの! いいもの見せてもらったわ!」


「生徒会長はキュンキュンしたりするんすか?」


「当たり前よ! 私はさっきからキュンキュンしっぱなしよ! ねえ、鈴音ちゃん!」


「え?」


 俺たちと一緒に告白を見届けていた中川さんは生徒会長に言われてとてもびっくりした様子だった。


「どうかした? 鈴音ちゃん……」


「え? その……好きを伝えて、恋人になるってすごいなって……」


 中川さんは嬉しそうに話す涼風先輩と如月先輩を見ながら、感想を口にする。二人を見る彼女の目はなんだか憧れの目線も含んでいるみたいだった。


「よーう! お前ら! 俺無事奏付き合うことができたぞ!」


 すると、急に涼風先輩は壁の向こうにある俺たちをそう言って呼び始めた。


「え? あなたたちいたの?」


「ええ、涼風くんに勇姿を見届けて欲しいって言われたから」


 如月先輩はこの場に俺たちがいたことにびっくりしていた。


「よかったですね……涼風先輩……」


「おう! 海人も! あと中川もあんがとな!」


 涼風先輩は俺たちに感謝を述べた。


「ねえ、海人……」


「なに?」


 俺と涼風先輩が会話している時、中川さんが俺の制服の袖を掴んできた。


「もし……私が……海人のこと……」


「え? 俺のことがなに?」


「海人の……いや……なんでもないよ……」


 中川さんは俺に何かを言おうとしたが、やめたらしい……中川さんは一体何を言おうとしたんだ……気になるな……


 こうして涼風先輩の告白は成功した。

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