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90話 半分こしようか! えへへ!!

「すごい並んでる!」


 学校の中庭にあるたい焼きの出店に到着した俺たちはたい焼きの店にできる行列に月野さんは思わず声を漏らした。


「売り切れてないといいけど……」


「とりあえず並ぼうか!」


 俺がそう不安を口にすると月野さんはそう提案して俺たちは列の最後尾に並ぶ。

 

「ここまでいい匂いが飛んでくる!!」


 月野さんがたい焼きのいい匂いに反応を示した。確かにいい匂いがしてくる。


 そして、俺たちはしばらくして列の先頭にやって来た。


「ごめんなさい! あとたい焼き一個しかなくて……」

 

「ええ〜〜そんな〜〜」


 列に並んでいざたい焼きを買おうとした時、店員が新たにそう告げる。

 それを聞いた俺たち以降の列に並んでいる人たちは落胆して午後にまたリベンジするかなどの声がちらほら聞こえてきた。


「じゃあ、山田くん……ワタシはいいから山田くんだけでも食べてよ! ほら、ワタシこのたい焼き去年も食べたからさ!」


 横で月野さんが俺にたい焼きを譲るべくそういう。

 

「……じゃあさ、月野さん、半分っこしようか!」


「半分こ? たい焼きを?」


 俺がそう提案すると月野さんは不思議そうに俺に言ってくる。

 たい焼きを半分こすれば、二人とも食べれて問題解決だと俺は思ったから……


「うん!! 半分こしようか!! エヘ」


 俺がそう提案すると何故か月野さんは嬉しそうにそう言った。

 

 それから俺たちはたい焼きの料金を割り勘してたい焼きを購入した。

 そして、たい焼きの出店がある学校中庭に臨時に設置されていない椅子とテーブルに二人で向かい合って座った。


 月野さんはテーブルに座ると、たい焼きを半分こして俺にその半分を渡して来た。


「はい! どうぞ! 山田くん!!」


「ありがとう!!」


 俺はお礼を言って月野さんから半分こしたたい焼きを受け取る。

 俺はそのたい焼きを口の中入れる。


「うま!! これ美味しい!」


「うん! ほんとだね! ワタシこんな美味しいものを山田くんと半分こして食べれて嬉しいよ!」


「それはよかった! 月野さん!!」 


 俺と月野さんは美味しいたい焼きを食べながら二人で笑い合った。

 

 たい焼きを食べ終わり、俺と月野さんは縁日の出し物をしている三年二組に足を運んだ。


 三年二組に入ると、焼きそばの屋台やたこ焼きの屋台、輪投げなどまさに縁日! って感じの出し物を展開していた。


 俺は三年二組の中を歩いて見渡していると、スーパボールすくいが目に入り、今年の中川さんと行った夏祭りを思い出す。

 そういえば、Mrボールすくいさん……あの人、今頃何してるんだろ……


「おや? あなたは、もしや、夏祭りの?」


 あぁ、ついにMrボールすくいさんの幻聴が聞こえてきちゃったよ……

 俺は先ほどまでにMrボールすくいさんの事を考えていた時、その人の声が声が聞こえてきたので、俺はそう思う。


「聞いていますか? おーい!」


「ん? だ!? 誰あなた!?」


 俺は知らない生徒が俺の目の前に来て俺に話しかけてきてからびっくりする。

 その生徒の声はボールすくいさんそっくりだった。


「あれ? あなたこの声に見覚えはないですか?」


「見覚え……」


 俺は目の前の生徒にそう言われて考える。

 この声に見覚えといえば、ボールすくいさんしかいないのだが……


「Mrボールすくいさん?」


 俺は冗談でその男子にそう言った。


「正解です! 私は……というより、私がスーパボールすくいだって事はこの学校含めて、私の友人とあなたしか知りえません……だから、内密に……」


 え? なんかすごいこと聞いちゃったけどいいの?

 俺は今の話から大人気動画投稿者Mrボールすくいさんがこの学校の生徒だということを知って阿鼻叫喚する。


「でも、今日はその……いつもの仮面……かぶってないんすね」


 ボールすくいさんは動画投稿の際、いつも仮面を被っている。


「当たり前じゃないですか! 仮面なんかつけたら私の正体バレてしまうじゃないですか!」


「なるほど……」


「それでどうですか? 一試合やって行きませんか?」


 ボールすくいさんはスーパボールを取る網みたいなものポイを待って俺に勝負を挑んでくる。


 そして、俺はその勝負に乗って勝負を開始した。

 結果は前々と同じく敗北した。


「やっぱり強いんすね……」


「んふふ、でも私でも勝てない相手はこの学校でもいますよ……」


 俺がボールすくいさんにそう言葉をかけると、ボールすくいさんは俺にそう言って来た。

 てか、ボールすくいさんでも勝てない人って一体……


「そんな人がいるんすか?」


「んふ、いますよ……その人は、完璧生徒会長とか、完璧美少女とか言われていますけど……蓋を開ければ……」


「あら? 誰の話をしているのかしら?」


 ボールすくいさんの話を遮って、生徒会長がとんでもない笑顔を放ってボールすくいさんに話しかけてくる。

 てか、生徒会長はいつからここに……さっきの話はまちがいなく目の前にいるあの生徒会長だよな……蓋を開ければの続きが気になる……


「私になんの用ですか?」


「あなた、生徒会役員でしょ! ちょっと仕事がおるので、頼みに来ちゃって!」


「後にしてください! 今私はこの子との勝負を楽しんでいるのですから!」


「だめよ! いますぐよ!」


「じゃあ! そういうことだから! 山田くんじゃーね!」


 生徒会長は、俺ににっこりして、スーパボールすくいさんを連れて教室を出て行った。

 気の毒に……


「どうしたの? 山田くん? 今誰かと話してたみたいだけど……」


 俺がスーパーボールのコーナにいる間、人知れず輪投げに挑戦していた月野さんが俺に言ってきた。


「いや、なんでもないよ……」


「そう? てか、山田くん! もうすぐ係の時間じゃない!?」


「ほんとだ!! 急がないと! じゃあ、月野さん……まあ後で……」


 俺はBグループ、月野さんはCグループで一旦別れないといけないのでそう言う。


「待ってワタシも行く!!」


 月野さんがそう言ったので、俺と月野さんは二年一組へと向かった。

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