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89話 文化祭数量限定たい焼き

 それから程なくして俺たちは二年三組の教室に到着した。

 教室に入ると、ダンボールで作られたアニメやゲームのキャラなどがクラスいっぱいに展示されていた。


「すごいね! これダンボールで作れちゃうんだ!」


 月野さんが驚愕したような様子で段ボールアートを見渡す。


「あ!」


 俺はダンボールアートの中で一つの昔めちゃくちゃやっていた思い出深い横スクロールアクションゲームのキャラがいたので思わずデカい声を出した。


「いや〜懐かしい! 昔このゲームめちゃくちゃやってたなー! いやー子供時代のゲームの記憶が蘇ってくる!! あ! このアニメのキャラもいるのか!! いやー! すごい!!」


 俺がわかりやすく興奮してダンボールアートに釘付けになっていると


「えへへ、山田くん嬉しそうだね!」


「え? うん! なんだか懐かしい気分になっちゃって……」


 月野さんはなんだか嬉しそうにそう言った。

 今日家に帰ったら久しぶりにあのゲームでもするかな……


「もしかして、俺めちゃくちゃはしゃいでた?」


「うん! そりゃもうめちゃくちゃ!! ワタシも山田くんが嬉しそうで嬉しいな……」


 月野さんが笑顔でそういうので俺は思わずドキつとしてしまった。


「お! 雫じゃーん! お久さー!!」


「あ! 沙耶香さやこちゃーん!! お久しぶり!!」


 すると月野さんの友達らしき人が月野さんに話しかける。

 

「あんたダンボールアートなんで興味あったんだね!」


「うん! ダンボールアートすごいね! めちゃくちゃ完成度高かったよね!」


「あそこにあんたの好きな幼馴染ドミノの橙子とうこちゃんいるよ!」


「ええー!! 本当!?」


 月野さんがそう言って声を上げた後、その友達の人が一瞬俺の方を見て、また月野さんに目線を変える。


「ねえ、もしかしてあたし邪魔だった?」


「え? 邪魔って?」


「だって……あんた今彼氏と文化祭デートしてるんでしょ」


「ち……違うよ!? 彼氏じゃないよ……!」


 月野さんはなんだか恥ずかしがりながら何かを言っているようだった。俺には今、彼女たちと距離が離れていて何を話しているのか聞き取れないが……


「なんだ、そうなーん? あたしてっきりそうなのかと……」


「本当に違うから……」


 なんだか知らないが月野さんは今までに見せたことがないような顔をして恥ずかしがっていた。


「わあ! ほんとに、橙子そっくりじゃん! 可愛い本人がいるみたい!!」


 すると月野さんは幼馴染ドミノのヒロイン橙子のダンボールアートの前に行くとそう声を出す。

 確かに完成度高いな……


「でしょ! あたし頑張って作ったんだから!」


「え? 沙耶香ちゃんが作ったの? これ……」


「もちのろーん! あたしこれ作るのに幼馴染ドミノ見返したけどあれはやっぱ神作だわー!」


「すごいー!! 沙耶香ちゃん!! ねえ、山田くん! あれ沙耶香ちゃんが作ったんだってめちゃくちゃすごくない!!!」 


 月野さんは後ろで別のダンボールアートを見ていた俺に話を振ってきた。どうやらその月野さんのお友達は二年三組でこの幼馴染ドミノのヒロインのダンボールアートを作ったらしい……にしてもこれは見事な完成度だ……


「あれ? あんたもしかして体育祭の山田くん?」


「え? 山田くん?」


 俺はいきなり月野さんの友達にそんなことを言われてそう聞き返す。


「そう! いつも雫にあんたの事聞いててさ! それで顔見たら文化祭のリレーの子ってわかったから……」


「そうなんすか……」


 俺は月野さんの友達にそう言われて納得する。

 てか、俺は体育祭の一件でそんなに有名なのか?


「もう! それ言わないでよ! 沙耶香!!」


 月野さんは何故か恥ずかしそうに優しく友達のを掴む。


「あはは、ごめんごめん、雫は可愛いなー!」


「もう!!」


 そう言ってじゃれあう月野さんと友達を見て俺はなんだか微笑ましくなった。

 それから俺はダンボールアートを一通り見て回って月野さんと一緒に二年三組をを出ようとした。

 教室を出る際、友達と月野さんが何やら話をしていた。


「ねえ、山田くんいい人そうじゃーん! 雫が好きになるのも納得だというか!」


「ちょっと! 山田くんに聞こえちゃうからやめて!」


「アハハ! ごめんごめん、頑張りなよ! 雫!」


「うん! 頑張る!!」


 月野さんは何やら話をして嬉しそうに二年三組のドアの近くにいる俺の横にやって来た。

 そして、俺もその友達に会釈をして月野さんと一緒に教室を出た。


「そーて! 次はどこに行こうか?」


 俺たちが廊下を歩きつつ、色々見て回っていると、月野さんが俺に聞いて来た。

 俺はパンフレットを見て、出し物の種類を確認した。


「月野さん! 縁日なんかはどう?」


「縁日か!! いいねー!! あーーー!!!」


 俺が彼女に提案すると彼女は賛同したがその直後に何かを思い出したように大きな声を出したので俺はびっくりする。


「山田くん大変! 文化祭数量限定たい焼き忘れてたー!!」


「文化祭限定たい焼き?」


「山田くん知らないの? ワタシたちの学校で文化祭の二日間だけ販売されるとっても美味しいたい焼きで午前と午後、二回だけ数量限定で売られるの! 去年もワタシ買いに行ったんだけどめちゃくちゃ並んでて! それでそのたい焼き食べたらとんでもなく美味しいの!」


「そんなに美味しいのか……」


 俺は元々たい焼きが好きなため、月野さんがそういうので俄然そのたい焼きに興味が出てきた。

 そういえば、Aグループ担当の女子が、午前の最初係だから早くに売り切れてしまうたい焼き買えないから午後行くしかないじゃん!! って嘆いていたのが聞こえてきたな……


「山田くん! 今からならまだ間に合うかも! 行こう!! たい焼き食べに!」


「うん……」


 俺と月野さんはそう会話して文化祭数量限定なんかたい焼きの出店があるところに向かった。

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