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85話 ちょっと静かに……耳をすませて

 ハロウィンのあの日から一週間と数日が経った。今の季節は十一月上旬……今日は文化祭前日…点そう、明日は文化祭なのである。

 今、俺たちクラスは文化祭の出し物……迷路の設営をしていた。

 クラスメイトの中に一人たまたま迷路の構造を書くのが好きな人がいたので、その人が作った迷路の設計図をもとに、俺たちは数日前から近所のスーパーや学校の職員室など不要なダンボールをなるべく多くかき集めて、教室の机を重ねて、そこにダンボールを何枚も重ねて迷路の壁を作った。

 そして、迷路の各自にはクイズが書いてある紙が貼ってあり、俺たちのクラスに入る時にクイズの解答用紙を来場者に配り、全問正解……ないしは半分以上正解だと、景品がもらえる……そういうシステムらしい……

 今日は朝からこの学校の生徒たちはとても慌ただしそうだった。

 俺は、正孝と一緒に迷路の壁や天井に装飾を施していた。


 それからしばらく経った時、俺はふと窓の外を見た……すると、あたり一面真っ暗になっており、気づけば夜の一八時を回っていた。


「あ、悪い……ちょっと抜ける……」


 俺は夜一八時になったのを確認すると、一人、教室を出て、会議室に向かった。明日は文化祭ということもあり、涼風先輩たちに挨拶するためにだ……

 月野さんと中川さんも手伝いに行っていたので、誘おうかと思ったが、彼女たちが見つからずやむおえず俺一人で行った。 


 俺は夜の学校の廊下を歩き会議室を目指して歩いて行く。

 なんか、夜の学校ってなんだかわくわくする……

 俺は何故か妙にテンションが高かった。


 そして、ドアの奥から光を発している会議室を発見して、俺は迷わず向かう。すると、会議室の入り口の扉の横に一人ポツンと生徒会長がたたずでいた。俺は壁にピッタリ背中をつけて動かない生徒会長を暗い中見て、寝てると思い無視して会議室に入ろうとすると生徒会長から制服の襟を掴まれた。


「……っ!? 生徒会長……」


「しーー!! ちょっとこっち来て!」


 生徒会長は俺に静かにしろと言わんばかりの目線を向けて俺を強制的に自分の横に立たせた。


「なんですか? 会議室入っちゃ行けないんですか?」


「ちょっと……静かに……耳を澄ませて……」


「……は?」


 生徒会長が会議室から聞こえてくる声に耳をすませている様子だったので、俺は不思議に思いながらも自分も会議室から聞こえてくる声に耳をすませた。


「……なあ、奏……俺たちお化け屋敷やるけどよ! うまく行くといいな!!」


「……そうね」


「俺たちワンチャン! 総合優勝取れるかもな!!」


「だと嬉しいわ……」


 ん? なんだこれ? 涼風先輩と如月先輩が喋ってる? 俺はそれを聞いて生徒会長の方を見ると、生徒会長は暗いながらもこっちをみて頷く素振りを見せた。


「劇だってよ! 俺たちなら絶対成功できるぜ!!」


「ねえ、涼風くん……あなたさっきからどうしたの?」


「え? だからよ……俺はその……文化祭の空き時間お前と一緒に回れたらなと……」


「え? 私と一緒に文化祭回りたいの?」


「え……あ、そうだよ……」


 先輩たちのそういう声が壁越しに聞こえてくると、横にいる生徒会長が


「も〜! あと少しよ! 涼風くん!」


 そう小さい声で呟いた。


「……いいわよ! 私も涼風くんと回りたいと思ってたし!」


「え? それってどういう……」


「とにかく! 文化祭楽しみだね! 涼風くん!」


「ああ!!」


 そう先輩たちが話すのを聞いた後、横にいた生徒会長が突如会議室に凸って行った。


「ちょ!? あなた何してんの?」


 俺が生徒会長にそう言ったが、生徒会長にはもはや聞こえてないのか彼女は会議室の中に入って行った。


「あれ? 愛佳じゃないか! どうした?」


 生徒会長が会議室の中に入ると、涼風先輩から不思議そうに生徒会長に問いかける。


「いや、特に要はないのだけど、要はあるのはあたしの後ろにいる山田くんよ!」


 すると、生徒会長は会議室のドアの奥にいた俺のことを手で手招きした。


「……こんにち……こんばんわ……涼風先輩、如月先輩……」


 俺はいきなり生徒会長にそう言われて、動揺しつつそう言った。


「お! 海人じゃないか! どうした!? もしあして、俺に会いにきてくれたか!! あははは!!」


 何故か俺の顔を見るなり上機嫌になった涼風先輩を見ていると、俺の横に如月先輩が来て


「山田くん来てくれてありがとね……涼風くんね……あなたの事、大変気に入ってんのよ、だから顔見せに来てくれてとっても嬉しいんだと思う……だからありがとね!」


 涼風先輩には聞こえない声量で感謝を述べられた。


「あ……いえ……こちらこそありがとうございます……」


 俺は如月先輩にそう答えた。

 てか、涼風先輩が俺のことを気に入ってるって……まじ!? なんか嬉しい……


「あ! 海人! お前! あれだ、劇で主役やるんだろ!! 俺見に行くからな!!」


「あら? そうなの? それじゃあ! 宣伝込めて! 山田くんが映ってるポスターとかを町中に貼りまくりましょう!!」


「勘弁してください……」


 俺にはわかる……この生徒会長は俺がこう言わないとまじでやりかねないからな……


「あら? いい提案だと思ったんだけどね……」


 生徒会長が悲しそうな顔を馴染ませた。


「あ! 私、ちょっとクラスの人に呼ばれたから行ってくる!! じゃあ、愛佳ちゃん、山田くん! 明日文化祭頑張ろうね!!」 


「あら? 頑張ってね! 奏〜」


「お疲れ様です! 如月先輩!!」


 如月先輩の挨拶に対し、俺と生徒会長はそう答えた。

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