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8話 何事にも変えられない奇跡のようなものだから

 俺は生徒玄関前で待っていたが一向に彼女がくる気配がないので心配になり、ちょっと教室に見に行ってみるか、と思い、教室に向かった。


「ねぇ、ねぇ、今日! 山田くんと放課後買い物行くんでしょ!? 私も行っていい?」


 そう、中川さんが月野さんに詰め寄られていた。


「え? それは、山田くんに聞かないと」

「うんうん! それもそうだね! それで、問題の山田くんはどこ?」

「ここです」


 そう、月野さんが言ったすぐ直後に俺が発言した。


「もーう、山田くん、あなたどこ行ってたの?」

「えっ? いや、ちょっとトイレにな」 


 俺は月野さんに聞かれたが、なんとなく誤魔化した。


「それで! いいよね? 山田くん! 私も一緒について行って!!」


 別について来てもいいのだが。

 一つ懸念材料が、それは中川さんの事だ。

 ともかくばれてもまあ、信じないと思うけど、一番まずいのは、俺と彼女が一緒に住んでいることがばれることだ。


「えへへ! 中川さんと山田くんとお買い物〜〜」

「ごめんね、山田くん、なんだか、事が大きくなっちゃって」

「いや、いいよ! それに、中川さんと月野さんとの仲がいいことは俺にとっても嬉しいよ!」


「ありがとう、やっぱり優しいね、山田くんは」


 そう彼女は優しい手で顔を小さくかきながら言った。


「所で、山田くん、買い物ってどこ行こうとしてるの?」

「それはね、この学校と俺の家とのちょうど間ぐらいかな? それぐらいの位置にある、大型ショッピングモール「モオン」に行こうと思うんだけど、お二人はそこでいいかな?」

「おっけ! おっけ! そこの「モオン」なら学校から近いし、それに、私はあくまでついて行かせてもらう側だから、文句は言えないよ!!」

「うん、中川さんもいいよね?」

「うん! 私、まだこの世界のショッピングモールとかよくわからないけど……そこでいいよ!」

「ふふふ、さっきも聞いたけど……中川さんって不思議な事、言うよね」


 中川さんの不思議な発言を聞いて、月野さんは、優しく笑った。


 俺は、というと、かなりヒヤヒヤしていた。

 まぁ、月野さんが笑ってくれたから、そこは良かったけど。


「それじゃあ! 行こう! 早く行かないと夜になっちゃうよ!!」


 そう月野さんが言う。

 まだ、午後四時を回ってちょっとしたぐらいだ、そんなに早く夜にはならないけどな。



 そして、俺たち三人は学校から歩き、学校近くのショッピングモール「モオン」に到着した。

 まぁ、体感歩いたら結構距離があった気がするが。

 そして、俺たちは「モオン」に入ると、まずは中川さんの服を買うため、服屋に向かった。


 服屋に向かって歩いてる中、他のお客さんの賑やかな声が聞こえてくる。

 するとそんな賑やかなショッピングモール「モオン」を見て中川さんは。


「なんか……ここの「モオン」っていうショッピングモール、私の世界の「マルプラザ」っていうショッピングモールに似ているわ」


 そうか……確か、ゲームでもショッピングモールでのイベントがあったな、

 確かに中川さんの世界のショッピングモールである「マルプラザ」に酷似している。


「そういえばさ! 中川さんは、洋服何買う予定なの?」

「えっ? それは」


 月野さんが中川さんに質問を投げかけた時、中川さんは困った表情をしていた。

 そこで、俺は。


「中川さん、とりあえず部屋着と、休日の外で着る服を買うといいよ! ずっと、制服って訳には行かないからね」


 そう、ボソボソっと彼女に伝えた。

 すると、彼女は。


「えと、部屋着と、外で着る服かな……」

「了解ー! それじゃあ! 行こうか!! 私の服屋のイチオシは「サニクロ」何だけど〜〜とりあえず「サニクロ」行く?」


「……うん! 行こう、そこに!」


 月野さんの提案に中川さんが承諾して。有名な服屋さん「サニクロ」に行くことになった。

 俺は「サニクロ」に向かってる最中、中川さんにぼそっと。


「あ、そうだ……中川さん……これ……」


 俺はそう言って中川さんにお金の入った、財布を渡す。


「えっ……これ」

「この中にある程度の服は買えるお金入ってるから……それ使って払って!! もし、お会計の時に俺が払ったら変になっちゃうでしょ」


 そう俺が中川さんに説明した。


「でも、こんなにお金、悪いよ……」

「全然大丈夫だよ、それに、今度弁当作ってくれんだし。それに比べたらこんなもの安いもんだよ」


 そう、俺が彼女に話すと、彼女はこっちをじーと見て。


「何だか、山田くんには、恩を返しても返しきれないね」


 そう彼女は、俺に言って、一足前を歩いている月野さんの元へ駆け寄った。


 俺はそれを聞いて、そんな事はないと思った。

 だって今この場で、俺の好きなゲームの世界から来た中川さんがこうして同じ世界。いや、同じ空間でこうして話しをしている。


 これは、何事にも変えられない、奇跡のようなものだから……


 俺は彼女と月野さんが「サニクロ」へと歩いて行く背中を見ながらそう思った。

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