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77話 どうしたの? 海人

 それから俺と正孝はお昼ご飯をたいらげて、その後に今やってるゲームの話をしながらお昼休みを過ごした。



 そして放課後……

 クラスのみんなが文化祭脚本担当になった大塚さんのところに集まっていた。

 話題は当然、イチゴ姫と勇者サカナギだろう…クラスのみんなはその話で盛り上がっていた。

 もう一回あの漫画……アニメ……どっちか見返してみようかな……

 俺は家にイチゴ姫と勇者サカナギ……通称イチサカを単行本全巻揃って持っている。

 ちなみにこの作品は漫画も完結しているし、アニメも原作最終回まで放送している。

 

「なんだか盛り上がってるね!」


 すると、中川さんが俺のところにやって来て、俺そうに話してくる。

  

「うん……そうだね……」


 やばい……いままで彼女が近くに来ても平気だったのに、何故か今日はもうなんかいろいろだめだ!! 意識してしまう……


「その劇の演目の……イチゴのお姫様と勇者サカタナってなんのことなの?」


「違うよ……中川さん……イチゴ姫と勇者サカナギだよ……これ漫画原作なんだけど……アニメ化もされてる有名作品なんだ……後で見せてあげるよ……俺持ってるから……漫画」 


 俺は自分がいるところの左側にある窓の外を見ながら彼女にそう説明した。

 今は彼女の顔を見て話すことができそうにないから……


「どうしたの? 海人……?」


「……え? ふぎゃ!?」


 すると中川さんは突然俺の顔に自分の顔を近づけて俺の額に手を当ててきた。


「あ!? ど、どうしあの? 中川さん!?」


 俺は瞬時に後方へバックして彼女から距離をとった。


「いや……なんかいつもの海人じゃないなって……だから風邪でも引いたのかなって思って、熱測ってみたけど……このあったからさなら平熱だね! よかったよかった!!」


 そう彼女は安心した表情を浮かべる。

 俺の体温は平熱でも、今の俺の心の中の体温は沸騰してるんだが……

 ほんとにどうしちまったんだ……俺……


「山田くんー!! そろそろ会議室行こうよ!!」


 そんな中、月野さんが俺に一緒に会議室に行こうと誘って来た。

 助かった……俺は今この場をさることができる理由が見つかってそう心の中で安堵する。


「……わかった……行こうか……会議室……」


「ちょっと待って!!」


 俺が月野さんと一緒に会議室に向かうとすると目の前にいた中川さんから待ったがかかる。


「雫と海人が行くなら私も行く!!」


 ……え

 俺はやっと一旦彼女と距離を置けると思っていたのに、よもやこんなことを言われて内心ちょっと焦る。


「……でもさ、中川さん……その、俺たちがやっているのは書類のチェックとかの事務作業でその……大変だから」


「そんなの関係ないもん!!」


 どうするんすか……月野さん……

 俺はそう思い月野さんの方を見る。


「うんうん!! 人手は多い方がいいし!! よし! 鈴音行こうか!!」


「わーい! 行こう!! 雫!!」


 すると中川さんと月野さんは一緒に仲良さそうに教室を出ていく。

 俺もその後をゆっくりと追った。


「失礼します……」


 俺がそう言って横にいた彼女たちより先に会議室のドアを開けて中に入ると


「よう! 海人!! おっすおっす!!」


 いつも通り陽気な涼風先輩がおおみえになった。


「どうも……今日もよろしくお願いします!」


「いやいや! よろしくされるのはこっちだぜ! お前は善意でやってるんだからな! その事務作業!!」


 俺はそう言って律儀に頭を下げた。

 すると先輩がそんな事を言って笑う。


「あれ?」


 すると涼風先輩は俺の後ろにいる中川さんと月野さんを見てその後、また俺の方を見てこちらにくるように俺に手招きをしてくる。


「なんでしょうか?」


 俺がそう言うと涼風先輩は俺の肩をガッチリ掴み


「お前……二股はダメだろう……てか、2人で来るってことはあれか? 彼女公認の二股なのか?」


「は?」


 何言ってんだ? こいつ……おっと……先輩だった先輩だった……

 

「何言ってるんすか! そもそも俺と月野さんは付き合ってませんし、隣にいるポニーテールの子とも付き合ってません! ただの友達です!」


 すると涼風先輩は手を叩いて


「なんだ〜!! そうだったのか! いや、俺、てっきりお前とエミーじゃなかった、月野が付き合ってると思ってたよ! 昨日だってあんなに席近くして作業していたからな!」


 先輩はそう言って納得した様子を見せた。

 てか、昨日のは月野さんが俺の近くに席を置いて作業しはじめただけで、それに俺も月野さんから離れたら月野さんになんかそれはそれで悪いかな……って思ったから動けなかっただけで、決してそんなことではない!


 俺が涼風先輩がある場所からさっきいた場所に戻ろうとしたら中川さんと月野さんと如月先輩が仲良くお喋りをしていた。


「君……体育祭でめちゃくちゃ足早かった子だよね!」


「私ですか?」


 どうやら如月先輩と中川さんは体育祭の時の話をしているようだった。

 確かにあの時の中川さんはすごかったな……なんというか、かっこよかったな……


「そう! なんか部活入ってたりするの? 陸上部とか……」


「いえ……今は特には……でも、中学の時に私、陸上部でしたよ」


 俺は中川さんの言葉を若干遠くにいながら聞いて驚いた。

 だってあの中川さんが陸上部だってこと今聞いた初耳だったから、あのゲームでもそんなこと語られなかったから


「そうだったの! どおりで! あ、私の名前は如月奏でっていうの!! よろしくね!」


「はい! よろしくお願いします! 如月先輩!!」


 そう互いの自己紹介をしていた中川さんと如月先輩なのであった。


 そして作業が始まり、中川さんと月野さんは仲良く並んで作業をしていたが、俺は一人離れて涼風先輩の隣で作業していた。

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