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75話 お前はさ……劇出る予定あんの?

「はい、真原まはらなんだ?」 


 北原は一人の手を挙げた真原という男子生徒に劇の演目のアイデアを聞く。


「やっぱ! 冒険系でしょ!!」


「ほう! 冒険系か!! いいな!!」


 北原は指パッチンをして真原のアイデアを褒める。


「それじゃあ、次……手間《ルビを入力…(てま)》……どうぞ!」


 続いて北原は手間という女子生徒が手を挙げていたので、劇の演目のアイデアを求めた。


「やっぱ〜文化祭といえば! ロビオとシュリエットでしょ!!」


「いいわね〜〜!!」


 北原より先に副学級委員の相沢さんが嬉しそうにそう言った。


「確かに文化祭の劇といえばロビオとシュリエットは定番だな!!」


 北原が腕を組んでそう言う。


「うん! そしてなによりロマンチックなのよ!」


 続けて相沢さんが嬉しそうに言った。


「そうなのか? まあよくわからないけど……」


 北原が首を傾けてそう言った。


 そして……協議の結果、劇の演目は「イチゴ姫と勇者サカナギ」という漫画からアニメ化もされている人気作になった。

 この作品の注目ポイントはなによりも勇者が使える国の姫と勇者の仲間である女騎士の三角関係である。

 この物語はこの世を混乱に陥れる魔王軍に対抗するため、騎士や魔法使いらが日々戦いを繰り広げてる世界が舞台で、勇者である主人公サカナギは、生まれた時から勇者という宿命を背負い魔王に挑んでいくといういわゆる王道ものである。

 

「それじゃあ、劇の配役決めてくからな、えと、みんな去年文化祭やったから知ってると思うが、この劇は別にクラス全員参加じゃないからな……その代わり二日目は劇チームと出し物チームに分かれてそれぞれ仕事してもらうから、そのつもりでよろしくな!!」


 そう、北原が言う通りこの文化祭の劇は全員強制参加ではなく、クラスの半分ほどが劇の配役として劇に出るという方式である。


「では、今から配役決めてくぞ! 今から相沢が黒板に各役を書いていくから役やりたい奴がいたら立候補してな!」


 北原がそう言うと、一人北原に物申す生徒がいた。


「ねえ、北原くん! まださ、劇の脚本どうするか決めてないのに、役なんて決められるの?」


「あれ? そういや、劇の脚本がないとダメだな……忘れてたわ、それじゃあ、この中から劇の脚本描いてくれる人いるか?」


 月野さんに北原はそう言われて、脚本の存在を思い出したように文化祭の脚本家を募集するためにクラスのみんなに呼びかけた。


 てか、北原はもしかして脚本なしで、文化祭の劇をしようとしていたのか?

 まぁ、俺も文化祭の脚本の存在すっかり忘れてたけど……


「はいはい〜〜!! あたし書きたい!!」


 するとクラスメイトの大塚おおつかさんという女子が手を挙げて立候補した。


「おお! 大塚やってくれるか!?」


「もちのろん! あたしイチゴ姫と勇者サカナギがとっても好きだからさ!! この作品に決まった時からあたしが脚本書いてみたいと思ってたんだ!!」


「そうか! それは頼もしい!! お前ら、異論はないな!! ……それじゃあ、よろしく!!」


 北原が俺たちに異論がないか聞いてくるが、クラスの誰一人異論を唱えなかったので、大塚さんに決まり、北原が言い終わった後、みんなから拍手が起こった。


「それじゃあ、脚本が出来上がり次第、配役決めるからな……みんなそのつもりでよろしくな!」


「はーい!!」


 北原がそう言ってクラスのみんながそれに賛同したことにより、劇の話し合いは一旦これにて終了した。


 そして一時間目の話し合いが終わり、二,三,四と授業を受けて、お昼休みとなった。

 俺と正孝は飲み物を買いに行くため、教室を出て、学校中庭にある、自動販売機に向かった。


「いや〜連日文化祭関連の話し合いで疲れたな!」


 そう、俺の横で自販機にお金を入れてペットボトルの飲み物を購入した、正孝がそう言って来た。


「まぁ、そうだな……でも、早く話し合わなきゃ文化祭が始まってしまうからな……」


「お前はさ、劇……出る予定あんの?」


 すると横でペットボトルをごくごく飲んでいた正孝が俺に聞いてきた。


「劇か……今回はパスかな……」


「あれ? お前……去年の文化祭の劇出てなかったか?」


 正孝が俺に聞いてきた。

 そういえば……去年の文化祭、劇に出る人は出し物の仕事を二日目は回避できるということで、石とか木とか草とか、劇で背景に徹する配役があったので、俺仕事がしたくなかったから、石の役になって、その場でじーと止まっていたな……

 てか、よくそんなこと覚えているな……正孝


「石役で……出たな……劇」


「石役か……それ楽だったか?」


「まぁ、じっとしているだけだから比較的に楽だった。」


「そうか……」


 すると俺は買ったお茶のペットボトルを口の中にがぶがぶ飲んだ。


「なあ話変わるけどさ……お前ってさ、中川さんの事……どう思ってるの? 好きなの?」


 俺は正孝からいきなりそう言われてびっくりして口の中に入っていたお茶を吹き出しそうになる。


「どうした……急に?」


 俺は正孝がどうしてそう思ったのか、聞いてみることにした。


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