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71話 ラーメンと口を膨らませるヒロイン

「こんな時間までなにやってたの?」


 俺は生徒玄関前でばったり遭遇した月野さんにそう聞かれた。


「実は……文化祭実行委員長に頼まれごとされちゃって……」


「え……! こんな時間までやってたの? ご苦労様!!」


「まぁ、俺は今日別になにもやってないけど……」


 そして下駄箱から俺は靴を取り学校で履いている靴と履き替えて月野さんと一緒に生徒玄関を出た。


「そういえば……月野さんはこんな時間までなにしてたの?」


「うふ! 聞きたい?」


 彼女はなぜか嬉しそうに顔をして聞いてきた。


「それはねぇ! 先生に頼まれごとしちゃっててさ!」


 こんな時間まで先生の頼まれごとをしていたのか……月野さんはすごいな……


「そうなんだ……えらいね……月野さんは……」


「エヘヘお互い様でしょ!」


「……うん……!」


 俺は今の彼女の笑顔に不覚にもドキドキしてしまった。


「あ! そうだ! 山田くんこの後ってか、今お腹空いてる?」


「え? まぁ、空いてると思う……多分」


「じゃあさ! この後ちょくら! ラーメン行かない!?」


「ラ……ラーメン?」


 俺はいきなり彼女にラーメン食べに行こうと誘われてびっくりした。


「そうと決まれば行こう!!」


 そう元気良く拳を突き上げて肛門へとウッキウッキで向かう月野さんなのであった。




「ここ……今人気のラーメン屋じゃん! テレビで見たことある……」


「ふふ! そうなのよ! ここのラーメンは格別! ワタシここの常連だからさ! おすすめのメニューとか教えてあげるよ!」


 彼女がそう言って店の扉を開けると一気にラーメンの美味しそうな匂いが俺を包み込んできた。


 俺と月野さんはラーメン屋に入るとすかさず席に座った。


「ここのラーメン屋いっぱいラーメンの種類あるね……」


 俺はテーブルに置いてあったラーメンのメニュー表を見ながらそう言う。


「あ! ここのラーメン屋はとんこつラーメンがとても美味しいんだよ! ワタシのイチオシ!!」


 彼女はメニュー表のとんこつラーメンを指で差してそう言って来た。


「そうなんだ……じゃあ! 俺とんこつラーメンにしよう!!」


「おお! いいね! ワタシもとんこつラーメンにしよう! ねぇ……山田くん……ワタシたち……お揃いだね……」


「……っ!?」


 おかしい……今日の月野さんは何かがおかしい……俺は月野さんのなにか意味ありげな笑みを見てそう思った。


「それで……その、文化祭の実行委員の仕事は終わったの?」


「それが……まあ、一応スローガンとかは決まったんだけど……生徒会の人が書類をいっぱい持って来て明日からその手伝いをすることになったって感じ……」


 俺はテーブルに置かれた水を一口口に含んでからそう言った。


「へぇ〜! 働き屋さんだね! 山田くんは!」


「そんなことないよ……」


「あ! そうだ! ワタシ明日から山田くんと一緒に文化祭の人の手伝いをすることにするよ!」


「え?」


 俺は月野さんがそう言うので驚きをあらわにした。


「いやいや!! それは悪いと言いますか! そのしかも……忙しそうだから月野さんを巻き込んだら悪いと言いますか……」


「忙しいならなおさらワタシも手伝うよ!!」


「いやいや!! でも……」


「……それに……ワタシ……もっと山田くんと一緒にいたい……から」

  

 彼女が水のボトルを持って恥ずかしそうに何かを言ったが俺には何で言ったか聞き取れなかった。


「今……何で言ったの? 声が小さくて聞き取らなかったけど……」


「な! なんでもないよ!」


 なんだったんだ?

 


「ただいま〜」


 俺は家に帰るとそう言った。

 すると玄関前で可愛らしく口を膨らませてる中川さんがお出迎えをしてくれた


「う? どうしたの? 中川さん?」


「なんでもない!」


「いや! 絶対なんかあったでしょ!」


 今中川さんは怒ってる? のか? 

 俺は口を膨らませながらぷんぷんしててもまるで怒っているようには見えないのだが……


「それで……楽しかった? 雫とのラーメン……」


「え? まぁ、おいしかったよ……」


「それは……よかったね!」


 そう言って彼女は先にリビングに戻って行った。

 ん? なんだったんだ? そう言った彼女の調子はいつもの中川さんの調子だった。


 ちなみに月野さんとラーメンを食べに行くことはラーメンに行く前に中川さんに連絡済みだ……もしご飯用意していたら悪いからな……


 そして俺は中川さんの後に続いてリビングに向かった。


「もう……ラーメン食べに行くなら私も誘ってくれてもいいのに……」


「海人の……バカ……」


 鈴音はソファのクッションを顔に当てて海人に聞こえないような声でそう言った。

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