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69話 涼風先輩の好きな人

「だから!! 文化祭のスローガンは! やっぱり星が入ってないと!!」


「なんで!! 星なんだ!! 文化祭だからやっぱり太陽を入れるべきだ!!」


「は? 太陽だって文化祭と関係なくなーい?」


 会議室に入ると文化祭のスローガンの中に入れるワードで実行委員同士がなにやら揉めているようだった……


「はぁ〜お前らまだやってんのか? そんなに言うなら太陽と星……両方入れればいいんじゃねぇの?」


 しびれを切らした涼風先輩が実行委員のみんなに間髪入れずそう言った。


「それじゃあ! だめです!! だって! 太陽がのぼってる時! 星って見えますか? 見えないでしょ!! だからダメです!」


「お前らな……なんでそんな理屈が……別にスローガンとら関係ないだろ……」


 涼風先輩は頭を抱えて俺に


「なぁ……こういうことだ……山田……助けてくれ……」


「いや……俺に振られても……それに俺……生徒会長や涼風先輩みたいにみんなをまとめる能力なんてありませんよ……おれだったら生徒会長をここに連れてきては?」


「いや……ダメだ……あいつは今別の仕事ですごい忙しいから……これ以上生徒会長に頼るのはよくない……」


 うっそ! さっきすげー暇そうにしてけどな……

 

「あ……涼風くん……」


「奏……悪かったなお前に任せっきりになっちまって……」


 すると赤団副団長だった如月先輩が涼風先輩に話しかけた。


「あー海人……紹介するぜ! 奏はこの文化祭実行副委員長なんだ!」


「ちょっと涼風くん奏だけじゃわからないでしょ! ごめんね涼風くん説明下手で! 私の名前は如月奏と言います! 初めましてかな? 山田海人くん……」


「ええ……多分……」


 この人も相当美人だな……

 俺は体育祭でこの人を知っていたがまさかこの人が俺の名前を知っているとは……


「あの……俺のこと……知ってるんですか?」


「そりゃ! もちろん! あなたすごかったわよ! 体育祭終わってからしばらく学校ではあなたの話題で持ちきりだったんだから!」


「そ……そうなんですか……」


 そんな……大袈裟だろ……と思ったがみんなが俺にそう言ってくるのであながちそうなのではないかと思ってしまった……


「……ところで山田くんはなぜここに? あなた文化祭実行委員でもなかったわよね?」


「あぁ!! こいつは俺が連れてきた! 助っ人は一人でも多い方がいいからな!!」


 すると如月先輩が涼風先輩に軽く頭にチョップをした。


「なにするんだよ……奏!!」


「あんたね! 山田くんに迷惑かけて……山田くんもう帰っていいよ!! ここにいるバガがごめんね! 迷惑かけて……」


「いや……待ってくれ!! 山田! スローガンほんとに時間がないんだ! あとちょっとだけでも協力を!」


「あんた……なんにも聞いてないようね……あんたが帰ってきたらもう強制的に多数決で決めるつもりだったのよ! あんたにはさっき言ったじゃない!」


「……え?」


 涼風先輩がそう言うのと同時に俺もそう言った。

 この人……ほんとになにも聞いてなかったのか……


「あはは! よーし! 多数決を決める!!」


 涼風先輩はそう言って会議室の奥にあるホワイトボードへと向かって行った。


 多数決の結果……

 文化祭スローガンは「みんなで創り上げる史上最高の文化祭」に決まった

 さっきの月と太陽は一体どこに行ったんだ!? っていうツッコミはおいといてとりあえずスローガンが決まってよかったと安堵する涼風先輩と奏先輩と俺なのであった。

 ちなみに俺は会議室を出て行くタイミングを見失い結局文化祭のスローガンが決まるまでここにいてしまった……


「やあ! ありがとな! 海人!! お前がいてくれて助かったぜ……」


「俺はなにもしていないですが……」


 俺は喜びながら俺の肩をぽんぽん叩いてきた涼風先輩にそう言った。


「あら? 文化祭のスローガン決まったのね! やかった! よかった!!」


 すると会議室に突如現れた生徒会長がそう言ってきた。


「あぁ! これで文化祭が始められるぜ!!」


「安堵しているところ悪いのだけど……これ一応予算とか地域の皆さんへと協力とかもろもろ書いてあるからこれ……チェックしておいてね!」


「……ぐゎ!!」


 すると生徒会長は、会議室の机にいろんなことが書いてある書類をどさっと重くおいた。そしてその後生徒会役員が続々会議室にきて書類を机に置いていく。


「あの……愛佳……これ……全部すか?」


 おそるおそる涼風先輩が生徒会長に聞いてきた。


「ええ! 予算の不備や地域の皆さんに伝える備考が間違えるなんて万が一が起こってはいけないからね! よろしくね! 実行委員長!!」


「……海人!! お前明日からも……来てくれないか……?」


「……は? いやいや涼風先輩!!」


「頼む!! これだけの書類をチェックするのに猫の手も借りたい!! 手伝ってくれ!!」


「……わかりました……でもほんとにこれ以上は勘弁ですからね!」


「ああ! 助かる!!」


 俺は涼風先輩の熱気におされ了承した。


「よーし! とりあえずこれは明日にしてなぁ! 奏! よかったら今日一緒に……」


「奏!! 終わったか?」


「あ! 翼くん!! ごめんね! 待ってたよね!」


「いや! 待ってないってほら! 行くぞ!」


「うん!!」


 おそらく……涼風先輩が如月先輩に一緒に下校しようと誘ったが……その……如月先輩は翼という人と一緒に帰ってしまったようだった。


「……あの……涼風先輩……?」


「く! あの! 綾小路のやろう!!」


 俺は涼風先輩が悔しそうにしていたので俺は思わず先輩にそう聞いた。


「綾小路とは?」


「あぁ、綾小路翼はよ! あいつは奏の幼馴染なんだとよ! しかも小中高一緒で!!」


「もしかして……先輩って……如月先輩のこと好きなんですか?」


 俺がそう涼風先輩に聞くと先輩はびっくと体を震わせた。


「……やっぱりバレるか……そうだよ俺は奏が好きだ……」


「ヒューヒュー!! ヒューヒュー!!」


 涼風先輩が恥ずかしそうにそう言うと……俺と先輩の間に生徒会長が割り込んでそう言った。


「おい! 茶化すなよ! 愛佳!! 俺は真剣なんだぞ!!」


「あら? メンゴ! メンマ!! チャーシューメン!!!」


 ……は?

 涼風先輩が恥ずかしそうに言うと生徒会長はそう意味のわからないことを言った。

 

「まあ、あんたが奏のこと好きなのは知ってたけどね……」


「気づいてたのか?」


「だってあなたわかりやすいんだもの……奏に話しかけられた時デレデレしたり褒められたりしたらすごい嬉しがったりまるであたしと話す山田くんみたいな反応してるもん……」


 ……は?

 あなた一回静かにしといてくれませんかね?

 なんてことを生徒会長に言う勇気は俺にはない……


「よし! 俺決めたぞ!! 俺は文化祭で奏に告白する……」


「あら? 頑張ってね!!」


「……応援してますよ……涼風先輩……」


 意を決したように涼風先輩が言うと生徒会長と俺が続けてそう言った。


 ーーそして、俺は会議室を出て生徒玄関に向かっていた。


 恋か……俺は人間に恋をしたことはあったのだろうか?

 俺はそんなことをついつい考えていると


「あれ? 山田くん?」


「あ! 月野さん……」


 俺は生徒玄関前でバッタリ月野さんと遭遇した。

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