65話 みんな私の話を聞いて欲しい……
中川さんとケーキ屋さんに行った次の日、俺は今、正孝と一緒にいつもの「モオン」に遊びに行っていた。
「それで正孝お前なんか買いたいものがあるって言ってたが……なに買いたいんだ?」
俺と正孝は「モオン」の中に入っているイエロー電気に向かいながら歩いていた。
「そりゃあれだ……最近発売した「アニマルクエスト」の敵キャラや味方キャラがカードになったいわゆるトレーディングカードゲームが発売したんだよ!! しかもそのカードについているシリアルコードを読み取るとゲーム内でアイテムがもらえるんだぜ!! だから今日買いに行こうと思ってよ!」
なるほど……てか、トレーディングカードゲームまで発売されてあのゲームスゲェーな……そういえば前動画でゲーム新作ランキングで一位を獲得したとか紹介されてたな……
「おい! ついたぞ!!」
正孝はイエロー電気につくと足早にカードが売っているところに向かって行った。
そして、無事トレーディングカードゲームを買うことができた。
「よし! じゃあ開けようぜ!!」
俺たちはイエロー電気から出て目の前にあった椅子に座ると正孝がそう言ってきた。
最初は正孝だけが買う予定だったんだが何故か俺も買う羽目になった。
「よーし! 引き当てるぞ! シークレットレアカード!!」
「シークレットレアカード?」
正孝がカードを取り出すため、カードが入った袋をそーとむいてそう言った。
シークレットカードか……シークレットって名目の通り本当にそのカードは低確率なんだろうな……
「あ……これにはシークレットレアっていうトップレアが存在するんだよ! それを引き当てた時には俺は勇者だ!!」
へぇ〜シークレットレアか……シークレットって書いてあるからには相当レアそうだな……なんだか、俺も欲しくなってきた……
「スーパーレアか……まぁ! 勇者の仲間キャラのカードが当たったから俺は満足だけどな!」
正孝は買ったカードの袋を全部開封してそう言った。
俺もそれを横で見て自分が買ったカードの袋を開封した。
「おい!! それハイパーレアじゃねぇか!!」
「え? ハイ……パーレア?」
俺はカードの袋を開封して中から出てきたカードを見ると横から正孝が叫ぶような声で言って来た。
ハイパーレア……まあ、名前からしてレアそうだが……
「これレアなのか?」
「レアもなにも! シークレットレアの一個下だぞ!! お前ハイパーレアって相当レアで、滅多にお目にかかれないんだぞ!」
そう正孝が興奮気味に言ってきた。
てかハイパーレアで相当レアで滅多にお目にかかれないならシークレットレアは一体どんだけなんだ?
「それ! 相当レアだから大切にしろよ!」
「……おう」
俺は正孝にそう言われて傷つけないようにバックに大切にしまった。
「さ! お前のうち行くか!!」
「ああ、そうだな……」
正孝がそう言うと俺と正孝は俺の家へと歩き出した。
俺の家の前のドアに着くと……俺が鍵を使ってドアを開けて家の中に先に正孝を招き入れた。
俺は先に正孝が先に玄関を出て廊下を歩きリビングに歩いていくのを見て玄関のドアを閉める。
「ギャャャャャ!?」
すると突如正孝の叫び声が聞こえてきたので俺は急いで振り返り玄関の奥を見た。
どうしたんだ!? あいつ……もしかして転んで足でも痛めたか!?
あれ? く、靴が四つある!? (正親の靴を含めて)
まさか!?
俺は見慣れない靴が二つ……一つはいつも見慣れた靴……が置いてあったので俺はダッシュで正孝の声がしたリビングに向かった。
おいおいおい!? まさかまさかだろ……
「正孝!? ……!?」
俺がリビングに着くとリビングに中川さんと月野さんと橘さんがいた。
正孝は驚きすぎて腰がぬけていた。
「……え、山田くん……どうして……」
月野さんが驚いたような様子で俺にそう言って来た。
嘘だろ……まじか……
俺は最悪のタイミングで彼女たちと鉢合わせをした。
まじでどうしよう……中川さんはおそらく月野さんの家がダメになったかなんかで私の家で遊ぶのはどう? と多分言ったのだろうが、そこに俺がやってきたらそりゃそんな反応になるわな……
「おい! どういうことだ? 鈴音! お前ら一緒に住んでいるのか?」
「え……いや……その……私と海人は……その」
俺は彼女が相当焦っていた様子だったので、起点を聞かせてみんなにハッタリをかますことにした。
「実は……俺と中川さんは兄妹なんだ……」
「……え? えぇぇええぇぇぇ!?」
俺がそう嘘を言うと月野さんをはじめここにいるみんながすごい驚いたように声を上げた様子を見せた。
……てか、なんで中川さんは一緒に驚いているんだ……俺の嘘が……ばれちまうって!?
「それ……ほんとなの? 二人は兄妹って……二人は双子?」
「え? ああ、そうなんだよ! ごめんね、今まで言えなくて!!」
俺はみんなに顔が引きずりつつもそう言った。
月野さんはひどく驚いた顔で俺に聞いてくる。それは驚くだろう……俺と中川さんなんて顔も全然似てないし……
「でも、双子にしては……顔が全然似てないっていうか……それに苗字ちがうだろ! そもそも」
橘さんは俺の顔と中川さんの顔を交互に見てそう言った。
確かに……双子は無理があったか……
それを言うなら俺が四月生まれで中川さんが三月生まれの方がまだ信憑性が……いやダメだ……中川さんの誕生日は八月二十一日ってこの前の誕生会でみんなに割れている……ってか、俺の誕生日……八月二十一日じゃないって正孝は知ってるからそもそも遅かれ早かれ正孝が気づいたら俺も中川さんが双子という俺の嘘がバレるか……
頼む! 気付かないでくれ! 正孝!!
「なぁ? でもお前誕生日八月二十一日じゃなかっただろ? 中川さんと誕生日違うのに双子とは……?」
正孝!! おまえ!?
正孝がそう言うとみんなの視線が一斉に俺に集まった。
「どうして……山田くんは嘘をつくのかな? もしかして私たちに言えない秘密でもあるの?」
俺は月野さんにそう問い詰められた。秘密……秘密か……
「いや……それは……その……」
「海人……」
すると、いつのまにか俺のそばに来ていた中川さんが俺の服の袖を優しく引っ張った。
「ごめんね……海人……雫のお家で急に遊べなくなっちゃって……でも結菜のお家はこっから遠くて……無理だったから私の家ってことになっちゃって……さっき海人には連絡したんだけど……ほんとにごめん……」
彼女がそう言ったので俺はOINEを確認する。
すると彼女から俺の家で遊ぶことになっちゃった旨のメッセージが届いていた。
くっそ! 何故俺は気づかなかったんだ! 俺の馬鹿野郎!!
「いや、いいよ……メッセージに気づかなかった俺も悪いし……それよりもどうする……これ……」
「私……雫たちには本当の事……話そうと思う……」
俺が聞くと中川さんは意を決したようにそう言った。
「でも! それだと中川さんが……」
「ううん、大丈夫だよ……ここにいるみんなは、それに……大切な友達でしょ……それとも海人はみんなのこと信用できない?」
「それは……」
「……みんな……私の話を聞いて欲しい……」
中川さんは意を決したように私は別の世界《ゲームの世界》から来たこと……それで俺の家に居候していること……その全てをみんなに打ち上げた。




