61話 ゲームのヒロインの看病
俺は中川さんがベッドで安静にしてるのを確認して家のリビングにある棚の中に薬があるか見に行った。
探すことすぐに薬は見つかった。
俺は薬と水を汲んだコップを手に持って中川さんがいる寝室へと足を運んだ。
「中川さん! これ薬だから、これ飲めばきっと良くなるよ!!」
「ありがと……海人……」
彼女は俺が渡した薬を口に含み水を飲んでそれを胃の中に流した。
とにかくこれで良くやるはずだ……
「そういえば、中川さんこれ、体温計……」
俺はそう言って彼女に体温計を手渡した。
「三八.四度だって……」
彼女が体温を測り終わってそう言った。
「三八.四度か……普通に熱が高いな……」
「ごめんね、私……風邪なんかひいちゃって……こうして海人に迷惑かけちゃって……」
「何言ってんだよ……迷惑なわけないだろう……俺は早く君に元気になってほしいんだ……それにいつも中川さんに頼りっぱなしだから……少しは俺にもかっこいいところ見せないとな……」
彼女は申し訳なさそうな顔を馴染ませて俺に言ってきたので、俺は居ても立っても居られなくなり、心の中の声が若干漏れながらも中川さんに俺の思っていることを伝えた……
「うん……ありがとね……海人……」
「じゃあ、中川さん……なにか、食べたいものとある? といっても、今食欲ないかもしれないけど……」
「うーん、私おかゆが食べたいな……ほら、前見たテレビの番組で風邪引いてた人がおかゆ食べてたから……」
なるほど……おかゆか……確かおかゆは胃腸にあまり負担をかけず水分と栄養力を届けてくれる優れもので、体を温める効果や健康的な免疫力を高めたり風邪の時にはもってこいみたいな効果があったような……(この前テレビ番組で見た)
「わかった……ちょっと待ってて!」
「ごめんね……海人……」
「大丈夫だから! 中川さんそこでじっとしててね……」
俺は申し訳なさそうにしている彼女にそう言って俺はキッチンへと向かった。
「さて……おかゆってどうやって作るんだ?」
俺はキッチンにつくのはいいものの、おかゆの作り方については皆無だったので、俺は世界最高峰の俺の先生であるアームル先生を使っておかゆの作り方を調べたら。
ちなみにアームル先生とは、日本国内のみならず世界各地で有名な検索エンジンアームルのことである。
「なるほど……おかゆはお米と塩と水だけで作れるのか……」
俺はおかゆの作り方が載ってるサイトをじっくり見ながらおかゆを使った。
「これが……おかゆ……」
俺は作り終わったおかゆを眺めてそう言う。
出来立てほやほやのおかゆは参考にさせてもらったサイト通りの見た目となっていた。
実際おかゆを作るのは初めてだったがうまく行ったんじゃないだろうか……
「中川さん……これおかゆ!!」
俺はすぐさま寝室へと向かいそこで横になってる中川さんにおかゆを差し出す。
「ありがとう……海人!! おかゆよかったら食べさせてくれないかな……?」
そう彼女は照れながら俺に言ってきた。
え? 今なんて言った? 俺に食べさせて何とかとか何とかとか?
「ダメ……?」
「え? 食べさせてって……本気?」
「うん……」
まぁ、彼女は今風邪をひいているから仕方がないのか……
「はい! あーーん」
すると彼女はそう言って大きく口を開ける動作をした。
それのあーーんを言うのは食べさせる俺じゃないのか? というツッコミはひとまずそこに置いといて……
俺はおそるおそるそう口を開ける彼女の口の中にスプーンで作ったおかゆを入れた。
「うんうん! 美味しい! 力がみなぎってくる! それに海人のまごころが感じられて嬉しい」
「アハハ……なんなの、それ!」
「えへへ! 海人さっきかっこいいとか見せないとって言ってたけどさ! もう十分かっこいいとこ見せてもらってるよ!!」
「え? あ、うん……そう……」
俺は中川さんにいきなりそう言われてぎこちない返しをした。
俺はこの時は平然を装っているが内心ドキドキがやばかった……
「ありがとね! 海人……風邪ひいてしまった私の看病のみならず私におかゆを作ってくれるなんて……」
「いや……いつものお礼だよ……俺にご飯を作ってくれるいつものお礼……いや、こんなんじゃお礼しきれないな……」
「えへへ、風邪治ったらとびきり美味しいご馳走作るからね!」
「……楽しみにしてるよ……」
彼女は満面の笑みを浮かべた。
俺は今の笑みを見て不覚にもドキッとしてしまった。
それから彼女におかゆを食べさせ終わった後、俺はおかゆの容器を片付けにキッチンに戻ろうとしたすると彼女に腕を掴まれた。
「海人……寂しいからもうちょっと隣にいてよ……」
俺は彼女にそう言われて再度ドキッとする。
どうしたんだよ! 今日の彼女はいつもと様子が違くないか……まあ、風邪引いてるからそれはそうか……
「中川さん……寂しいって……」
「寂しいの……海人……そばにいて……」
すると彼女は俺の右手を握った。彼女の手は暖かかった。
「えへへ、海人のおてて冷たい……」
「中川さん……寂しいなら好きなだけ俺の手握ってていいよ……」
何言ってんだ俺〜〜〜〜!?!?
俺は彼女に手を握られた衝撃で咄嗟に思いもよらぬことを口走る。
「海人……いつもありがとね……私のそばにいてくれて……」
「そんなの当たり前だろ……それに俺が君のそばにいたいと思っているんだから……」
「…………」
寝ちゃったのか?
中川さんこれで熱が下がるといいな……
おやすみなさい……中川さん……
次の日……朝体温計で彼女の体温を測ったところ三七.五と昨日よりはだいぶ下がっていたがまだ熱があったので彼女は今日、学校をお休みすることに決めた。
俺は今日の授業の内容をノートにとるとき後で今日の授業分の内容が書かれたノートを彼女に見せることになっていたので出来るだけ俺の最大限綺麗な字でノートを書いた。
ふぅ〜心配だ……中川さん一人で大丈夫かな……俺も一緒に休むべきだったのでは……
俺はそんな心配事をときおり授業中も考えていた。
「山田くん……今日鈴音心配だよね……」
二時間目が終わりを告げると月野さんが俺の席にやってして中川さんの心配をした。
「うん……本当に心配だね……」
「山田くんは本当に優しいね……きっと、鈴音も山田くんに心配されて嬉しいと思うよ……」
「そうなのかな?」
「うん!! そうだよ! あ! 今日そういえば鈴音の家にお見舞い行きたいんだけど山田くん鈴音のいてとか知らないかな?」
「え? 中川さんの家?」
すまない……月野さん……中川さんの家は一応俺の家でもあるので言うことができない……
これはなによりも彼女のためだから……
「いや? そういえば俺も知らないやごめんね……」
「ううん、ありがとう教えてくれて! 後で鈴音に聞いてみるよ!」
月野さんはそう言って俺の席から離れた。
家に帰ると元気になった中川さんが玄関までお出迎えをしてくれた。
「え? 中川さん風邪は……」
「おかげさまで治ったよ! ありがとね! 海人!」
彼女は最高の笑顔を馴染ませた。
後で体温を測ってみたところ三六.四度と平熱に戻っていた。
「あ、これ……今日の授業分のノート……」
「何から何までありがとう……」
俺が彼女に今日のノートを見せると彼女は俺にお礼を言う。
「そうだ! 今日ご馳走作るよ!! 山田くん……海人に色々してもらったお礼に!!」
「いや……今日はまだ一応安静にしててよ、ご飯なら出前とかとるから、あと、その……無理して海人と呼ばなくても別に今まで通り……山田くんでもいいよ……」
「いやだ! 私が海人って呼びたいの!! あ! どうせなら私の事も鈴音って呼んでくれてもいいんだよ!」
「いや……それは、恥ずかしいので遠慮しておきます……」
とりま……彼女の風邪が治って本当によかった……そう安堵した俺であった。




