49話 騎馬戦
それから騎馬戦が始まり、俺たちの勝利で幕を閉じた。
勝利の決め手は俺の上に騎乗している北原が総大将の鉢巻を取った事に由来する。
北原が総大将を取ると行った偉業を成し遂げると、周りにいた赤団の連中も総出で雄叫びを上げる。
先輩もおでこに手をついてとても安堵したような表情を浮かべていた。
俺たちの学校の体育祭は赤団対青団のように二つの団がお互い戦いあって、勝った方にポイントが多く入る。
つまり俺たちは、青団に勝利したにより、ポイントが多くもらえた。
そして、その後、白団対黄団があって、白団が勝利を手にして
緑団対黒団は、黒団の勝利で幕を閉じた。
よって、騎馬戦は赤、白、黒それぞれの団が勝利を掴んだ。
北原は、テントに戻ると女子たちから英雄扱いを受けた。
それもそうだ……何せ相手の総大将取ったのだから。
「くぅぅぅー!! 悔しいー!! 俺たちだって活躍したのによー! なぁ、山田! 柊!!」
チヤホヤされている北原を見て、横にいた九条がとて悔しそうにそう言った。
「まぁ、まぁ、北原は英雄だからな……仕方ない……あはは」
柊はそう言って笑っていた。
「騎馬戦!! すごかったね! わたし何が何だかわからなかったよ!!」
すると月野さんが俺の近くに来てそう言って来た。月野さんは体育祭の応援団の衣装なのかチアガールみたいな衣装を着ていた。
「なんかすごかったよ、俺も大河ドラマに出てる感じだった」
まじで、さっきのはあの騎馬戦は学校でやる内容じゃなかったぞ。
北原があっちいけこっちいけって俺たちにずっと命令して来るから、本当に大変だった。
「続いては!! 女子玉入れです!! 選手の皆さんは、待機場所に集合してください!!」
「あ!! 次わたしたちの番だ!! 行こう!! 鈴音!! 結菜!!」
月野さんはそう言って、中川さんと橘さん二人を連れて待機場所に向かった。
「次は玉入れか〜〜なんか疲れたな!! 海人!! 俺何もしてないのに、なんかみんなに褒められたからな意味がわからない」
横にいた正孝が椅子に座ってそう言った。
確かに正孝は本当に何もしてないからな。
「どうだった騎馬戦……楽しかったか?」
「まあ、楽しかったさ、北原大活躍じゃねえの」
「あはは、そうだな」
「みんな! 応援するぞ!!」
俺と正孝がそう話をしていると、団団長と応援団長がそれぞれ椅子から立ち上がり、テントの外に出て、赤団の真っ赤な旗を振り回して、応援を始める。
「行くぞーー!! 赤団ー!! ファイトー! フォォォォォォ!!!」
赤団両団長のとてもでっかい声がそう響く。
俺の近くでも一人異彩を放っている応援をしてる奴がいた……
北原である……
「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉーーー!!!」
北原は、体を空へと向けて、とても大きな声で叫び始めた。
やはり、俺には時々北原の体が燃えているように見える、あいつ……炎の魔術師かなんかか?
そして、女子玉入れが開始した。
俺たちはテントから出て、中川さんたちの勇姿を見届ける。
中川さんたち赤団は、赤ボールを手に取って、思いっきりカゴに向けて投げた。それは見事にヒットして、カゴの中に入った。
一方の橘さんは、赤ボールをいっぱい手に持って思いっきりカゴめがけてぶん投げた! しかしそれはかごにひとつも入らなかった……しかもそのうちの数個がカゴに跳ね返って、橘さんの顔にヒットした。
「てめぇー!! いい度胸じゃないかよ!!」
橘さんはそうカゴに対して怒って、カゴの近くに行く、するとそれを不思議に思った月野さんが橘さんに話しかける。
「何してんの? 結菜?」
「決まってんだろ! あのカゴぶっ潰す!!」
「は!? ちょちよ!! 結菜ストップーー!! 鈴音も止めてーー!!」
カゴをぶっ潰そうとする橘さんとそれを月野さんと中川さん二人がかりで体を押さえて止めている。
「お前の幼馴染……やっぱり根石さんみたいだな」
「海人……なんで嬉しそうなんだ?」
俺は目をキラキラさせて横にいる正孝に言った。




