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46話 ふふふ、山田くんくれぐれもしっぽには気おつけてね!

ここまで本作品をお読みいただき誠にありがとうございます。

 ここまで読んで面白かった、続きが気になる方はもしよろしければ★評価やブックマーク、レビューなどをよろしくお願いします。


 あれから一週間が経過した。

 俺たちは今、先生から体育祭の種目についての話を聞かされる事になった。


「ほんじゃ、今から体育祭の予定表配るぞ、そこに種目書いてあるからみんな目を通しておけ!」


 そう言って先生は種目の書いてある予定表を俺たち配った。

 うーん、去年も思ったけど相変わらず種目が多いなこの学校は……

 俺は前の人から予定表、タイムスケジュールが配られると、それを見ようとした。

 すると、俺のクラスの男子の一人が疑問をつぶやく。


「おい……なんだよしっぽ取りって……」


「ちょ、体育祭で椅子取りゲームってあたし、聞いたことないんですけど……」


 クラスのみんなは例年にもない体育祭の種目が追加されていてみんなはてな状態だった。


 あ! そういえば……

 俺は昨日のバイト最中での先輩との会話を思い出す。

 

 昨日のバイトにて……


「あ! そういえば山田くんって赤団よね?」


「そうですけど……どうしたんですか? いきなり……」


「ふふふ! 山田くん! くれぐれもしっぽには気おつけてね!」


 そう言って、先輩は架空の尻尾を掴む動作をし

た。

 ……何やってんだ? この人は……昨日へんな夢でも見たのか?




 あれは、しっぽ取りの事を言っていたのか……

 これは、種目決めに生徒会長も一枚噛んでるな……てか、しっぽ取り採用したの絶対生徒会長だろ……俺にはわかる……

 そんな事を思っていると、前の先生が俺たちに呼びかけ始めた。


「えー見ての通り、しっぽ取りと椅子取りゲームという体育祭の競技としては珍しい競技も入っているが……みんな頑張りたまえ!!」


 先生がそう言うと、クラスの人が疑問を投げかけた。確かに騎馬戦もしっぽ取りも似たようなものといえば似たようなものか……


「でもよ、騎馬戦としっぽ取りって似たようなもんじゃね?」


「そうだよな、わざわざ似たようなものやらなくても……」


 先生はそれを受け流して話を進める……


「あ、そうだ、君たちにひとつ言い忘れていたが……しっぽ取りは、全員参加だが……」


「え!? 全員参加なの!?」


 クラスの人たちがそれを聞いて、騒ぐ。

 確かにしっぽ取りは、代表戦なのか、全員なのか、タイムスケジュールに書いてないからそもそも判別不可能だった。


「おい! まだ話の途中だ! 静かにしたまえ! 君たち!!!」


 先生はあまりにもうるさかったのか怒って、この場を黙らせ喋り始める。


「それで、椅子取りゲームの方は各クラス男女別代表二人ずつの選出となる。」


 その先生の問いに北原が噛み付く。


「先生!! 椅子取りゲームは! その、学年別でやるんですか?」


「ん? 違うぞ、全学年一斉にだ……もちろん男女は、別れるがな……」


「それじゃあ、その、点数は……勝った時の点数はどうなるんですか?」


「それは……一位、二位、三位、四位の人がいる団にそれぞれ点数が入る」


 いくら各クラス二人ずつと言っても、全学年合わせて、三十六人……いくら何でも多すぎないか……


 あとの種目は……男子騎馬戦、女子玉入れ、百メートル走、借り物競走、応援合戦、団対抗リレーと言ったところか……


 俺が体育祭のタイムスケジュールを見ていると……先生がみんなの方を見た。すると先生は口を開く。


「続いて、みんなお待ちかねの、体育祭ビッグイベントである、団対抗リレー、すなわち学年団対抗リレーのメンバー決めと椅子取りゲームのメンバー決めを行う。」


 そう言って、先生が黒板に種目の名前とメンバーの名前を書く欄を書き始める。


「さて、この中でリレーに立候補する奴は、いるか?」


 先生が俺たちに問いかけると、瞬時に声をあげて手を上げた生徒がいた。

 そう、北原である。


「俺! リレー行きますわ!!」


「そうか!! じゃあ、北原、まずは一人目だ! 次!! 誰かいるか?」


「あの……私やります!」


 そう言って手を挙げて、リレーに立候補したのは、中川さんだった。


「おお! 出てくれるか、中川さん!!」


「はい! その……足引っ張るかも知らないけど……クラスのためになればと……」


「いい心がけだ中川さん!! 他にいるか!!」


 そうして、中川さんが立候補してから続々とクラスメイトが立候補していく。


「ほんじゃ、これでリレーのメンバーは、決定だな! アンカーは……」


「ほんじゃ、俺やりますよ!」


 そう言って、手を挙げたのはリレーの選手である、今手いまてくんがだった。


「よーし、リレーが決まったら、お次は椅子取りゲームなのだが……立候補は!」


 先生がまたも俺たちに呼びかけた。


「はい、はい、はい、はい、はーい!!」


 はいを連呼して席を立ったのは、月野さんだった。

 

「月野さん……はいは、一回でいいぞ! それよりもやってくれるか?」


「はーい! ごめんなさい! うんうん!! なんだか楽しそうだから!!」


「ほんじゃ!! 俺も出るぜ!!」


 そう言って、月野さんに続くのは、先ほどのリレー同様、北原だった。


「北原くん……その、リレーも出るのにいいのか? 椅子取りゲームまで出て……」


「構いませんよ!! 椅子取りゲームの一つや二つ!! 俺が椅子を投げ飛ばしてでも勝ってやるよ!!」


「北原くん大変気合いを入れるのはよろしいのだが……それはやめてくれ……失格になる」


 そう、先生が言うと、北原は、笑って席に座る。

 そして、その後残りの男女一人ずつの代表もすんなり決まり、俺たちの体育祭の種目のクラスの代表は、全て決まったことになった……



 そして、学校が放課後になって、俺は下校の準備を進めるすると、メッセージが俺のスマホに飛んでくる。

 相手はその……中川だった。


(すずね) 今日ね! 体育祭の応援団に立候補する人の集まりがあるんだ!! だからさ! 山田くん先帰ってて! 多分遅くなってしまうから!


 ……とのメッセージだった。


 中川さんはすごいな……応援団だけでなく、リレーにも立候補して……

 俺は中川さんに、わかった、頑張ってと送り一足先に家に帰った。


 ちなみに中川さんがスマホを使えるようになったので、あの下駄箱に紙を入れる、一連の謎動作はやらなくなっていた。


 俺は教室を出た時、廊下の隅っこにて四乃森とさっきリレーのアンカーに決まった今手が見えたが……俺は物欲しそうにチラッとそれを見て、下駄箱へと向かって行った。




 ーーそして、それから二週間後……

 今日は明日ついに開幕する体育祭に向けての最後の練習をしていた。


 今は体育祭の目玉……応援合戦の練習が行われているところだ……


「おせおせ!! 赤団!! 赤団!! 勝利をこの手につかみ取れ!!」


 応援歌を俺たちは歌いながら踊る。


「なぁ、これ意外と疲れるな……」


 俺が歌に合わせて踊っていると……横で踊っている正孝が俺にそう言った。


「まぁな……次なんだっけ? 移動だっけ?」


「ああ……確か俺たちが円を描くように丸になって、それで応援団長たちが、その円の中に入ってフィニッシュじゃなかったか?」


「確か……そうだったな……サンキュー正孝」


 体育祭は覚えることが多くてごっちゃになるな……



 そして、今日の授業ひいては体育祭の練習が終わり……いよいよ明日が体育祭という時に迫っていた。


「よーし! お前らせっかくなら円陣組むぞ!」


 俺たちは教室に戻ってきて、先生が来るのを待つ中、北原の提案で円陣を組んだ。

 

「よーし! みんな!! 明日の体育祭!! 絶対優勝するぞーー!!」


「おおおーー!!!」


 クラスの決意表明とも言える大声が学校に響き渡った。


 ーーこうして、体育祭が幕を開ける。

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