43話 ハッピバースデー中川さん!
しばらく、中川さんの到着を待っていると月野さんの家のインターホンが鳴った。
そう、中川さんが到着したのである。
「はーい! いまでるね! あ、そうだ」
月野さんは何やら黒いものを手に持って、中川さんのお出迎えに行った。
そして、月野さんと手を繋いだ中川さんがリビングにやって来る
なにやら、彼女は目隠しをしているようだった……
さっきの黒いあれは……目隠し用のやつか……
「なにこれ? 雫もういい? とって」
「いいよ!! えへへ」
月野さんが許可を出すと、中川さんが目隠しを外す。
それと同時に俺たちはクラッカーを鳴らす。
「中川《鈴音》さん……!! 誕生日おめでとう!!」
「えっ!? 誕生日……」
彼女は未だこの状況を理解できていないようだった。
すると、中川さんが突然泣き出した。
「えっ? どうしたの? 鈴音?」
月野さんがびっくりして中川さんに聞く。
……もしかして、嫌だったか……こういうの……それとも今日が誕生日じゃなかった? ゲームでの誕生日は、実際の誕生日ではなかった?
俺は色々思考を巡らせ結論を探す。
「違うの……嬉しくて……誕生日をみんなに祝ってもらって……私」
彼女の涙は嬉しさからくる嬉し涙だった。
「もう! 鈴音ったら!!」
月野さんが中川さんに抱きつく。
「ありがとうね! みんな!! 私の為に!」
彼女は俺たちに向けて感謝を述べる。
「へへ、感謝と言えば今回の誕生会、企画したの山田くんだよ!!」
「そ、そうなの……?」
彼女は目から涙を拭き取って、そう聞いて来た。
「う、うん……何というか……誕生日おめでとう……中川さん……」
「ありがとう!! 山田くぅ〜ん」
「へっ? わわ!?」
俺がそう言うと彼女が再度涙を流して、俺に抱きついてきた。
「ちょ!? ちょっと中川さん……なにしてんの?」
「私のためにありがとう……」
そう、彼女が俺の耳元で言う。
まぁ、なには、ともあれ彼女が喜んでくれてよかった……
すると、彼女は俺から離れて、リビングを見渡す
「これ……全部用意してくれたの?」
「そうだよ!! 結菜とやったんだ!」
「まぁ……なんだ……その、鈴音はアタシの大切な友達だからな……」
月野さんに続いて、橘さんが照れながら言う。
それに対して、中川さんは頭を上げて感謝した。
それから俺は今日買ったケーキを月野さんから受け取って、テーブルに置く。
そして、そのケーキにろうそくをつけていく。
「みんな!! 準備はいいー!!」
「ああ!!」
俺たちが月野さんの呼びかけに答えると、月野さんは部屋を暗くした。
すると、暗い部屋にろうそくの明かりが目立つ。
「ハッピバースデートゥーユ!! ハッピバースデートゥーユ!! ハッピバースデー!! ユア!! 中川《鈴音》さん!! ハッピーバースデートゥーユ!!! おめでとう!!!」
俺たちは誕生日定番のバースデーソングを歌った。
それから、中川さんがろうそくの火を消して、俺たちは拍手をした。
すると、月野さんが部屋の電気をつけて、俺たちはケーキを美味しくいただいた。
「はい!! これ、俺からの誕生日プレゼント!! 改めて!! 誕生日おめでとう!! 中川さん!!」
ケーキを食べ終わった後、俺は誕生日プレゼントを彼女に渡す。
「わぁ!! 中身見ていい? 山田くん!」
「ぜひ!」
彼女は嬉しそうにポーチが包まれている紙を取った。
「これ!? ポーチ!! いいの? 山田くん」
「うん! もちろん」
「ありがとう!! 山田くん!! 大好き!!」
彼女はそう言って俺に抱きついてくる。
「え……ちょ、中川さん?」
「山田くんは本当にありがとう!」
彼女は耳元で愛らしくそう呟く。
「気に入ってもらえたようでよかったよ……誕生日おめでとう!!」
「えへへ! 山田くん! 私あなたと出会えてよかった!!」
彼女は俺から離れて泣きながらそう言った。
それから正孝は可愛らしいボールペンを
橘さんは……ハンカチを
月野さんは……可愛いクマのぬいぐるみを
それぞれ中川さんにプレゼントした。
俺たちはその後、誕生日会を楽しんだ!!
途中正孝がマジックショーを開催した……何だかよくわからないけどすごかった……
そして、家に帰ると……中川さんが早速夕飯を作ろうとしたので俺はそれを静止した。
「えっ? どうしたの? 山田くん」
「今日はせっかく中川さんの誕生日なんだし! なんか出前でも取ろうか!!」
「いいの?」
「もちろん!! 好きなもの頼んで!!」
俺たちは中川さんの誕生日だということもあり……彼女に何がしたいか選んでもらった。
すると、彼女は「ハスト」のハンバーグを選択した。
そう、彼女がこの世界にやってきた日以来の「ハスト」である。
俺は早速……出前を注文して、配達の人が届けてくれるのを待った。
そして、配達の人が玄関に来ると俺は商品を受け取り、お金を渡した。
リビングにその頼んだ品をおくと、やはりすごいいい匂いを放っていた。
彼女はデミグラスハンバーグを頼んだ。
俺はチーズインハンバーグを頼んだ。
そう、あの日全く同じである。
俺たちはそのハンバーグを美味しく食べた。
それから寝るために俺たちは寝室に行く。
寝室にはベットが二つ配置されていた。
一つは俺が寝るためのもの……二つ目は彼女が寝るためなもの……
俺の母さん達が気を利かせて、実家から使ってないベットをこちらに持ってきてくれたのだ……
俺たちはそれぞれベットに入った。
「今日は、ありがとね! 山田くん! 私すっごく嬉しかった!!」
「うん、中川さんが喜んでくれたから嬉しいよ……あ、あと一つ……誕生日おめでとう」
「えへへ、ありがとう、山田くん」
今日の中川さん誕生日サプライズは、大成功したと言ってもいいんじゃないだろうか……
ここまで本作品をお読みいただき誠にありがとうございます。
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