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4話 うん! それに、こっちの世界のスーパとか興味あるからね!

 あれから、中川さんの俺のお風呂とが終わり、先ほど食べたハンバーグのご飯の片付けをしている頃。

 彼女があくびをしているのが目に入った。


「あっ! そうだ! 中川さん、俺の部屋のベット今日使っていいから!」


 そう眠たそうにしている彼女に言った。


「山田くんは、どこで寝るの?」

「俺はそこにあるソファで寝るから大丈夫だよ、中川さん疲れてるでしょ、ベット使っていいから」

「そんなの悪いよ……私がソファで寝るから!山田くんは自分のベット使いなよ!」


「いやいや……本当に大丈夫だから! 中川さん使ってもらっていいよ! 俺ソファでも十分疲れ取れるし!」

「じゃあさ! 私と! 山田くんが! 一緒に山田くんのベットで寝れば解決じゃない?」


「へ?」


 俺はいきなりそんなことを言われて驚く

「ちょ! ちょっ! 中川さんそれはまずいって! さすがに!」


 俺は顔をまん丸に明るめてそう言った。


「なんで? まずいの? そうすればどっちも疲れなくて済むくない?」


 いやいや、そういう問題じゃなくて。


「……私! 全然平気だから! そういうの!」


 そんなに恥ずかしそうに顔を赤らめらながら平気だからと言われても説得力がないというか——。


 ***


 どうしてこうなった。


 俺は今ベットで横になっている。

 そして……その横には……。

 とても可愛くて、ゲームの世界から来た女の子中川鈴音さんがいる。

 これは、別の意味で眠れないぞ。

 俺がすぐ横にいる美少女に緊張して眠気が覚めるので、頑張って眠ろうと、悪戦苦闘していると。彼女、中川さんが、体をこっちに向けてボソっと俺に呟いた。

「山田くん、今日は色々ありがとね! すごく助かっちゃった!」

「全然! 困った時はいつでも頼ってくれ、いつでも俺が君の力になるよ!」


 俺は彼女に背を向けそう答えた。


「ふふっ! 山田くんは、優しいね!」


 優しいか、中川さんに言われたということは俺は優しいということなのか? 俺は単純にこっちの世界にやって来た彼女に安心して欲しい、その一心であったのだが。

 俺は背中の先にある温もりにドキドキしながらこの時間を過ごした。


 てか、この状況寝れるわけないー!!!

 だって隣にゲームのヒロイン、いや、ゲームのヒロイン差し置いてその、俺とは一生縁もゆかりもないような高嶺の花のようなそんなとっても可愛い美少女がいるんだぞ。

 俺は今の状況に悪戦苦闘して困惑していた。


 そして、次の日。

 俺は暖かい温もりを感じて目を覚ました。

 なんだ?


 俺は目を開けると、俺は中川さんに抱きしめられていた。

 どうやら、寝返りを打っている間に中川さんは無意識に俺のことを抱きしめていたらしい。

 マジやばいってそれ……。

 岡村くん、俺を助けて……正孝。

 俺は心の中で助けを求めた。


 しばらく動けないでいると、中川さんが目を覚ました。


「んっ? おはよう! 山田くん! ごめんね!! わ、わ、私山田くんを枕みたいに扱って」

「いや、全然気にしてないよ俺は。それよりもおはよう! 中川さん」


 あ、そこなんだ、彼女は俺のことを抱きしめていたことにより明らかに動揺していたが、彼女が動揺していた理由と俺が動揺していた理由は違うのだろうか。


 すると、彼女は何事もないように俺のそばを離れると欠伸をしてベットの上で背伸びをしていた。


 俺はそんな彼女を見てポカンとしていた。

 やっぱりこれは現実なのか?

 俺は、この朝が今までに感じた事のない新鮮な朝に感じた。


「今日も学校だね! 今日も一日頑張ろう!」


 そう彼女がもう一度背伸びをして言う。

 俺、今本当に中川さんと同居してるのか。


 それから俺たちは、

 リビングに移動して、テーブルにて向かいあった。


「そうだ、山田くん!朝ご飯食べるでしょ!食パン焼いてあげるよ!」

「いいの? 中川さん?」


「うん、私昨日から、山田くんに色々やってもらってばっかりだから、これぐらいはさせて」


「わかった。ありがとう……中川さん」


 彼女は、食パンをオーブントースターに入れて焼いている。

 なんだか同棲カップルみたいだな。


「これ、助かったよ! ありがとう」


 そう言って彼女は、自分が今、着てる服をひらひらさせた。


「うん………」


 てか、中川鈴音が!? ゲームのヒロインが俺の服を着ている……!?

 俺は戸惑いを隠せない思いを込めながらも頷いた。

 そして、俺は中川さんにある提案をした。


「そうだ! 中川さんがよかったら、今日洋服買いに行かない?」

「えっ? でも私、お金ないよ……」


「いいよ! そんなの俺が出すから大丈夫だよ!」

「ダメだよ! そんなの! 私ばっかり! 山田くんにしてもらってばっかり! これじゃあ、私!」

「そんな事はないよ、別に中川さんがそれで悩む必要はないよ。俺は中川さんのために何かしてあげたいそう思っただけだから!」


「山田くん……でも……」

「中川さんはさ、この世界にやって来て、きっとまだ不安だらけだと思うんだ! だから俺は君に安心して欲しい! それにこれは俺が好きでやっていることなんだから! 気にする必要ないよ! それに俺人が笑ってるところを見るのが好きなんだ! 俺のご好意素直に受け取ってくれると嬉しいな!」


「山田くんはほんとに優しいね……私まだ会ったばっかりだけど……山田くんのそういうところ、その……好感が持てるというか、うん好きだよ」

「あ、それは。その、ありがとう」


「じゃあ、私考えたよ!!」

「え? 中川さん何を考えたの?」


「交換条件と行かない? 山田くんが私に洋服とかのお金を出してくれる代わりに私が山田くんのために何かしてあげるの!!」

「え? それは悪いというか……その」

「私も山田くんに洋服のお金出してもらうって言われた時今の山田くんと全く同じ気持ちだったんだけど」


「……あ」


 俺は中川さんに指摘されて理解した。

 確かに、俺が彼女に何かしてもらうのを悪いと思うように彼女もまた俺に何かをしてもらうことを悪いと思ってしまっているのか…

 だとしたら交換条件という約束は案外悪くは無いかもしれないな。


「うん、わかったよ! じゃあ、俺が中川さんに何かしてあげる代わりに、中川さんも俺に何かをしてあげる。こういうことでいいんだよね?」


「うん!! そうだよ!!」


「でもさ、具体的に中川さん俺に何をしてくれるの?」


「それは……あ、私昨日君に、家事出来るって言ったでしょ! 夕飯とか作ってあげるよ!!」

「……いいの?」

「うん!」


 中川さんが夕飯を作ってくれるとは、中川さんの手料理きっと美味しいんだろうな。

 こんなに可愛くて優しい女の子をお嫁さんに持った人はさぞかし幸せなんだろうな……。


「……でも、山田くん、夕飯作るって言ってもそういえば食材がないんだった。買いに行かないと」

「そうだね……今日、学校終わった後、スーパーに買い物に行かないとね」

「私もお供する!」


「いいの? 中川さん?」

「うん! それに、こっちの世界のスーパーとか興味あるからね!」


 ……正直言って、中川さんがついて来てくれるのは助かる……。

 俺は食材とかそういう事に関して疎いから。

 すると、俺はふと時計を見た。時計の針はもうすぐ七時五十分を過ぎようとしていた。

 ここから学校までは歩いて二十分ほど、今から急いで準備すればまだ間に合うか?


「あっ! 中川さん! そろそろ学校行かなきゃ、遅刻しちゃうよ」

「うん、行こうか、山田くん」


 そして、俺と彼女は学校に行くための準備をして、家を出た。

 エレベーターを出て、マンションの外に出たとこで彼女に問いかけた。


「あっ、そうだ! これ……」


 俺はそう言ってお金を中川さんに差し出した。


「これ……お金? どうして?」

「お昼とかあるでしょ! そのお金で購買でお弁当や、学食とか買って食べるといいよ」


「……ありがとう。いろいろ」


「あと、中川さん、先、学校行っといて、俺も後から行くから」

「えっ? なんで、一緒に行かないの?」

「……だって、いきなり一緒に登校してさ、騒ぎになったら困るから、中川さんもだって困るでしょ?」


「……山田くんがそういうなら……」


 そう言うと彼女は学校に向かって歩き出した。

 俺と彼女がいきなり登校して彼女と俺が同棲していることが学校のみんなにバレたら色々面倒だし……。

 それに、彼女がゲームの世界から来たってことを他の人が知る可能性が。

 いや、信じる人は多分いないか。


 俺は中川さんの後ろ姿を見つつ、そんなこと思った。

 ゆっくりと歩く彼女の後ろ姿は、なんとなくとても覇気がなく、小さく見えた。

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