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38話 もっと……中川さんにこの世界の事、知って欲しいな……

 これは……想像以上だ……

 俺はあまりにもウォータースライダーの滑るスピードが速すぎてびびっていた。


 今はもう……彼女の背中に密着して、ドキドキしちゃうとか、そんなことを考える余裕は俺にはなかった。

 俺は中川さんの背中に顔をくっつけて、ウォータースライダーを滑っていた……


 ーーそして、俺たちはウォータースライダーを滑り降りた。

 今俺はというと、ウォータースライダー近くにある、プールの広場にて、唖然としていた。


「楽しかったね! 山田くん」

 

 すると……彼女がそう言って笑顔を見せる。

 まぁ……彼女が楽しいんだったらいいかーそう思って俺はなぜだか知らんが空を見た。


「やっほ〜やっほ〜そっちは終わったの?」


「あっ! 雫!! うん!! 楽しかったよ」


「それは良かった!! 結菜も楽しかったよね!」


「ああ! とても楽しかったんだけど……正孝のやつはどこ行った?」


 そう、橘さんが告げる。 

 確かに正孝どこ行った!? あいつ……チェロス買いに行くってどこかに行ったっきり戻ってこないじゃないか……


「ふむふむ!! 田中くんは時期に戻ってくるでしょ! きっと! 所で山田くん!! 次は私と滑らないウォータースライダー!」


「あの……もう本当に勘弁してください……」


 あのウォータースライダーを二回、回るほどの勇気は俺にはない……せっかく月野さんが誘ってくれたが……ここは申し訳ない……本当にすまない


「そっか……残念だな……それとごめんね……わたしなんか、強引に山田くんをウォータースライダーに連れて来ちゃって……」


「いや……全然大丈夫だよ! それに俺もちょっと楽しかったし……」


「えっ? 楽しかった!? じゃ! もう一回行こう!!」


 あの……何でそうなるんすか? 月野さん?


「そのどうしても、もう一回行きたいんだったら正孝を誘えばいいと言うか……あいつ今どこにいるか知らないけど……もしかしたら、俺たちのプールシートに戻ってきてるかもしれないし……」


「やだ……!! わたし! 山田くんと滑りたいの!」


 いや、気持ちは嬉しいんだけど……俺の体力が持たない……色々な意味で……


「ねえ! 私波のプールってのに、行ってみたいな!!」


 すると、中川さんが波のプールの方を向いて嬉しそうに呟く。


「うん、わかった……じゃあ! 次は波のプールにでも行こうか!!」


 月野さんはそれに賛同した。

 流れるプールか、確かにいいな……


 ーーそれから俺たちは波のプールに行く前に自分たちが設置したプールシートに一旦正孝がいないか見に行った所……見事にあいつはいた。

 あいつは、俺にニッコニッコの笑顔でチェロスを渡してきたので、それでさっきの件は手打ちにした。


 それから俺たちは波のプールへと行った。


 波のプールは、名前の通り……波が発生するプールだ……この波発生には時間があり、定期的に行われる。波が発生する時は、係員の人がアナウンスをしてくれるが……

 どうやら波がまだ来ていないようだ……


「あれ? 波、全然来ないよ?」


「それは、中川さん、多分だけど……まだ波の時間じゃないからじゃない?」

 

 俺は波のプールの説明を中川さんにした。 

 そうこうしてるうちに、プールの係の人がアナウンスを告げる。


「今から……このプールにて、波が発生します!! 繰り返します……」


 そうアナウンスを告げたのち、プールの奥に見える、建物らしきものから勢いよく波がうち出る。


 ちなみに中川さんは、今、浮き輪に乗って、ぷらぷか浮いている。


 そして、波がこちら側に届いた時、俺たちは波に打ち付けられて、ちょっとだけ体が跳ねた。

 これ意外と波すごいかもな……


「あはは! 楽しい〜〜!!」


 中川さんは、そう笑いながら涙に飲まれて後ろ側に流されていたので、俺が浮き輪を掴んで、はぐれないようにその場にとどめた。


「中川さん大丈夫? 波すごいね!! ちょっと油断したら後ろに流されちゃうよ!!」


「うん! そうだね、もし流されそうになったら、その時は私のこと見つけてね!」


「わかった……てか、そもそも剥がれないように俺がちゃんとみてるよ……」


 一方、月野さんはめちゃくちゃはしゃいでいた。

 確かに……波のプールは、めちゃくちゃ楽しかった。


「山田くん! 波のプールめちゃくちゃ楽しいね!」


「……うん、波のデカさは想像以上だけど……これは波のプールが人気の理由もわかるよ……」


 すると、月野さんが俺のところにやってきて、嬉しそうに呟いた。


「……山田くん……ちょっと波がすごいから掴まってもいい?」


 月野さんは俺に恥ずかしそうにそう言うと、俺の腕に巻きついてきた。


「ふえ!? 月野さん……」


「しばらくさ! 山田くんにこうやって掴まっていよーと!!」


 月野さんは俺の腕に掴まると嬉しそうに波の揺られながらつぶやいた。



 ーーそれから俺たちは今日一日中どっぷりプールを楽しんだ!

 

 そして、今はプールを後にして、俺たちは駅にて電車を待っている状況だ……


「いや〜今日は楽しかったね〜〜」


「ほんとだね! 雫!」


「また来ような!! みんなで」


 そう、女子三人が駅に設置されてるイスに座って談笑している。

 俺はそれを横目に、自動販売機にて、ジュースを買う。


「今日は疲れたな! 正孝!!」


「ほんとだな……でも、まぁ楽しかったな……」


「そうだね笑……」


 自販機の横で正孝と喋っていると電車が来るアナウンスが聞こえた。


 俺たちは、電車に乗った。

 電車に乗ると、左から中川さん、俺、月野さん、橘さん、正孝の順でなぜだかわからないが座った。


 電車が出発すると……俺の横に座っている月野さんが自分の座っている席の後ろ側にある電車の窓を見ながら外の景色に釘付けになっている。


 そして、俺はしばらくボーとしていると、俺の右肩にどっしり、人の重さが乗って来た。


 まさか!? 月野さん寝ちゃって……俺に寄りかかってる!?


 俺はそう思い、素早く月野さんの方向を見る、するとそこには月野さんではなく、正孝だった。


「おまえかよ……」


 俺は思わず、そう小声で言った。

 てか、橘さんと月野さんは一体どこに?

 すると、彼女たち二人はドアの底に立って外の景色を眺めていた。

 今の電車の中はなぜだか知らないが人が少なくガラガラであったので、ドアの前もすっからかんであった。


「おい! 結菜また虫取り行くのか? 今日はゲームしようぜ!」


 そう、横で俺に寄っかかっている正孝が声を漏らした。

 びっくりした!! 寝言か!

 正孝と橘さんの昔の思い出だろうか……


 そして、俺の左側に座っている中川さんの方向へと向くと、彼女は寝ていた。


「山田くん……私……今とっても楽しいよ……」


「中川さん? あれ?」


 中川さんが起きて喋り始めたと思ったら、どうやら中川さんも寝言らしい……


「ふふ! 中川さんそれは良かったよ! アハ!」


 俺は彼女に寝言だがなんだか彼女がそう思ってくれていそうで嬉しくなった。


 あたりの空はしっかりと夕日に照らされてた。

 俺の前にある電車の席の奥にある窓から夕日の光が入って来て、俺を照らす。


 ……今日は本当に楽しかったな……

 中川さんも俺と同じ気持ちだったら嬉しいな……


「もっと……中川さんにこの世界の事、知って欲しいな……」


 俺は小声で静かにそう言った。

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