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22話 月野さんとアイスコーヒの味

ねえ! 今、山田くんと話してた人消えたよね!? どこいったの?」


「えっ? 何の話?」


 俺は月野さんに彼女の事やゲームの世界の、別の世界の事など知られたら面倒なことになる……いや、面倒になること以前におそらく信じないと思うが……その時は俺が月野さんに変な人扱いされるだけだ……

 それに……もし言ったとしても、中川さんの気持ちもわからない。

 もしかしたら、彼女は別の世界に来たことを言ってほしくないかもしれない……


「そういえば、大丈夫? 袋落ちてるよ」


 俺は彼女がそこでポツンと突っ立ってるので、袋の事を指摘した。


「うん? あっ! ごめんごめん、ありがとう! 山田くん」


「そんなことより! 私見間違いじゃないもん! 確かにあの金髪の可愛い人が消えたところ見たもん!!」


「いや、そもそも、金髪の可愛い人なんかいなかったって……」


「ねぇ、山田くんもしかして何か隠してる?」


「へっ?」


 やばい、勘付かれたか?


「もしかして……今の人、山田くんの彼女とか?」


「違うよ! あの人は彼女じゃなくてさっき知り合ったというか……その……って……」


 ……あっ!

 月野さんは俺がそういうとニヤニヤしながらこちらを見てくる。

 彼女を見て俺は彼女の策にハマったことに気づいた。

 

「あ! やっぱり! 山田くんも気づいてるんじゃん! 今の金髪の人! 山田くん! 教えてよ!! なになに、どういうこと?」


 くっ! 流石にもう言い逃れは、できないか……


「ちょっと、場所変えない? 月野さん」


「うん! じゃあ、この近くのデリシャスコーヒー行かない?」


「そうだね、そうしようか……」


 そして、俺と彼女はカフェの中に向けて歩き出した。


「そういえば! わたしと山田くん、鈴音が転校して来てからよく喋るなったね!」


「そう言えばそうだね!」


 よくよく考えれば……彼女と俺は中川さんが転校してくる前は時々……

 何故か彼女が絡みにくるが、そんな今ほど、喋ることはなかった。


「それに……これなんだか、デートみたいだね」


「えっ? デート?」


「わたし嬉しいよ! 山田くんとデートできて!」


 なぜ、俺とのデートが嬉しいんだ?

 しかも、これはそもそもデートなのか?

 俺は彼女、月野さんがわからない…………


 そして、歩いて程なくデリシャスコーヒーに到着した。


 月野さんは、アイスコーヒー

 俺はハニーミルクカフェ

 ……をそれぞれ頼んだ。


 そして、それを店員さんから受け取り俺たちは店内の席に着く。


「さてと、それで、さっきの人はなんなの?」  


「えーと、月野さんこの事……誰にも言わないでね……それは、彼女は……その、別の世界から来た人なんだ……」


 そう、ストレートに事実を伝える。もちろん中川さんの事は伏せて。


「…………っぷ」


「ふふふ!あはは!」


 そう月野さんが高らかに笑い出した。


「えっ? どうしたの、月野さん?」


「えーだって、山田くんがそんな冗談ぶっ放すのが悪いんだよ! 今何月だと思ってるの、もうエイプリルフールはすぎて……ぷっ」


 いやいや……笑いすぎやろ……


「あーはっは笑 面白いな〜! やっぱり山田くんは面白いね!」


 俺は本当の事を言っただけなのだが……

 やっぱり信じてもらえなかったか……


「……今の話本当なの?」


 俺が深刻そうな顔をしていると彼女がそう聞いて来た。


「うん、本当だよ」  


 俺がそう答える。まぁ、そんな事言ってもどうせ信じてもらえないだろうけど……


「わかった……信じるよ」


 ……えっ?


「信じてくれるの? 月野さん」


「うん、山田くんがそんなに深刻そうな顔するって事は本当なんだろうって思いかけてきて、わたし!信じるよ!」


 まさか……信じてもらえるとは……

 俺は彼女に信じてもらえたのが嬉しいの同時に彼女に別の世界のこと、根石さんの事が割れてしまった事に対する不安も多少でてきている。


「山田くん! わたし! 絶対誰にも言わないから……」


「本当にありがとう……月野さん……」


「へへ笑じゃ! 飲もうか!! 山田くん」


「うん! 飲もう」


 そう言って俺たちはさっきデリシャスコーヒーで頼んだ、コーヒを口にする。


「美味しいね! 山田くん!!」


「うん! とっても!」


 俺たちはそれぞれ飲み物を飲みつつそう言った。


「でも、まさかこの世界の他に別の世界があるなんてねぇ〜」


「本当だよ……びっくりしちゃった……」


「そういえば、あの人にどうやってこの世界に来たか聞いたの?」


「それが聞く前に向こうの世界に帰っちゃって」


「そうなんだ〜」


「ねぇ〜その山田くんが飲んでいるハニーミルクカフェ! 一口ちょうだい!」


「……はっ?」


「何びっくりしちゃってるの? 私も一口あげるからちょうだい!」


「いや、その……流石に……」


 俺がその場でソワソワしていると


「うん? どうしたの? 山田くんそんなに動揺して」


 いやいや……動揺するよ……あれだってもしかしたら間接キスしちゃうかもしれない……なんて思うことはあるんだ!


「いやその、一口ちょうだいというのはいわゆる……」


「山田くん! スキやり!!」


「……あ!」


 彼女は俺の一瞬の瞬間を着いて、俺のハニーミルクラテが入った容器を自分側に寄せてハニーミルクカフェを飲むためにカップにあるストローに口をつけて、一口飲んだ。


「えへへ笑おいしいね!!」


「はい! これ、返すね!」


 そう言って彼女は一口飲んだハニーミルクラテを俺の前に置いた。


「あっ、そうだ、はいどうぞ!」


 そう言って彼女は俺にアイスコーヒーを差し出してきた。


「えっ? ちょ、何してんの?」


「何って、わたしのも一口あげるって言ったじゃん!」 


 ……えっ、そういえばそんな事、言ってたな……


「はい、どうぞ!」


 そうやって彼女はアイスコーヒーの入ってるコップを持ち上げて俺の前に持ってくる。


 ドクドク……ドクドク

 俺は心臓の高まる音がした。

 ……飲むのか、俺は……


 俺は、おそるおそるコーヒーカップのストローに口をつけた。

 アイスコーヒーの味がする……

 そして、俺は初めて異性と間接キスをしてしまってのである……


「……どう?」


「……おいしい」


「そりゃよかった」


 それから俺たちは残りの飲み物を飲み干してお店を出て、家に向かって歩き始めた。


「いや〜山田くんと二人きりでお店行くの初めてだよ! ありがとう!」


「いや……こちらこそありがとう楽しかったよ」


 そう言って俺たちは、店を出て歩き始めた。


「山田くん……わたしたちさっきそういえば間接キスしちゃったね……」


「…………!?」


 俺は月野さんからそう言われて顔が真っ赤になる。


「山田くんもしかしてわたしと間接キスして意識しちゃったりして〜?」


 月野さんはニヤニヤしながらこちらを見てくる。


「いや……違うよ……いや……違くないけど」


「アハハ! 山田くんは可愛いね!!」


 月野さん……もしかしておれをからかっているのか……

 すると、俺は月野さんの顔がいつもより赤いことに気がついた。


「もしかして……月野さんも……その意識しちゃったりして……?」


 俺は月野さんに先ほどからかわれたのでそのやり返したまでは言わないが、単純に気になったので聞いた。


「……!? 違うの!! これは赤くて!! そう赤いの!! 今は赤なの!!」


「え? 赤?」


 彼女は顔を赤らめ恥ずかしがりながら早口でしゃべった。


「月野さんも……やっぱり……意識しちゃってるじゃん……」


「それは……わたしだって女の子だよ……間接キスとか意識しちゃうし……」 

 

 月野さんがもじもじしながらそういうので俺はドキドキしてしまった。


「もう! 山田くん!! この話はもう終わり!! さあ! 帰ろう!!」


 すると、月野さんがそう言ってこの話を打ち切り、早歩きで俺の進行方向の前に出て笑顔でそう言ってきた。


「そうだね……帰ろうか……月野さん……」


 俺はにこやかな笑顔でそれに返した。

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