16話 俺は何だか同棲カップルみたいだと思ってしまった。
俺は今バイトに向かう為、準備をしていた。
「よいしょ! これで準備完了」
俺は準備を終えて、玄関に向かう。
「それじゃあ! 中川さん行ってくるよ!」
「うん、今日も私料理頑張るから! 楽しみにしててね!」
そう笑顔で言う彼女を見て、俺は何だか同棲カップルみたいだなだと思ってしまった。
中川さんは今、エプロンを装備しているため余計に同棲カップル感が増している気がする、なんというか幸せだ。
「ありがとう!! 行ってきます!」
「いってらっしゃい!」
俺は彼女と挨拶を交わし、バイトへと向かった。
そして、バイトにていつも通り、お客さんの接客をしていると、横で同じくレジをしていた先輩がなんだか嬉しそうに言った。
「なんだか、楽しそうだね、山田くん! 何かあった?」
「先輩、俺今楽しそうに見えてるんですか?」
「うん! なんか、いつもと違う気がするのよね」
先輩から。いや、他の人から見ると俺は楽しそうに見えるのか?
「なにか〜いいことあったの山田海人くん?」
「いいことですか? いえ特には……」
いや、待てよ、楽しいと感じる事には心当たりがある気がする。
ここ数日家に帰ると、中川さんがいる。
まだ、彼女がこの世界に来て、数日だけど、一緒に暮らして、俺は彼女といるのがとても楽しい、そう思い初めては自分がいる。
「そういえば! 山田くんもうすぐ夏休みだね」
「へっ?」
昨日の先生にしろ、今の先輩にしろ、まだ梅雨も入っていないのに、気が早くないか?
「その前に期末テストがありますけど」
「もう! そういうことは言わないの! 先がおもんばかれるから!」
「俺もやばいすよね、前の中間テスト赤点ギリギリでした」
「アタシもやばいの!! お願い山田くん勉強教えて!!」
「いやいや! 俺は高校二年生の範囲しか教わっていませんし! そもそも俺も赤点ギリギリなんですって!!」
「ええーーいいじゃーん!」
勘弁してください、自分の勉強で誠意いっぱいでしかも赤点取りそうな極限状態に立たされている時に先輩はそんな俺に勉強を教えてもらおうとしてるんですか?
「ダメなものはダメです!」
「もうつれないな!!」
先輩はややは不服そうに呟いた。
俺はその後、前にある時計を見た。
今は一九時前か、てことは、これからお客さんが増えてくるな。
「さあ! 山田くんこっからはお客さんが増える時間よ! 気を引き締めていきましょ!」
俺がそんなことを考えていると、先輩も同じことを思ったのか俺に気合いを入れようと言って来た。
「はい! 頑張りましょ! 先輩!」
俺はそれに答えて、今日もバイトを頑張ろうと思った。
***
そして、バイト終わって家に帰ると。
「……ただいま」
「あっ! お帰りなさい!」
俺がただいまの挨拶をすると、中川さんがエプロン姿で玄関へと姿を見せた。
「あっ! もうすぐ、できるからね! 今日の夜ご飯は、唐揚げだよ!」
このさっきから漂うとても美味しそうな匂いの正体は唐揚げだったのか。
「うん、楽しみだよ……」
俺はそう言って、玄関からリビングへと足を運んだ。
そして、ご飯が出来上がり、テーブルにご飯が入った、食器を置いて、それぞれ席に着く。
「いただきます」
俺はそう言って、唐揚げを一口食った。
カリカリと唐揚げが音を告げる。
「……美味しい!!」
「そう! それは良かった、えへへ」
やはり、彼女の料理はとても美味しい。
最近は彼女の料理がとても心待ち遠しい、俺の生活の中の一つの楽しみになってきていた。
いつも本当にありがとう……中川さん。
「あ、そうだ、中川さん、明日何だけどさ……」
「うん」
俺は中川さんにある提案をした。
「夜、外食行かない?」
「外食? 食べに行くって事?」
「うん、中川さん、この世界に来てから、ご飯食べに行ったりしてないでしょ?」
「うん、本当にいいの? 山田くん」
「ここ最近、ずっと、ご飯作ってもらってるし、そして、なによりこの世界の事、もっと知ってもらいたいからね、」
「ありがとう……楽しみにしてる」
「あっ! そうだ、私も山田くんに言うことがあったんだ!」
何だろう……?
「私も、バイトしようと思うんだ!」
「バイト……?」
「うん! いつもいつも、学校の購買や学食、それに服だって、全部、山田くんに買ってもらったじゃない、だから、少しでも山田くんにお返しできないかなって思って」
「そんな……いいよ、俺が好きでやってるんだし、俺はこの唐揚げだって、お弁当だって、中川さんにすごく感謝してる。だから俺にとれば、もう、十分お返し、もらってるから……」
「そんな事はないよ……それに、もし今後、またお金が必要になったりした時に、山田くんに負担を強いることになっちゃうし、それに何より、何でもかんでも山田くんに頼むのは申し訳ないし」
どうやら、彼女はそれじゃ納得しないらしい。
俺にとれば、夕飯とお弁当を作ってくれるだけで、相当感謝してるのに。
「……わかったよ、どうしてもというのなら」
「ありがとう、それで、山田くんなにか、おすすめのバイトとか知らない?」
「今日、学校で雫とかにも聞いてみたのだけどさ……なんだか、飲食店とかコンビニとかおすすめだよって、言われたんだけど……どう思う?」
オススメのバイトか、そういえば彼女はスマホが使えないので、スマホでバイトの求人などを見ることができないのか。
「いいと思うよ、中川さんならすぐに溶け込めそうだし」
「そういえば、山田くんのバイト先って、飲食店?」
「俺のバイト先は、飲食店っていうよりは、ファストフードかな……」
「ファストフード?」
「あ、ファストフードっていうのは、短い時間で提供される手軽な食品や食事のことを言うんだよ!ファストフードは、ハンバーガーや、牛丼、天丼など色々あるんだよ」
「へぇ〜物知りだね! すごいね! 山田くんは」
「そ、そうかな?」
中川さんに褒められた……なんだか嬉しい。
「そうだ、私も、山田くんのしているバイト先でバイトとかってできないかな?」
ん? 俺のバイト先?
できると思うけど、次バイトの時、店長か生徒会長あたりに聞いてみるか。
「ちょっと、次バイトあった時、聞いてみるよ」
「うん! ありがとう〜〜」
本当に中川さん何というか……とても優しいな。
そう彼女はニコッと笑ってそう言った。
そういえば、全然関係ない話なんだが、明日は、金曜日だ。
やっと、長い学校の一週間が終わると思うと気が楽になるな。
***
ーー次の日。
「おはよう、山田くん!」
「おはよう、中川さん」
俺たちはベットの上で朝の挨拶を交わす。
俺たちは相変わらず、一緒のベットで寝ている。
俺はまだこの状況に慣れていない、とういうよりもう一生慣れないんじゃないかと俺は今思い始めている。
「今日、外食行くんでしょ! この世界の外食、私初めてだから超楽しみ!!」
「そういえば、今日行く店、どんな店なの?」
そういえばどこの店に行くか決めてなかったな。
そうだ、確か、中川さんハンバーグが好きだとか言ってたな……となるとあの店は、どうだろう。
「じゃあ、「デリシャスドンキー」なんてどう?」
「デリシャスドンキー?」
「うん! 国民に愛されている、外食チェーンだよ!」
「へぇ〜美味しそう!」
「因みに「《《ハンバーグ》》」もあるよ!」
「ハンバーグ!? へへ!! ハンバーグ、ハンバーグ」
そう言って、彼女はぴょんぴょん跳ねた。
なんだか彼女のこういうところは本当に子供っぽくていいな。
「さてと、学校の準備しますか」
そう言って俺は学校の準備をし始める。
準備をしていると中川さんが、昨日同様弁当箱を見せてきて
「山田くん今日も! 作ってきたからお弁当!」
「ありがとう!! 中川さん! とても嬉しいよ!」
中川さんとても料理が上手だから、学校でもそれを食べられることはとても嬉しい。
てか、そんなに毎日弁当を俺にに作ってくれてありがたいけど、申し訳ない気持ちになるな。今度彼女にはプレゼントか何かをあげようかな……。
「よし! 行こうか、学校!」
「うん! 行こう! 山田くん」




