110話 とっても素敵な二人の女の子
「たこ焼きのいい匂いがする!!」
ギリコの看板名前で写真を撮ってから俺たちはしばらく道頓堀を練り歩いていると、中川さんがたこ焼きの匂いを指摘した。すると、俺たちの近くにたこ焼き屋さんがあった。
「やべえ! あたし腹減ってきた!! おいお前ら行くぞ!!」
「あ! ちょっと結菜!! もう! 結菜ったらみんな行こうかたこ焼き買いに!!」
橘さんはたこ焼きが放つとてもいい匂いに我慢できずに我先にと、たこ焼きを販売している店に入って行く。
月野さんは橘さんのことをやれやれみたいな目線で見るがなんだか月野さんは嬉しそうだった。
「これが大阪のたこ焼き!! うめえ!! いやうめえ!!」
「やべえから何杯でも行けるな!!」
俺たちはそれからたこ焼きを買って、そのお店の店内でテーブルに座ってたこ焼きなどを口にしていた。
正隆はたこ焼きのおいしさに度肝を抜かれていた、橘さんもたこ焼きをとんでもないスピードでバクバク食べている。
「山田くん! 何食べてるの?」
「これは! たこせんっていうものなんだけど、エビとたこ焼きが見事にマッチしててとても美味しいんだよこの前テレビで紹介されてて食べられてよかったって思って!」
俺はみんながたこ焼きを食べている中、ひとりたこせんを食べていた。たこせんはバリバリのえびせんの中にたこ焼きが敷き詰められている人気メニューらしい……
「へえ! ワタシも今度食べてみようかな!!」
「うん!! とっても美味しいよ!!」
「おい! お前ら次は何食べる!! あたし今はなんでも食べれてると思うぜ!!」
橘さんは嬉しそうに俺たちに提案してくる。よくよく見ると橘さんのたこ焼きの容器は空でもうたこ焼きをたいらげていた。
「結菜もう食べたの? 早いね!!」
中川さんは橘さんのたこ焼きの容器が空になっていることに気がついてあまりの早さにびっくりしつつ疑問を口にする。
「たこ焼きが美味しすぎて一瞬で無くなっちまった! あ! 次串カツとか食いてえな!」
「結菜お前まだ食うのかよ……」
「あたりめえだろ! ほら! 正孝も早く食え! さっさと勝手串カツ食いに行くぞ!!」
「おま! 少しはゆっくり食べさせてくれよ! まったく……」
橘さんに翻弄される正孝だったが、橘さんに対して呆れながら言葉を口にするが、正孝は嬉しそうだった。
それから俺たちは串カツ屋に行って、串カツを食した。串カツとソースが絶妙にマッチしておりこれまた美しい味を奏でていた。
「いやー食った食った!! 腹一杯だぜ!」
「正孝もよくそんなに食ったよな!」
「俺もバクバクいっぱい食べる結菜に負けてはいられないと思ってな!」
「お前どこに意地張ってるんだよ笑」
「いいじゃねえか! おかげで今腹が膨れてやばいけどな!!」
串カツを食べ終わった後、俺たちはもうすぐ先生が告げた集合時間の時間が近づいていたため、集合場所に向かって歩き始めていた。
俺たちは前に中川さんと橘さんと月野さんで後ろに正孝と俺が歩くような感じで歩いていた。
「このたこ焼きほんとに美味しいね! 弥響くん!」
「そうだな! 次はどこ行く? 麻由!」
すると、俺たちの後ろを歩いているカップルの会話をしている声が聞こえてきた。
「海人お前!そういえばあの今来ている限定クエストやったか?」
カップル……人と人が付き合うか……俺はカップルという単語にひっかかり、前を歩く月野さんと中川さんの後ろ姿を見つめた。
月野さん……可愛くて……いつも元気でみんなに明るさを振り撒いていて……頭が良くて……優しくて……周りのことを気遣っていて……俺のことを気にかけてくれて……頭がよく勉強を俺に教えてくれる……
中川さん……可愛くて……優しくて……でもどこか抜けてて……料理がうまくて……いつも俺のことを気にかけてくれて……俺のことを褒めくれる……そして……いつも俺のそばにいてくれる……
そんな二人が……とっても素敵な二人が俺のことを好きなんて今だに信じられないけど……俺は欲張りだから……魅力的な二人のうち……あの二人のどちらかを泣かせるなんてことはしたくない……どっちも俺には勿体無いぐらい素敵で美しい女の子だ……でも俺はどちらかを選ばなければならない……それがこんな俺に告白してくれたことへの思いに応えるということだから……
「おーい! 海人聞いてる?」
「……お? 聞いてるぞ! 串カツが美味しかったって話だろ!」
「ちげーよ! やっぱりお前聞いてないな! あれだよ! あのゲームのいまきている限定クエストやったかって聞いたんだ? どうしたんだ? そんなに中川さんと月野さんを見つめてよ……あ! お前さてはあの二人のどちらかが好きなのか?」
「いや……好きじゃ……好きじゃ……わからない……わからないけど……なあ、好きって一体なんだ?」
「はあ? お前俺に聞くなよ!! 俺だってわからねえよ!! まあでも……あの私立金森学園の三葉桃子にお前が向ける気持ちと一緒なんじゃねえのか?」
「私立金森学園の三葉桃子……か……」
俺は今まであのゲームの三葉桃子のことが好きだってずっと言ってきたけど……最近あのゲームをやることはあっても特に三葉桃子のことは気にならなくなっていた気がする……そんなことよりもあのゲームの私立金森学園……で気になるのは……俺が一番のヒロインと思うのは……
「……俺は……中川鈴音……」
「ん? どうした海人? なに、中川さんどうしたって?」
「いや……なんでもない! 忘れてくれ! 後! 俺限定クエストもう既にクリアしてるし!!」
「お前まじか! あのクエスト超むずいだろ! お前後で一緒に通信して俺のクエスト手伝って食わねえか? あ! どうせならあとでホテルについたらよ! 北原や真壁たちも誘ってよみんなでやろうぜ!!」
「いいね! みんなでやった方がクリアできてない人が一気にクリアできるし!」
「アハハ……全く! 楽しみだな!!」
正孝はそう言って嬉しそうに笑った。
さっきの発言……俺は今……何を言おうとしていたんだろう……
「よーし! 全員揃ったな!!」
俺たちは集合場所に着くと、東京駅の時のように、クラスごとに出席番号順に並ぶ。
先生は学級委員長に指示を出して二学年全員の点呼をとらせ先生に報告させた。
そして、先生が学年の学年主任にそれぞれ連絡をして学年主任が確認したため、みんなの前に出てきてそう言葉を漏らす。
「よーし! それじゃあ! 今から道頓堀のとんほりクルーズにみんなで乗るぞ!」
学年主任はそう言ったことで、俺たちはクラスごとにとんほりクルーズに乗るために移動し始めた。
どうやらとんほりくるーずとは道頓堀の9つの橋をくぐる有名なクルーズの事らしい……
「いやー! 楽しかったな!! とんほりクルーズ!!」
俺たちはとんほりクルーズを乗り終わった後、正孝が楽しさを言葉に乗せて呟いた。
とんぼりクルーズは道頓堀のとても魅力的な街の風景を見ながら進むことができ、尚且つ火が落ちてきた影響で道頓堀の街に夕陽がさしてとても美しくて幻想的な風景が広がっていた。
「いやー楽しかったな! 道頓堀!!」
「……ああ! そうだな!!」
俺は道頓堀を観光し終わった後、先ほどのバスの座席になって正孝と話をする。
「この後ホテルだっけか?」
正孝が修学旅行のしおりをバックから取り出して眺めてながら言った。
「確かそうだったと思う」
「俺もう疲れちまったよ! てか、ぜってぇ俺夜ご飯入んねえと思う!」
「アハハ! お前串カツめっちゃ食ってたもんな!」
「だってうまいんだもん! 仕方ないだろ!!」
正孝は満足そうな表情でバスの窓の外を見つめる。
「なあ! そんな正孝さんに朗報だ! 夜ご飯はバイキングらしいぞ……」
「なんでお前そんなこと知ってるんだ! てかお前それはまさか俺の必殺技先生が話してるの聞いてしまったか!?」
「ちげーよ! ほら見ろここ!! ここの修学旅行のしおりに書いてあんだろ!!」
「……ほんとだ! 書いてある……」
「ちゃんと見とけよ! じゃないと後々困るかもしれないぞ!」
「アハハ! そん時は頼んだぞ! 海人!!」
「全くお前は……」
俺と正孝が話をする中……バスは宿泊するためのホテルへと向かって行った。




