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11話 君は私のこの世界での初めての友達だよ!!!

 俺と中川さんは、スーパで勝った袋と洋服が入った袋を持って俺の家である、マンションの前に到着した。

 疲れた。

 距離にしては家から学校まで歩く距離の半分なのだが。

 それでも、この荷物のせいか、ひどく歩いた感覚に陥った。


 かなり疲れている俺は中川さんと一緒にマンションの中に入り、エレベータに乗る。


「なんだか、疲れたね!」


 エレベーターが七階に進む中。

 そう彼女が、言葉を漏らす。

 全くその通りだ。今日はなんか、色々あったような感じがして、すごく疲れた。 

 しかし、なんだか、それも新鮮で、楽しい、そう感じる自分がいた。


「うん、そうだね」


 俺はそう言い、エレベータが七階についたのを確認して、中川さんと一緒にエレベータの外へ出た。


 家の中に入ると、台所、キッチンの前にスーパで買った袋、食材を置く。

 俺と中川さんは洗面所で、手を洗って、とりあえず食材を冷蔵庫に詰め込んだ。


「……よし、これでひと段落だね」


 俺はそう言って、額に浮かぶ汗を制服の袖で、拭った。


「そうだ、そろそろ晩御飯の時間だね、山田くん! 今日、シチューにしようか」


 そう、中川さんが今日の夕食の提案をして来る。


「……えっ? 俺、シチュー、あんまり作った事ないけど……頑張ってみるよ」

 シチューは、作る工程はほとんどカレーライス同じだ……しいていうなら、ルーが茶色いか、白いかの違いだ……。


「何、言ってるの? 私がシチュー作るから、山田くんは、そこで座ってて、いいよ!」

「えっ、でも悪いよ……」

「ふふ、これも交換条件でしょ、」


 でも、確か、俺が提示した交換条件は、お弁当だけだったはず。


「でも、俺が言った交換条件は、弁当を作ってくれるって、事だけだった気が……」

「そんな事は、いちいち気にしなくていいの! それに、さっき、洋服まで買ってもらって、そのお返し……」

「うん、わかった……ありがとう……」

「あ! そうだ、私の世界でって言うか、私の家直伝のお味噌汁! 作ってあげるよ!!」

「お味噌汁……?」

「うん! うん! 楽しみに待ってて」


 そう言って、彼女はキッチンへ行って冷蔵庫から、シチューを作るのに必要な食材を出し始めた。


 それから俺は中川さんが料理しているのを見ていた、中川さんは時折鼻歌を歌って嬉しそうに料理をしている。

 中川さん楽しそうだな……。


「ん? どうしたの? 山田くん、なんか私の顔についてる?」

「ううん、いや、なんというか楽しそうだなって……」

「えへへ! 今日はこの世界のこといっぱい知れたし! それにお友達だってできたから!!」


 中川さんは喜びを爆発させていた。中川さんにお友達、ああ、月野さんか。にしても本当に彼女に月野さんというお友達ができて本当によかった!


「友達って月野さんでしょ? よかったね中川さんこの世界の友達第一号だね!!」

「何言ってるの? 山田くんは……」


 俺は月野さんが中川さんの友達になったことで中川さんがこの世界にやって来て出来た友達の最初の人が月野さんでよかったねという意味を伝えたのだが彼女は意味がわかっていないのかキョトンとしていた。


「え? 中川さん、だってほら、月野さんとは友達なんでしょ……?」

「もちろんそうだよ! 雫は私の大切なお友達! でもさ! この世界の友達第一号とは違うよ! 雫とはこの世界で二番目のお友達だから!!」


 え? 月野さんが二番目のお友達? 中川さん何を言ってるんだ?


「だってそうじゃん! 私がこの世界で初めてできたお友達は山田海人くん!! 山田くんあなたなんだから!」

「え? 山田海人って俺……?」


 まさか、この世界で一番初めてできた友達が俺だったとは。

 中川さんが俺のことを友達だと思ってくれてることは率直に嬉しい。


「……もしかして、山田くん、私とお友達じゃ嫌?」

「嫌なわけないよ、ただ俺は中川さんが俺の事を友達と認識してくれてるのかわからなかったから」

「当たり前だよ!! 山田くんと私はお友達! エヘヘ! 君は私のこの世界での初めての友達だよ!!」


 中川さんは煌びやかな笑顔を俺に浴びせてきた、俺はその笑顔に今一瞬ドキドキして落とされかけた。


 その後、時折、キッチンからほんわかと、とてもいい匂いが漂ってくる。

 おいしそう。

 俺は、なんだか、すごくお腹が空いてきた。


「……よーし! 完成ーー!」


 彼女は、おぼんにシチューが入った皿とお味噌汁、そしてトマトやレタスなどの野菜が入った。皿を乗せて、リビングのテーブルに置いた。


「あっ! 中川さん、ごめん、手伝うよ……」


 俺はあまりにも中川さんが作った料理が素敵で目を奪われていた。


 ゆえに中川さんに料理を作ってもらったのに何か手伝うことを忘れていたためすぐに彼女に手伝うと伝えて行動に移した。

 俺は、キッチンにある、もう一人用のシチューなどの皿が乗った、おぼんをテーブルに持って来た。


 俺はあのゲームを通じて、中川さんが料理出来ることは知っていたが、改めて現物を見ると、これはとても美味しそうだ。


「さ! 山田くん! 食べようか〜」

「うん、ありがとね、中川さん」


 俺は料理を作ってくれた中川さんにお礼を述べて。


「いただきます!」


 そう言ってスプーンで、中川さんが作ってくれたシチューを一口口の中に頬張った。


「……どう? 美味しい……?」


 彼女が心配そうにそう聞いて来たがそれは奇遇というものだ。

 これは、とても美味しい。

 俺は怒涛の勢いで、シチューを口の中に駆け込んだ。


「……とても、美味しいよ……中川さん!!」


 そう俺が彼女の料理の感想を述べると、彼女は嬉しそうに。


「本当!? よかった! 私、心配だったんだよね、山田くんのお口に合うか」

「中川さん……本当にありがとう!」


 俺は再度、中川さんにお礼を述べて、シチューを口の中に駆け込んだ。


「山田くん! お味噌汁飲んでみて!」

「あっ! うん」


 俺は彼女にそう言われて、お味噌汁を一口飲む。

 これは、

 それは、不思議な味だった。

 言葉では言い表せない、でもなんだか懐かしい味。

 さきほど言葉では言い表せないと言ったが、これだけは確かに言えることがある。


「おいしい……」


「ふふ! 気に入ってもらってよかった〜〜」


 俺がそうぼそっと呟くと彼女は満足そうな顔でこっちを見る。

 その顔は笑顔に満ちていた。


「山田くんこれからは、毎日私が料理、作ってあげるよ……」


「……それは、悪いよ……」


「いいの、それに、私自分の世界《ゲームの世界》にいた時でも、結構料理とかしてたからさ! それに、私の料理を食べる山田くんの顔もっとみたいから」


 ドクドク、ドクドク。

 俺は今一瞬、胸がときめく音がした。

 中川さんは本当に可愛くて優しくて魅力的だな。

 俺は今目の前にいる中川鈴音に私立金森学園のゲームを通して見た彼女とはまた違う印象を覚えた


「そう言うなら、お願いしようかな、俺ももできる限りの事は手伝うよ……」


 それから、俺と中川さんはご飯を食べ終わった。

 彼女が食器を片付けて皿洗いまで始めようとしたから、俺はそれを静止してくつろいでいいと促した。


「あっ! そうだ、そこのテーブルにある、リモコンの電源入れてみて、右上にある赤いボタンの!」


 俺は皿洗いをしている、キッチン越しから彼女にそう提案した。


「これ! テレビのリモコンでしょ! 私の世界にもあったからわかるよ!」

「それならよかった」


 彼女はリモコンの右上の電源ボタンを押す。

 すると、テレビがついた。


 俺はそれを横目に着々と皿洗いを続ける。

時折、彼女の方を見ると彼女はソファに座りながらテレビを見ている。

 どうやらこの世界のテレビに釘付けになっているらしい。


 それから、皿洗いが終了したので、俺はリビングのテーブルの前のイスに腰をかける。


 彼女はと言うと、目をキラキラさせてテレビ画面に熱中している。

 すると彼女は自分が今座っているリビングのソファの座面を手でとんとんと叩く。


「山田くんもこっち来なよ!」


 中川さんは俺に一緒にソファに座るように誘導してくる。


「早く!! 山田くん!」


 俺は恥ずかしがりながらも彼女に呼ばれたためソファの彼女の横に腰を下ろす。


「今日は楽しかったありがとう! ほんとにこの世界は楽しいね!!」

「そう言ってもらえて俺も嬉しいよ」

「山田くんこれ見てよ! めっちゃすごいこれ!」


 テレビを見ていた彼女がとても眩しい笑顔でこちらを見て来た。


 俺はそれを見てもっと……中川さんにこの世界のことを知って欲しい……そう改めて思った。

ここまで本作品をお読みいただき誠にありがとうございます。

 ここまで読んで面白かった、続きが気になる方はもしよろしければ★評価やブックマークやレビューをよろしくお願いします。

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