108話 俺と親しいゲームのヒロインの中川さん
「お前と橘さん一緒に来たのか?」
「ああ……結菜が東京駅まで辿り着けるか不安だというからな……」
俺は正孝の近くに行って小さい声で誰とここまで来たか聞いた。
正孝は淡々と説明をするが、口元が笑っていて、おそらく内心橘さんと一緒にこれて嬉しくてたまらないのだろう……
「やっほー!! みんなー!!!」
俺たちが正孝達と合流してしばらくすると月野さんがあふれんばかりの笑顔をこぼしてこちらに走ってきた。
「おはよう!! 雫ー!!」
「雫おはよう!!」
中川さんに続いて橘さんも月野さんに挨拶をする。
「月野さん……おはよう!」
「おはよう月野さん……」
俺の後に正孝も月野さんに挨拶をする。月野さんはなんだかとても嬉しそうだった。
「やっほー! 山田くんも田中くんも相変わらず元気そうだね!!」
それから俺たちは先生が出席番号順に並べと言ったので、集合場所にて、各クラス1組から出席番号順に並んだ……
「えー! 今日はお前らの待ちに待った修学旅行当日だ! お前ら楽しむのはいいがあまりははめを外しすぎるなよ!!」
俺たちの学年主任が俺たちの前に出て話をする。
それから俺たちは新幹線に乗るため、各自動き出そうとしていた。学年主任の話によると、まずは一組から順番に動き出すらしい……なので、俺たちは東京駅の新幹線乗り場に向かって歩き始めた。
歩き始める際、まだ集合場所だった場所に並んでいる二組の中にいる亮が明るさが溢れるような笑顔で俺に挨拶をしてきた。
「よう! 海人今日はついに修学旅行だな!!」
「うん! 亮! おはよう!!」
俺は新幹線乗り場に移動する際、亮とばったりあったことにより、挨拶を展開する。
俺と亮が会話しているのが、不思議だったのか正孝が俺の横にきて聞いてきた。
「なあ……お前あの四乃森と仲良かったのか?」
「ああ! 亮とは幼馴染でな! ……ってあれ? お前に言ってなかったか?」
「……ええ!!」
「おい! 田中声がデカいぞ!!静かにしろ!」
「はい! すいません……」
正孝は俺が想像もしえないほどのどでかい声で叫ぶものだから俺は横にいる手前ひどくびっくりした。
俺たち一組の前を歩き先導している俺たちの担任も正孝にうるさいと注意を促した。
「どうした? そんなに驚くことはないだろ……」
「だってよ! 体育祭の時なんか仲悪そうに見えたから……」
え? 俺と亮そんなに仲悪そうに見えたか?
確かあん時は亮は俺に勝ちたい一心であんなことをしたんだったな……
もっと早めに亮が昔よく遊んでいたあの亮だってこと……気づいてあげられたらよかったな……
「ここのエスカレーターを上がれば! 新幹線の駅のホームだ!」
先生が俺たちに告げて、俺たちは順番にエスカレータをのぼり、新幹線の駅のホームにやってきた。
「あれ? まだ新幹線来てないの?」
正孝は駅のホームをキョロキョロして呟いた。おそらく新幹線はまだついていないのであろう……にしても新幹線に乗るのなんか久しぶりだからなんだか楽しみっていうか……
そして、しばらくすると、駅のアナウンスとともに、新幹線が駅のホームにやって来た。
「うわ! これが新幹線!! すごい! テレビで見たまんまだすごいすごーい!!」
中川産はこの世界の新幹線を初めて生で見たことにより、嬉しさが爆発しているのか興奮して心が弾んでいることがわかる声を上げる。
「中川さんえらい嬉しそうだな……」
「……ねえ!!」
俺は中川さんを見ながら白い歯を見せながら溢れんばかりの笑顔で正孝の言葉に反応した。
「よーし! 新幹線のドアが開いたら主席番号順で順番に新幹線の中に入っていってくれ!! 座席の座る場所は各々みんな覚えているな! わからなかった先生に遠慮せず聞いてくれ!」
先生が俺たちにそう言った直後、新幹線のドアが開く……そして、俺たちは新幹線の中に入った。
新幹線の席は、通路側から真壁、正孝、俺という順番になっていた。
中川さんたちの座席は、通路側から中川さん、橘さん、月野さんとなっていた。
「よっこらせっと!!」
俺の横に座る正孝はそう言って、座席に腰をゆっくりと下ろした。
「いやー! なんかやっと修学旅行が始まるって感じがするな!!」
正孝は嬉しそうに新幹線の窓の外に映る駅のホームを見て背伸びをしつつ、そう言った。
「そうだね……なんか新幹線に乗った時から、修学旅行って感じるな!!」
「お前ら! 俺お菓子たんまりもってきたんだ! お菓子食うだろ!」
「まじ! 食う食う!!」
「山田も食うだろ? お菓子」
真壁はバックからお菓子を取り出しながら俺と正孝に聞いてくる。真壁の誘いに正孝は結構食い気味に言った。
「じゃあ……お菓子いただくよ……」
「これうまいな!!」
「だろ!! このズコーンのとまらないバーベキュ味がとんでもなく美味しいんだよ!」
真壁は嬉しそうにお菓子を口の中に入れて頬張る。正孝もお菓子が美味かったのか、美味しい旨の言葉を吐く。
確かにこれはバーベキューの味がしっかりきいてて、なおかつシャキシャキした食感で、美味しすぎて名前通りとまらなくなるな……
「お! 動き出したぞ! 新幹線が!」
すると、真壁が新幹線の窓の外を見ながら新幹線が出発したことを呟く。
新幹線はどんどんスピードを上げていき、電車とは比べ物にならないスピードで進んで行った。
「やべえ! 新幹線スゲェー速いわ!! 新幹線と人間が百メートル勝負したらどっち勝つんだろうな!」
「そりゃ! 新幹線に決まってるだろ! 新幹線に勝つ人間がいたらすげえよ! 普通に!」
俺の後ろの席では北原がどうやら新幹線のスピードに興奮している様子で、横にある九条が北原にたまらずツッコミを入れていた。
そして、新幹線に乗ること一時間半ほどが経過した時、先生が俺たちにお昼用のお弁当を配った。
「このお弁当とても美味しいな!!」
正孝が美味しそうな幸せな表情を浮かべて弁当をばくばく口に入れる。
確かにこのお弁当は色々な具が詰まっていていろんな味が楽しめてとてもいい
「中川さんって面白いな!!」
「そう? 私面白いのかな?」
「鈴音は面白いよ!!」
すると、俺の後ろの方から中川さんと月野さんがクラスの男子数人と話す声が聞こえてくる。
「中川さん相変わらず人気だよな!!」
「まあ……中川さんは優しくて可愛いからそりゃ人気だろ……やっぱり高嶺の花って存在すんだな!」
正孝と真壁が横で中川さんに関する感想を述べる。
「なあ! お前もそう思うだろ山田!! てかよ! お前があの中川さんとは親しくしていることがいまだに不思議でならないんだが俺は……」
「え? 俺と中川さんが親しくしているのってそんなに不思議に見える?」
真壁は俺と中川さんが友達として仲がいいことに不思議に思えたらしい……
まあ、俺と中川さんは事情をして知っている正孝や月野さん、橘さん以外からだと不思議に見えるのかもしれない……
「まあな! 最初はなんでお前があの美少女転校生と!? ってびっくりしたけどな! でも今はもう見慣れた光景だけどよ!」
そういえば中川さんが転校してきてすぐに、俺と中川さんと月野さんがショッピングモールで一緒に買い物しているところを見られて、後日……クラスの男子に騒がれたことがあったな……
「そうか……」
俺はそう呟きつつ中川さんを見つめていた。すると、その俺の視線に気づいたのか中川さんが俺に向かってにっこり笑って手を振ってきた。
俺はぎこちない笑顔を彼女に送り、手を彼女に振り返した。




