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106話 中川さんとの何気ない時間が好きだよ……

「中川さん準備順調そう?」


 あれから一週間が経ち……明日はついに修学旅行当日がやって来る。

 俺と中川さんは今、修学旅行のしおりを見ながら、筆記用具、飲み物、一日目に必要な物など修学旅行に必要なものをつめる作業をしていた。


「うん! 順調だよ! 海人は?」


「順調だよ……よし! これで完了と!!」


 俺はしおりに書かれている必要なものを全てリュックに入れたことを確認すると、リュックのチャックを閉じた。


「私も終わった!! えーと、最後に筆記用具つめてと……」


 中川さんも俺と同じく準備が終わったらしくリュックのチャックを閉じる。


「ふう〜お疲れ様……なんか疲れたね……」


「うん! 修学旅行の準備って意外と疲れるね……」


「そういえばさ! あのキャリーバッグはもう私たちが宿泊する予定のホテルに届いたのかな?」


「うーん、どうだろ先生は俺たちがホテルに到着する時までには遅くてもキャリーバックが着くって行ってたからな……」


 俺たちは今日の学校で洋服などをつめた修学旅行用のキャリーバッグを学校のトラックにつめて、当日とかにキャリーバッグを持つのは大変なため、キャリーバックだけホテルに一足先に送ってもらうことになっていた。


 俺はリビングの床に座り込んで中川さんに労いの言葉をかける。中川さんも俺から少し離れたところの床に座り込んでいた。


「そうだ! 中川さんお茶飲む?」


 俺は疲れたので唐突に水分が取りたくなったので、床を立ち上がりキッチンから中川さんもお茶がいるのか聞く。


「うん!! 飲む飲む!!」


 中川さんは床から立ち上がって、テーブルの椅子に座った。


「はい!! どうぞ!」


 俺は冷蔵庫からお茶を取り出して、二人分のコップに注いだ……そして、それをテーブルに置く。


「中川さん明日はついに修学旅行だね……」


「うん! 私すっごく楽しみ!! あ! お茶ありがとう海人!!」


「中川さんの思い出になる修学旅行になるといいね!」

 

 俺は中川さんにそう言ってお茶が入っているボトルに口をつけた。


「いただきまーす! うん! おいしいね!」


「うん……こういう時のお茶は疲れた体に沁みらっていうかなんというか……」


 俺と中川さんはお茶を飲み干し、俺はしばらく椅子の背もたれにのたれかかった。すると、中川さんがあくびをしているのが目に入った。


「中川さんもしかして眠たいの?」


「海人……私、何だか疲れてきちゃって……明日も早いし……私もう寝るね……」


「お、おやすみなさい……中川さん……」


 中川さんは椅子から立ち上がり中川さんのベットがある寝室の部屋へと向かっていった。


 俺はしばらくスマホを眺めていると、お茶がまた飲みたくなったので、冷蔵庫を開けてお茶を注ぎまた椅子に座って飲んだ。


「明日から修学旅行か、忙しくなるな……」


 俺はお茶を飲み干すと、そう声を漏らす。

 おっと……俺も眠たくなってきたな……

 俺は今あくびをしたので、そう思った。


 俺は寝るために寝室に向かった。寝室の部屋には俺のベッドの横に中川さんのベットが設置されている。


「海人明日楽しみだね!」


「え? 中川さん……まだ起きてたんだ……」


 俺が自分のベッドの中に入ると、中川産が俺の方をひょっこり見て笑顔を見せてきたので、もう中川さんは寝たと思っていた俺はびっくりした。 


「えへへ……私あしたのこと考えてたら寝れなくなちゃって……」


「そうなんだ……二学期はさ……体育祭に文化祭に修学旅行とほんとに行事がたくさんあるよね!」


「うん! ……私さ、今思えば海人とずっと一緒にいるね……」


「え? それは一緒に住んでいるんだから一緒にいるのは当然というか……」


「私……今、海人と一緒に暮らせて……いや、好きな人と一緒に暮らせて、これって私はとても幸せなことだと思っているよ……」


「……いや、好きな人って……好きな人……」


 中川さんは俺のこと好きなんだよな……こんなに可愛くて優しくて一緒にいて楽しくて……そんな素敵な人が俺のことを好いてくれてるなんて……ほんとに信じれない……


「私こう話してたら目が覚めてきた!」


「それじゃあ、中川さんしりとりでもする?」


「え? なんでしりとり?」


 俺はしりとりをしようと提案したが、中川さんは不思議そうな顔をする。でもすぐにクスッと笑った。


「いいよ! やろうかしりとり!」


「じゃあ! どっちから先始める?」


 俺はしりとりを始める際、どっちから始めるか中川さんに提案する少し考えた様子を見せた。


「それじゃあ! 海人からでいいよ!」


「わかった! それじゃあ! 最初はやっぱりしりとり!!」


「えっと……りす!!」


「りす……りす……すいか!!」 

 

 俺と中川さんはしりとりを楽しんだ。そういえば中川さんとしりとりするのはこれが初めてだな……


「スイートポテト……そうだ! とうふ!!」


 俺は中川さんがスイートポテトと言ったのでしばらく考えたのにとうふをひねりだす。


「とうふ……とうふ……とうふ……ふうせん!!」


「あ……中川さん今最後に、んをついたね……」


「あ! んついちゃった! 私の負けだ! ……ふふ! アハハハハ!」


「アハハハハハハハ!!」


 俺と中川さんは何がおかしかったのか自分でもわからなかったが二人で高らかな笑い声を出した。


「ねえ! 海人もう一回しよう!!」


「ん? いいよ! もう一回しようか!」


 俺たちはお互いのベットの上で白い歯を見せながらニコッと笑い合う。

 何故だがわからないけどこういう時間がとても楽しい……


「じゃあ! 次私から!! しりとり!!」


「り……りんご!!」


 先ほどは俺が先行をやったため、中川さんが先行でしりとりと言ったため、りで始める言葉として俺はリンゴと言った。


「……ごま……あ! まくら……!」


 俺と中川さんのしりとりは続き、中川さんは俺がごまと答え、答えが思いつかなかったのかしばらく考えていたがようやくまくらと答える。


「ラジオ!!」


「お……おけ!!」


「け……け、け、……けいけん!!」


「あ! ん! ついたよ!! 私の勝ちだやったやった!!」


「負けちゃった……ぷっ! アハハハハ!!」


 俺はまた何か面白かったのかはしゃいだような声で笑う。


「海人めちゃくちゃ笑うじゃん! アハハハハ!!」


「だって……なんか面白くて……アハハ!」


 俺と中川さんは眠気が吹っ飛ぶほどその場で笑い転げた。


「……はあ! 面白いな! やっぱり海人と一緒にいると面白い! こんな何気ない時間も本当に楽しい!! 海人ほんとにありがとう!!」


「アハハ! 中川さんお礼を言うのは俺のほうだよ……!」


 中川さんと二人で何気ないことで笑い合う、この時間は本当に居心地がいい……


「こんなことしてたら明日修学旅行なのに、全然寝れなくちゃうね!」


「ほんとだね! でも面白いからそれはそれで……いいというか……」


「ふふ! ほんとだね! 海人めちゃくちゃ今のしりとり楽しかったよね!」


「うん……こう言う中川さんと何気ない時間がずっと続けばいいな……」


「海人……今なんて?」


 俺は今、心の中の声が口に出たことに気がついた。中川さんは口をあんぐりと開けてびっくりして聞き返してきた。


「海人私になんて言ったの?」


 中川さんは再度俺に聞いてきたので、俺は率直に今の気持ちを伝えた。


「え……その……中川さんとのこの何気ない時間好きだよって……」


「……なんか……私、今、海人に告白されたみたいな感じだな……」


「いや! 俺はそんな意味で言ったんじゃ! ……告白の答えはちょっと待ってくれないかな……ちゃんと考えて答えを出すから……」


「えへへ! 冗談だよ! 海人! 私ちゃんと待つから! 海人が納得いく答えを出すまでそれが私の望むものじゃなかったとしても……海人がどんな選択をしようと! その時はちゃんと祝福するし!!」


「中川さん……君は本当に……本当に……」


 ほんとに優しいな……


「海人それじゃあ! 明日早いしもう寝ようか! おやすみ海人!!」


 中川さんはこちらを見てニコッと笑った。


「うん! おやすみ……中川さん……」


 俺もそうおやすみを言い、ベットに横になった。

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