101話 ハートマーク
今日は昨日の文化祭の振替休日から1日明けて、また一週間の学校生活が始まった。
今は学校に登校するため彼女といつも通り学校まで歩いている。
「なんか最近すごく寒くない?」
中川さんは寒そうな表情を浮かべる。
俺は寒いので手をポケットに突っ込んでいる。
「もうすぐ冬だからね……」
「私なんか寒くて手が冷えてきたよ! えい!」
「どわ! びっくりした! ちょっと!」
「えへへ! 海人の手あったかーい!!」
中川さんは俺の手をポケットから引きずり出して握りとても満足そうな顔を浮かべる。
「……ポケットに入れてたからかな?」
俺は彼女に手を握られ、ドキドキする。
「えへへ! 海人の手ずっと握っていたい!!」
中川さんは嬉しそうに俺の手を握る手をより一層強く握りはじめた。
「海人に問題! 私は今なんでご機嫌なんでしょうか?」
「え? それは……文化祭が終わったから?」
「ぶぶ!! 違います!! ほら他には!」
「……昨日のバイトでいいことがあったとか?」
「ハズレ!! 正解は! 好きな人の温もりを感じられてるからだよ!」
俺は彼女が幸せな顔でそういうもんだから、思わず彼女に握られてない左手で顔を覆う。
中川さんはそういうことを平気で言うのか……
ってか、さっきから胸の奥がキュンキュンするんだが……
「ふふ! 海人照れてるの? なんで顔隠すの?」
「……だって……俺今すごい顔してるから……多分……」
「なんで隠すの〜! 見せてよ! かっこいい顔!」
「いや……俺は別にカッコよくない……」
「なんで! かっこいいよ! 海人は世界で一番かっこいいよ!」
ドクドク
俺はこのままだとやばいと思い、歩くスピードを上げた。
「あ! 置いてかないで! 海人!!」
「私海人にすきになってもらえるようにがんばるから! あ! 待ってよ!!! 海人 置いてかないでよ! えへへ!!」
中川さんは再び俺の横に並んでとてもにっこり笑った。
学校に着くと、俺はまだ教室がダンボールなど文化祭の迷路のために積み上げてきたものが教室に点在していてまだ片付けが完了していないためとりあえず荷物を置くためあの仮教室へと向かった
「おはようー! 山田くん! 元気そう?」
「おはよう……月野さん……月野さんは相変わらず元気そうだね!」
「えへへ! あ! ワタシ今日さ! 山田くんにお弁当作ってきたんだ! だからさ! ワタシのお弁当食べてくれないかな?」
「え? 作ってくれたの? お弁当?」
「……うん、お口に合うかわからないけど……」
仮教室に入ると荷物を置くためにちょうどから教室に入っていた月野さんとばったりあって俺は話をする。
「ちょっと! ストップーー!! 二人とも!」
「わ! 鈴音いたんだ!」
「いるよ! 私全然ここにいるから!!」
中川さんは俺の後ろからひょっこり出てきて、俺と月野さんの間に割って入ってくる。
「ねえ、ちょっと海人!!! 私だって海人にお弁当作ったんだけど!! バックの中に私が作った海人のお弁当入ってるじゃん!!」
いや……それはそうなんだけど……月野さんがせっかく作ってくれたって言ったからそれをむげにするわけには。
「へえ〜やっぱりあの時から毎日鈴音にお弁当作ってもらってるんだ〜〜山田くん〜〜〜」
「いや……その、別に毎日じゃ……」
「それで! 山田くんはどっちのお弁当を食べるの? わたしのお弁当か? 鈴音のお弁当か? さあ、どっち?」
「むむむ! 海人なら私を選ぶよね!!」
「え……いや……その……ほんとにまいったな……あはは」
俺は中川さんと月野さん二人に詰め寄られる。
「あ……その……両方食べます……食べさせてください……」
「ああ…………えへ」
中川さんと月野さんは互いに顔を見てにっこりと笑う。
「じゃあ! はい!! これお弁当!」
「ありがとう……月野さん……美味しくいただくよ……」
月野さんは自分のバックからお弁当を出して俺に渡してくる。
二人がせっかく作ってくれたんだ……腹がパンパンにふくれてもちゃんと食べないとな……
「よう! 正孝! ダンボール運んでるのか? てか、すごい……もうほとんど片付いてるじゃん……」
「ん? おお! 海人お前おはよう!!」
俺は教室に入ろうとすると正孝が段ボールを持って教室を出て行こうとしていたので話しかける。
「俺も手伝うよ!」
「おお! そうか! サンキュー」
正孝はダンボールの半分を俺に渡してくる。そして、俺は正孝の横に並んで廊下を歩く。
「それで……これどこに運ぶんだ?」
「なんか北原が職員室に運んでくれって言ってた」
「へえ〜〜職員室って言えばお前あれセーフだったのか?」
「あれ? ってなんだ?」
「あれっていうのは、ほら、この前自習時間によ! あったじゃねえーか、お前がアニマルクエストの魔法の技名叫んで魔法を放つみたいに教科書を振ったらそれが先生の腹に直撃したあれ! お前あの時先生に後で職員室に来いって言われてたじゃないかよ」
「あ! あれか! まあ五分ぐらい説教されたけどな! なんで腹に当たったぐらいで5分も説教されなきゃならんのだ!」
「アハハ……でも逆に説教ぐらいでよかったじゃないか」
「まあ、それもそうか……」
そして、俺たちは職員室の前に到着した。
職員室の入り口の横にはダンボール回収と書かれたダンボール置き場が設置されていた。
「ここに置けばいいのか?」
「そうだろ! ほら、あの人も置いてるじゃん! ダンボール!」
正孝に俺が聞くと、ちょうど一人の女子生徒がダンボールを置き場において行ったので俺たちも真似してそこにおいた。
「よーし! これでいいだろ! 海人ありがとな助かったぜ!!」
「いや……別に……てか、早いな! 確か今日は文化祭の片付けの時間が午前中に当てられていたはずだが……」
「いや、北原が終わるなら早いほうがいいって朝登校してきたやつに呼びかけたからな!」
「なんというか……北原らしい……」
俺は段ボールを置き終わったため、正孝と一緒に教室へ歩き出した。
「そうだ! お前に朗報がある!」
「え? 朗報?」
「これは先生が話していたことなんだけどよ!」
「また先生が話しているの聞いちゃったってやつか!」
「よくわかったな!」
懐かしいな……そういえばこいつ中川さんが転校してくる時……今日転校生が来るって先生が話してるの聞いちまったってわれさきに俺に伝えにきたっか……
「修学旅行でよ! USVに行くらしいぞ!!」
「あ……やっぱりか……」
「なんだよう……もっと驚くかと……」
生徒会長に聞いてたからまあ来るだろうなと俺は思っていたけど……
「いや……なんというか……生徒会長に聞いたから去年そこに修学旅行で行ったって」
「お前って生徒会長と知り合い色々なんかすごいよな……」
そして、お昼休み……
「ん? お前今日弁当二つなのか?」
「うん」
俺はお昼休み正孝と席をくっつけていつも通り二人で飯を買おうとしていた。
俺はまず中川さんのお弁当を開けた。
すると、白ごはんの上にハートマークののりがデコレーションされていた。
俺は中川さんの方を見ると中川さんはこちら見てウインクしながら手でハートマークを作ってきた。
中川さんのお弁当……破壊力ありすぎだろ……




