アクセサリーのカフェ
暑さが厳しくなってきましたね。
私の店では風鈴や簾をかけていますよ。
涼みたいと、お客様に思ってもらいたいですから。
此方はアクセサリーのカフェになります。
「今日は誕生日おめでとう。」
おや、お客様がお電話をされていますね。
当店はお電話されても大丈夫で御座いますよ。
「側にいてあげられなくて、ごめんね」
『大丈夫だよ、ちゃんと待ってるから。』
「本当にありがとう。僕も琥珀を大好きだからね。」
『ありがとう。私も蒼の事、愛してるよ』
ふふ、青春ですねぇ...。
あの光景を見かけると、可愛らしいですよね。
つい見てしまいます。
「...実はさ、近くに来てるんだ。」
『えっ...めっちゃびっくりしたよ!?』
「ごめんね?」
『えっ、いや大丈夫だけど!!どこにいるの?』
「リエーフってアクセサリー店。」
『そうなんだ!何時ごろ着く?』
「1時間半後で、どうかな?大丈夫?」
『うん!大丈夫!待ってるね!』
「うん。じゃあ、またね。」
お客様の恋愛を見るのはいつ見かけても良いものです。
「すみません、このペリドットのピアス下さい。」
はい。畏まりました。
失礼ですが、お客様の恋人さんは花は好きですか?
もし宜しければ、藤の花とコチラの香水をお付けしても宜しいでしょうか?
「香水...あ、これ確かレイですよね。」
おや?この香水をご存知でいらっしゃいますか?
もしや、あのお客様のご友人でしょうか?
「弟が香水持ってて。マスター?に貰ったって。」
そうでしたか。それは失礼致しました。
では、香水と藤の花をお付けしておきますね。
どうか恋人さんを幸せにしてあげてくださいね。
「はい。もちろんです。中々連絡取れてなくて...。」
それはお客様にも色々と事情があっての事でしょうし、
恋人さんもご理解してくださっているのではないでしょうか?
「そうですね。でも、まだ恋人じゃないんです。」
そうでしたか。
これから直接お会いされるんでしょう?
「はい。きちんと直接声で伝えたくて。」
それは良い事です。
やはり文字だけでなく声で伝えられるのは良い事です。
では、こちらお渡し致しますね。
お待たせいたしました。
ご来店ありがとうございました。
またのお越しをお待ちしております。