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16話.戦国時代?

UNOブームが来ていた我が家では、なぜか気まぐれに参加した父が何故か毎回勝ち続けるのでKINGと呼ばれ始めていた。

無敗を続ける父を何とか負かそうと協力するみんなを、何故か最初から強力なカードで打ち負かしていく父は何らかのイカサマを疑われていたのだが、それを撃退していた。

いつもボソッとUNO宣言をするたびに気まずそうにしていた。


夜中までリュードにせがまれて何度も対戦してる間に昼夜逆転のリュードとシャーライに付き合えるわけもなく、俺はいつの間にか寝てしまっていた。

リュードとシャーライはそれを見てつまらなさそうに部屋を出た。

そんな深夜のこと。

突如出現した魔法陣に俺は寝たまま連れ去られるのだった。


「起きぬか!このうつけ者!」


でかい声にまだね足りない頭で体を起こし、ぼんやりと周囲を見回すと評定の間としか形容できない場所に俺は寝ていた。

一気に覚醒する。


「何だこれ!」


パジャマ姿で板張りの床に寝かされている俺を周囲から数人の武士?みたいなのが取り囲んでいた。


「ふむ、言葉は通じるようだの?」


「ああ、通じてる。俺は、また呼ばれたのか」


肩を落として答える。

唐突すぎても、これでも何度も異世界に呼ばれ続けた俺だ。

すぐに状況は理解できた。


「お主は救世の英雄でおうて(合って)おるか?」


「そういうことになるな」


声の主は鷹揚に頷いた。

少女の姿に似つかわしくない言葉遣いと威厳で俺を見下ろしてくる。


「お主に頼みがある。これは帝としての勅命である」


ははーとかやるべきなのか?わからんからいいや。

首肯だけしておく。


「魔に魅入られた我が父を討ってくれ」


「は?あんたの父親が何だって?」


「我が父は母を失ってから変わってしもうた。

助けてくれなんだ神を恨み、邪神を信奉し始めた。

その頃おかしな連中が集まってきて祭り上げられて

そのまま野盗をまとめて世界を滅ぼすと宣言しおったんじゃ」


「あんたらが腰に差してるものは飾りなのか?」


この場にいる全員が帯剣しているのに気弱なことだな。


「無論お主と共に命をかける覚悟くらいはしておるわ!

しかしの、我らにあやかしの術を扱えるものはおらんのだ。

弓より遠くから攻撃されては犬死にじゃ。」


普通に魔法が使える敵がいるってことだろう。


「それに、彼奴らには鬼を率いる術まで使うてきおる。

我らに対抗するすべなどありはせんのだ。」


魔物か邪神軍ってとこか。

いや、待て待て。魔法が使えないのになぜ俺を呼べたんだよ。


「どうやって俺を呼んだんだ?あやかしの術とか言うのは使えないんだろ?」


「我が日の本の国はかつて神が作り給うた神の国での

我が祖先は神だったそうじゃ。

神話の時代の文字は読めるものもおらぬが伝承は口伝で我が家に伝わっておる。

カタカムナと申す真理を残しておっての、禊を行い儀式を行い、口伝の言葉を心を鎮めて形代に唱えると救世の英雄が降り立つとされておった。

式神とも言うらしいの。」


俺が式神って、じゃあ何か?俺は紙に宿ってるのか?

まぁ、よくわからんが、何らかの要素が上手く絡まって俺が呼ばれたってことでいいだろう。


「で、鬼とあんたの父親はどこに居るんだ?」


「それが分かれば苦労せぬわ!

あやかしの術がなくとも我らには草もおるでの。

じゃが、草を放っても消え失せたかのように見つからぬ。

探して討ってくれ。頼む」


「わかったよ。その怪しげな連中は倒してやるから安心しろ。

ところで、あんたの父親も殺してしまっても良いのか?」


「むぅ、出来れば生かして連れてきてほしいものじゃは、難しいとは思うておる。

ええぃ!生死は問わんから日の本を救ってくれ」


早く行ってほしそうなんだけど何でだ?


「いつまでだ?」


「察しが良いの。7日後に満月となる。そうなると彼奴らは力をまして破壊を振りまく

それまでに頼む。」


少し待っておれ、誰か!とパンパンと手を打つ。

黒と白を呼べと声をかけると、襖を開けて小柄な少女二人が姿を表した。

黒と白の和服に黒と白の髪色の女の子だった。


「黒、白、お主らに選抜は任せる故、世話係を十人揃えよ。

間違えてはならぬぞ、お主らを含めて10人じゃからな」


「「かしこまりました」」


楚々とした所作で二人が立ち上がり、そっとふすまを開けて、一礼してから部屋を出た。

そこから気配を探っていたが驚くべきものだった。

ふすまが閉まると同時に気配が霧散した。

え?あの二人って忍者とかそういう系統なのか?

わからんから別にいいけど、ちょっと気になったのは内緒だ。


それから数分帝の愚痴を聞いていた。

曰く、

こんな家に生まれとうなかった。

だの

蹴鞠も許されん

だの


ごめん。知ったこっちゃない。

周りの侍たちはやれやれといった苦笑しているが、よそ者の俺に聞かせる愚痴じゃないだろ。

そして、やはり全く気配を感じなかったところから襖が開き、一礼して黒と白と呼ばれた女の子が入ってきた。

身長は俺より少し低いくらいか?

背筋がピンと伸びていて所作のすべてが美しい。

前で手を合わせて歩くと


「選抜が完了いたしました、これより我ら10人はこの方とともに鬼や悪霊を払ってまいります。」

「この方のお世話や案内についてもお任せください」


「うむ、任せる」


下がれと言われて


「「こちらへどうぞ」」


と誘導されて俺も後に続いて退出した。

こちらです。と案内された部屋では残りの8名がまっすぐ背筋を伸ばして立ったまま待っていた。

少し頭を下げて立っているのだが、全員の立ち方が完璧に一致しているようで

完璧な芸術作品を見せられているような気分になった。


「救世の英雄様、私どもに遠慮は無用で願います。

これでも訓練を受けておりますので足手まといにはなりません」

「私達は身の回りのお世話から草の活動まである程度はこなせますので、何でもお命じください」


「そうか。とりあえず、月で凶暴化するってことは夜に活発になるのだろう。

もうすぐ夜だから、そこまで仮眠を取っておこう。

そこから魔力探知をした後、空を飛んでいくから準備しておいてくれよ」


「「かしこまりました」」


喋る時は代表して黒と白が行うようだ。

他の全員は邪魔にならないようにか口を閉ざしたままだった。


「ではお布団の準備をいたしますね」

「私は落ち着けるようにお茶をお入れしましょう」


そういうが早いか、楚々とした所作のまま数人ずつで綺麗に布団を敷き、お茶とお茶請けをすぐに用意してくれた。


「夜に活動するんだから、今のうちにしっかり休んでほしいんだけど」


そういうとかしこまりましたとその場を後にした。

なぜだかものすごく緊張するな。


お茶請けとお茶はホッとする味で美味しく、布団に関してはふかふかなのにシワもないように完璧に敷かれていた。

多少ズレたりしわがあっても、寝たら結局シワになるのに、そこまでするか?と思ったけど、休んでおかないといけないのも事実なので俺も休むことにした。


少し寝すぎたか。

あたりは真っ暗になっていた。

多少夜目は効くのでサクッと準備を終えて廊下側の襖を開けた。

俺はまだ信用されていないからだろう。

寝泊まりした場所は天井のない廊下の先にある離れのような場所だった。


どうせ皆揃ってるんだろ?

と思ってびっくりしないように心の準備をしていなかったら心臓止まるわ!

そんな気分にさせられる。

全員板張りの廊下に正座で待ってるんだから。

まぁいい、気を取り直して行きますか。

魔力を広範囲に通していく。

ん?あやかしの術は操れないと言っていた割に、結構魔力高めの人がそこそこ居るな。

10人中3人に魔力が高めの反応があるな。

侍のジョブには魔法系を上げないと実は成れない的な要素なのか?

こっちの方角の先、20人ほどの集団に魔力反応があるな。外に出てないので何とも言えないけど、結構遠いので多分街の外かな?

息を潜めて潜伏して満月に襲撃する位置としてはちょうどいい位置な気がする。


「じゃあ行くか、全員手を繋いでくれ、ここから飛んでいくぞ」


「「かしこまりました」」


シュバッと全員手をつなぐ。

最後に俺が両手を出すと黒と白が掴んだ。

全員を引っ張り上げるように少し飛び、全員にフライを掛けると一気に空中へ飛び出した。

空から見下ろすとこの屋敷だけ飛び抜けてデカくて、それ以外は全て長屋のような場所だった。

んじゃ、害虫駆除に出向きますか。


そこそこの速度で抑えながら飛ぶ。

訓練を受けたと言っても空を飛んだことがない人たちと本気で飛んで怖がらせる必要もない。

魔力反応地点に到着したけど、何もない。

こういう時はたいてい地面なんだよな。

地面に降り立つととりあえず地面に向けて土魔法で大穴を開ける。

こういう時に炎魔法を使わない方がいい。

なぜなら、ガラス化して面倒なことになることがあるからな。

というか、面倒なことになったことがある。

いや、俺じゃなくてケルビンがやったことだぞ?

俺はそんなアホじゃない。


土魔法で大穴を開けたら壁を蹴りながら降りていく。

まぁ、彼女たちは危険もあるからちょっとまっててもらおうと思っていたら、

俺の蹴った場所と全く同じ場所を蹴りながら一列に降りてきた。

マジかよ。


さて、鬼とか言うのはどこかな~?

お、ここか?

横穴を発見してそこに飛び込んだ。

おそらくどこかから掘り進めてきたのか元からあった洞窟を利用したのだろう。

なかなか広い空間で天井も高い。

あっと思った。

似つかわしくない扉があった。

鉄製の大きな扉。

ま、関係ないけどね。

こういう扉は基本的に左右の扉の隙間にファイヤナイフを差し込む。

アルバーンにファイヤエンチャントした魔法剣ではなく、純粋に魔法だけで形作ると狭い隙間に差し込める形状となる。

ジリジリと錠を焼き切ると一気に手前に引き扉を開け放つ。


「何奴!」


誰何されたが、答える義理はない。


「お前らを捕縛する。あ~、帝の父親は生かしてやるけど、それ以外は全滅でもいいか。

面倒だしな。」


「我らの妖術を抜けられると思うておるか。愚かなことよの」


じじいが嫌らしい笑みを浮かべた。

多分こいつが帝の父親だな。


「天に仇なす不届き者よ、天命である、天の敵を滅ぼせ」


「はっ!」という声とともに魔力持ちと牙の生えた鬼とやらが襲いかかってきた。


掌からしょぼすぎる炎を飛ばしてくる。

炎で牽制しながら鬼の力技で制圧する気なんだろうな。

何でも良いけど。

アルバーンを抜き放ち次々と斬り倒していく。


あれ?思ってたより遥かに弱い。またこのパターンか。

力には力、魔法には魔法で対応したのに一瞬で制圧してしまった。


後ろに被害はと後ろを見ると、気配を出さずに10人が全員俺に忍刀を向けていた。


「何のつもりかな?」


「あなた様の戦闘技術は異常です。

それは主上に危険と判断いたしました。」


「その主上っていうのはこいつのことか?」


と帝の父親を横目で見ると


「そのような者が主上であろうはずもありません。

我が主上は帝をおいて他に無し」


忠誠心で俺に勝てないのをわかりつつ刀を向けるか。

こいつら凄いな。

感情がなさそうに見えるけど、自分で判断し、ただ主人のためだけに命をかけるのか。

こいつらに恨みも何もない。

だから、スリープの魔法をかけた。


人間の脳は睡眠を拒否できるようには出来ていない。

それでも、動きが鈍りながらも彼女たちは忍刀を握り俺に近づいてくる。

俺は一発ずつ当てて昏倒させた。


「それで、帝の父親、お前はどうするんだ?」


覚悟を決めたようにうなだれていたそいつを見ると


「好きにせい、余にもはや何もする気力もないわ。」


とそれだけ口にした。


「奥方が亡くなった事で死のうとしてたのか?」


そういうと、そうではないと首をふる。


「あれが死の間際にあった時、配下は娘を担ぎ出した。

次代を心配しても、あれほど民を思ったあれに誰も心配も悲しむこともなかった。

余のやってきたことは何だったのだ?

余とあれで、民の生活のために帝なんて楽しみも何もない事を続けてきたのに」


疲れ切った表情をしていた。


「朝から冷水で禊を行い、儀式だ何だと休まる時間もない帝をやって、これであるか?

そう思うと、そんな身勝手な人間を滅ぼしたくなった。

神の代行者として働いていたからかの、神をも恨んだ。

若いの、知っておるか、神はあれ程尽くした妻を病気で死なせるような思いやりのないものぞ」


「いや、逆に教えてやるよ。神にも色々居てな、八百万の神って言葉を知ってるだろう。

その中には邪神なんてものも居る。そいつがどんな事をやったかを」


そこから俺は語り始めた。

邪神の暴挙と世界が憎しみと苦しみで染まっていく様を


転がっている鬼とやらは、妖魔の類で古来から妖怪と呼ばれたものだそう。

邪神とは関係なかったことが、邪神の話の中で口を挟んだ先帝の話で判明した。

先帝は妖魔を操る悪しき妖術師にそそのかされていたらしい。

邪神軍の息がかかっていたとすれば弱すぎるからどのみち関係はないのだろうけど。


ここからは俺の想像だけど、病気で死んだ奥さんは、その妖術師の仕込みなのかもしれない。

次代が幼い女ともなればどうにでもできると思ってお家騒動を起こそうとしたのかもしれん。

解決したし、死者は生き返れないからわからんけどな。


さて、どうするか。

寝息を立てる10人と先帝を連れてここを出るのか。面倒だ。

しょうがないのでマイスペースへの扉を開いて全員を放り込んだ。

あとは帝のもとに戻って開けばいいだろう。


そんな風に考えていたんだよ。本当に

帝の元に戻ろうとすると、門番に停められた。


「このような深夜に帝の寝所を訪ねようとは怪しいやつ」


こんな事言われたら引き下がるしかないので諦めて野宿した。

何でだよ。


多分マイスペースで寝ると寝首をかかれかねないので先帝は何とか頑張って生き残れ。

戦闘のあとは頭が冴えてて寝付けないなんてこともあったけど、今では慣れたものだ。

寝ようと思えばすぐに寝付ける。


そして朝になった。

物珍しそうな視線にさらされていた。

浮浪者とでも思われたか服装か?

跳ね起きると一目散にその場から逃げて帝の館に向かった。

門番に事情を説明すると侍が出てきてついてこいと言った。

評定の間にいた侍の一人だろう。

俺の顔を覚えていたようだ。

寡黙な男は何も話さず帝の元へと案内してくれた。


評定の間では、またしても一同勢ぞろいの様相を呈している。

普通に考えて異常事態の大問題だからな。

魔力探知ができる人がいないと厳しいだろう。


「早かったの、どうじゃった?」


「とりあえず先帝は捕らえて妖術師と鬼は一網打尽にしてきた」


「ようやった。褒めて使わす。で、」


と、そこで間を置き剣呑な空気をまとってから


「黒と白に父も連れてきてはおらんようだが?」


俺は何があったか説明を始めた。


「ふむ、つまり、草の訓練を受けておる10名を無力化した上で敵も全滅させ、父を捕らえたと申すか」


「そういう事になります。」


ざわめいた評定の間を帝が静める。


「止めよ」


殺気だった数名を抑える帝と、多分襲われても余裕で制圧できると無視を決め込む俺


「まずは、黒と白だけでも先に開放してくれぬか?」


上手いこと黒と白が出てきてくれるかわからんから何とも言えないけどとりあえずマイスペースを開くと飛び出してきた2つの影


「「主上のために、恨みはないがお覚悟!」」


「止めよ!」


ピタッと動きが止まる二人


「他の者も呼んで参れ」


「「はっ」」


帝の前であることに気づいた二人は残りの8名と先帝を連れて出てきた。


「父上」


悲しそうに先帝を見る帝と気まずそうな先帝の視線が絡み合う。


「言い訳はせぬよ。余は神も、恩を仇で返す人間も全てを滅ぼそうとした。」


「話はすでに此奴から聞いて知っておるよ父上。妖術師にそそのかされたこともの」


そこから沈黙が場に降りた。


「帝に奏上申し上げる。

救世の英雄様の御力は人の粋を超えており、帝の御前に置くには危険すぎます」


「逆に聞くが、どこかに逃げたら何とかなると思うか?」


「いえ、その為、お命を頂戴しようと」


「なら良い。此奴がその気なら、お主らが全滅しておることは容易に想像できようて。

今更何かをしようとしても無駄じゃ。むしろ怒りを買うような真似をせぬようにな」


「しかし・・・」


「そんなに心配ならこうしよう。

お主ら、此奴について行くが良い。

お主ももう自分の国元に帰るのであろう?」


「それはそうだけど、寝首をかかれる心配があるのに連れて行かないといけないのか?」


「小奴らは我の脅威には厳しいが、強き者を慕って指示しようとする者らぞ

一度この世界を離れればお主によく仕えるじゃろう。」


「主上、我らの忠誠は全て主上のために」


「わかっておる。そうじゃの、では黒と白は其奴に仕えることとするとして半数の5人も残れば十分じゃろ。

間違うでないぞ、此奴はこの日の本を救った英雄じゃ。

褒美の一つもやらねば我が愚帝となるわ」


「「はっ、かしこまりました」」


褒美として与えられるなら納得するってこと?

よくわからんな。この時代の心情ってのは。


黒と白に人選を任せると言い残して帝は先帝を侍二人で挟むように立たせると評定の間を出て行ってしまった。


正直言うならかなり面倒なことになったと思う。

また、マリアから呆れたため息をもらうことになりそうだし、それ以外も寝首かかれそうとか色々憂鬱だ。

いっそマイスペースで寝泊まり・・・いや、そんな魔力を使える便利な世界ではないのだよ、地球は。


はぁ~。

俺は思ってたよ、確かに

メイド服を着た清楚な女の子がいればな~って。

でも、これは違うじゃん。

命を狙う暗殺者と清楚さはイコールではない。

確かに所作の美しさと黒髪黒目で清楚な見た目の大和撫子だよ?

でも、名前が黒に白ってわんこかよ。

もっと普通の深窓の令嬢のような清楚な美少女が良かったんだけど。

しかも、こいつらの場合、鉄壁過ぎてちょっとエッチなハプニングなんて絶対ないんだぜ?

メイド服どころか、どうする、年中袴だったら。

いないよりはマシか。贅沢は敵だな。

諦めよう。


「それで、誰がうちに来るんだ?」


「不本意ながら、私と白は決定です。」

「不承不承貴方様にお仕えいたします」


「嫌なのはわかったからそこまで露骨に出さないでくれよ。

それで他の3名は?」


「「「こちらに」」」


また気配を消して近づいていた。

本当にこいつらは。


「じゃあ、また手を繋いでくれ」


シュバッと手をつなぐ5人と俺。

んじゃ、帰りますか。

我が家のエレベーターホールに転移した。

ここには基本的に人が来ないし防犯カメラもないので転移にはうってつけだった。

鍵を開けて帰ると何を言われるかわかったものではないので、インターフォンを鳴らした。


嬉々として出た母さんが玄関に出迎えに来てくれて


「そう、また増えるのね。母さん嬉しいわ」


と喜んでいた。

この家で人が増えて喜ぶのはおそらくうちの母だけだ。


沈んだ気分で家に戻るのだった。


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