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Lawless Hunter 首狩りジャック  作者: 佐久謙一
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9

「Hello?」

 数回のコール音の後、男の声が返ってきた。この声はニックの隣にいた黒スーツの男の声だ。

「もしもしぃ、ニック君いますかぁ? 一緒に野球やる約束してたんですけどぉ」

 コウはあえて日本語でそう言った。背後からレイの呆れたようなため息が聞こえる。

「wha,…Say what?」

 電話の相手は明らかに戸惑った様子だった。コウは吹き出しそうになるのを堪えながら、言葉を英語に切り替える。

「おお、すみません。私は先程のハンターです。目標の居場所が判明しましたので、私はこちらに電話しました」

「ああ、ハンターか。了解した。ボスと変わろう」

 男は淡々とした様子でそう答えた。リアクションの薄さにやや不満を覚えつつも、コウはニックが電話に出るのを待った。

「ニックだ」

 しばらくして、ニックが応答した。

「ハロー、ニック。対象の居場所が分かりました」

 コウはジャックの潜伏先が廃学校であることを告げた。コウの言葉を受け、ニックは唸るようにして言った。

「……分かった。成功報酬は振込でいいか?」

「いえ、出来れば現金手渡しでお願いします。私達も廃学校に向かいますので、あなたの刺客に五十万円を持たせてください」

 ニックが沈黙する。コウは構わず、言葉を続ける。

「ついでに保険ですが、あなたの刺客が全滅しましたら、私達はその場ですぐに生け捕りの仕事を開始します。その為、そちらの報酬の九百万円も用意しておいてくださいね」

 無言の電話からニックの怒気がひしひしと伝わってくる。コウはさらに喋り続ける。

「こちらも勿論現金で。対象をそちらにお連れしますので、その際に支払いをお願いします。それでは、また」

 コウはそれだけ言うと、相手の返事も待たずに電話を切った。

「やりすぎたかな?」

 コウは振り返り、レイに尋ねた。レイは中央脇右手にある、地下室の階段から上がってきているところだった。その右手にはライフル型の麻酔銃が握られている。

「上出来だ。ヤクザ者に主導権を握らせる必要はない。さぁ、仕事の仕上げだ」

 レイはそう言って、事務所の扉を開いた。コウもその後に続く。

「今日も日付が変わるまで残業楽しいな~」

 コウは自虐的な言葉を、レイの背中に投げつける。

「またその話か? そんなに楽しいならもっと増やしてやろうか?」

「厚労省にブラック野郎として首に賞金かけられればいいのに」

「スポンサーになってくれる企業がいればいいな」

 そんな事を話しつつ、二人は車に乗り込み、発進させた。時計が十一時過ぎを示しているのを見て、コウは大きなため息を吐いた。

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