え?私が厄災ってどう言うこと?
異世界転移ものの小説で定番のセリフ
「よく来られた勇者様御一行」
が早速聞けました。
ノルマクリア成功だ!
状況を整理しよう。頭がパンクする。
まず、私たちは授業を受けていたら、急に見知らぬ教会みたいなところにいた。ラノベでよくあるやつだな。
そして定番のセリフ。まるでラノベだな。
そして
「『ステータスオープン』と唱えてください。勇者様がたの天職が見られます」
このセリフだ。
某人気厨二異世界転移系小説みたいになっているが、今目の前にあるのは紛れもない事実なのだ。
よし、ラノベ主人公に習って、誰が聞いているわけでもないが、自己紹介だ。
私の名前は、白川凪。クラスでは、陽でも陰でもない絶妙なラインを保っていました。今なぜか異世界にいるjkです。
早速自分の天職を見てみましょう。
向こうの男子が盛り上がっている。どうやらTHEクラスの中心人物
藤岡くんの天職が勇者だったらしい。
女子も騒いでいる。私何々ーとか云々カンヌン。
そして私の天職は、魔法使いとかがいいなぁ。チートでもハズレでもなくそこそこやっていけるやつ。
「ステータスオープン」
と、小声で唱える。
【白川凪 16歳 若干左右の目の色が違うのがコンプレックス】
人のコンプレックスをステータスに書くな。
指を上下に拘束で動かして抗議する。
クラスメイトの冷たい視線が心に突き刺さったので止めることにする。
ささやかな抵抗失敗。
うん。口直しに下にスクロールしてみて、天職を確認しよう。
【天職: 厄災】
え?
見間違えかと思い、目を擦る。
だが文字は変わらない。なんと言うことでしょう。何度目を擦っても、無慈悲な二文字は動きません。
え?なんで私が厄災なの!?勇者って魔王倒すのが使命じゃなかったの?
私にガノンド○フになれと?
「あなた方にきてもらったのは、もうじき現れる厄災を倒すためです」
ほら言ってる。偉そうなお爺さんがなんか言ってる!
え?ここにきて、テンプレに沿ってない。
嘘でしょ!?
なんで私が退治される側の厄災なんだよ!?
口直しどころかとんでもないバズーカーがきてしまった。