表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
S◯Pシリーズ  作者: なくてもよかろう
103/103

依夜

初めて人型のSCPの投稿となります。

今回は長文ストーリーとなっていますが、楽しんで頂けたら幸いです。また、こんな物語を書いて欲しいというリクエストがあれば書きます。

彼の前職は研究員として活動していたが、とある事件がきっかけで研究所の中は無人となっているが、一部の装置は現在も稼働し続けている。そして、現在の彼の仕事は完璧な執事を目指して働いている。しかし、彼は過去に完壁を求め過ぎて感情を喪失しかけたことがあり、自分を犠牲にしてでも誰かを守りたいという自己犠牲を信念にしている。口癖は「仰せのままに」


依夜「主人様、おはようございます。今日は天気が良いので庭に咲いている薔薇がちょうど見頃です。見に行きませんか?」


主様「依夜にぃ、おはよう。庭に行こう」


依夜「仰せのままに。それでは庭へご案内します」


主様「依夜にぃ、あそこにいるのは依夜にぃの知り合い?」


???「依夜にぃ、おはよう。私と会うのは約5年と3ヶ月ぶりかな?」


依夜「おはようございます。???さん。そうですね。主人様、彼女は私にとって特別な存在です」


???「初めまして。私の名前は???です。よろしく」


主様「僕の名前は主様です。こちらこそよろしく」


依夜「???さん。この庭園を私達と一緒に散歩しませんか?」


???「今日は依夜にぃにもう一人の私からの手紙を届けに来ただけよ」


依夜「そうですか。ありがとうございます」


主様「???さんって双子か姉妹?」


???「私達は元々一つの器に複数人いる、所謂、多重人格だったんだけど、分断したのが研究所で産まれ育った私というだけよ」


依夜「???さん。辛ければ無理に話さなくて大丈夫です」


???「依夜にぃ、過去と向き合うことは決して簡単な事ではなく、難しいことで、過去は変えられないけど、未来を変えることは出来るわ」


依夜「そうですね。しかし、???さん。それは主人様にとって辛い思いをさせる事になります」


???「時に真実は残酷なものだったりするけど、過去からは逃げられないわ」


依夜「そうですね。しかし、???さん。私達は心を通わせるという決して簡単な事ではない難しいことをやり遂げたから今の私達がいるということを忘れないで頂きたい」


???「そうだね。依夜にぃ、紅茶を飲んで少し落ち着着ましょう」


依夜「そうですね。主人様、私は紅茶を淹れる準備をして来ますのでしばらくお待ちください」


主様(2人のやり取りを静かに見守り続ける)「わかった」


依夜はテラスにテーブルセッティングと紅茶を淹れる準備中


???「主様、先程は口論を見せてしまい、申し訳ございません」


主様「???さんに『双子か姉妹か』と質問したのがいけなかったんだ。気にする事はない」


???「ありがとうございます。そう言ってもらえると助かるわ」


主様「僕は敢えて何も聞かないよ。話したくなった時に話せば良いよ」


???「わかったわ。彼は自分の過去を話したがらないけど、主様なら依夜にぃと信頼関係を築けると思うわ」


主様「そうかな?」


???「うん」


依夜「主人様、???さん。お待たせ致しました。紅茶の用意が出来ました」と言ってテラス席に2人を案内して椅子に座らせた後に紅茶を差し出す


主様「ありがとう」


???「依夜にぃ、ありがとう」


依夜「あなた達の喜びが私にとっての幸せです」


???「依夜にぃの淹れる紅茶、美味しい」


主様「僕は猫舌だから熱い紅茶がすぐに飲めないだけだ」


依夜「そうですか。ごゆっくりどうぞ。ところで???さんはいつ帰るのですか?」


???「今夜よ。もう一人の私が【本来の姿を見られないようにしなさい】と言っていたわ」


依夜「本来の姿...一体どんな姿なんですか?」


???「教えられないわ」


依夜「そうですか」


主様(ぬるくなった紅茶をゆっくりと飲み始める)


依夜「主人様、紅茶の味は口に合いましたか?」


主様「依夜にぃの淹れる紅茶はとても美味しいよ」


依夜「それなら良かったです」


主様「依夜にぃ、僕の過去の話を聞いてくれるかい?」


依夜「もちろんです」


主様はゆっくりと自分の過去を話し始める続ける


主様「....っていうのが僕の過去だよ」


依夜「そうですか...あなたはその時、何を感じたのですか?」


主様「.....で.....ということだ」


依夜「そうでしたか。.....辛い事を思い出させてしまったようですが、大丈夫ですか?」


主様「大丈夫、依夜にぃに僕のことを知って欲しいと思ったから話したんだよ」


依夜は少し驚いたような表情を見せる


???はゆっくりと依夜の肩に自分の手を乗せて「依夜にぃ、私がついているから大丈夫よ」と優しい声で囁く


依夜「私は幼い頃から厳格な父に執事としての過酷な訓練を受けていました。父はいつも私に完璧を求めていたのです。そんなある時の事でした。私が研究所で働いていた時に私の元へ来たのが産まれて間も無い???さんと母親でした。母親は被験体No.17で彼女は元被験体H01でした。その当時の私は???さんの担当者でした。しかし、彼女もまた、過酷な実験を受けていました。そんなある時に彼女の力が暴走してしまい、大型収容容器の中で眠り続けていても私は彼女の元へ会いに通い続けていたのですが、前の主様は『彼女を此処から連れ出したら???との共通点とか見つかるかもしれないね』と私に提案し連れ出すことには成功したのですが、それからもう一人の???さんの力が暴走してしまい、力の制御が非常に困難でしたが、今はもう落ち着いているので心配はいりません」


主様「そうか。もう一人の???が元気ならそれで良いんだ。依夜にぃは会いに行きたいと思わないのか?」


依夜「もちろん、会いに行きたいところですが、私は執事ですので、主人様のそばを離れる訳にもいきません」


主様「そうか」


???「依夜にぃ、もう一人の私なら強い人だから大丈夫よ」


依夜「そうですね」


???「依夜にぃの事を一人の人間として愛し続けているわ」


依夜「私も???さんの事を愛し続けているよ」


主様(2人の様子を静かに見守り続ける)


???「依夜にぃ、最近はよく寝れていない様だけど、大丈夫?依夜にぃが頑張り屋なのは知ってるけど、無理しないでね」


依夜「???さん、お気遣いありがとうございます。ですが、私は大丈夫です」


主様「大丈夫なわけないだろう?」


???「依夜にぃ、私達はあなたの事を執事としてではなく、一人の人間として心配しているわ」


依夜(驚いた顔をする)


主様「???さん、依夜にぃといつもこうなのか?」


???「そうよ。でも、彼は優しくて強いから大丈夫よ」


依夜「それは褒め言葉として受け取っておきます」


???「依夜にぃ、私の実力を知りたいなら後で模擬戦しよう」


依夜「???さんがご希望でしたら私がお相手して差し上げます」


???「荒野で模擬戦しましょう」


依夜「勿論です」


主様(荒野で2人の模擬戦を見守る)


2人は本気の模擬戦中、しばらくして模擬戦が終わる


主様「2人はいつも模擬戦をするのか?」


依夜・???「しません」「しないわ」


主様「しないんかーい!」



此処まで読んで頂きありがとうございました

この物語シリーズは不定期更新です

予めご了承ください

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ