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 第六話


 ―――――消えた?!


 「アラン!?」


 「「アラン殿!?」」


 先程までアランが立っていた場所には勇者の聖剣が突き刺さっており、アランは消えていた。


 「…………転移魔法で逃げてしまわれたか………?」


 王宮魔導師がポツリと呟く。


 ………………!!!?


 「………何てことだ………。」


 国王は顔を両手で覆った。


 アランの両親はアランの名を必死に叫んでいた。


 王女は気を失い、王妃はオロオロとパニックになった。







 ーーーその後、国中を探し回ったが勇者アランは見つからなかった。




※ ※ ※ ※ ※




 それでもすぐに戻って来るだろうと淡い期待も持っていたが、アランは一年経っても、二年経っても戻って来ず、


 ――――とうとう五年の歳月が流れてしまった。


 アランがいなくなってから何故か魔物の数も増えてきている。


 聖なる剣を持つ勇者がいなくなったことで、魔物が勢い付いてきたか……?これだと魔王がいつ復活してもおかしくないぞ……。このままアランが帰って来なければ、軍事同盟を締結させるため王女を強国イスタニアへと嫁がせなければならなくなる‥‥!




 ――――早く帰って来てくれ……!




 王宮の広間に突き刺さった聖剣に向かって、国王は祈りを捧げるしかなかった。




※ ※ ※ ※ ※




 「きーーーーっ!!勇者様はまだ見つからないのっ!?」


 真っ赤なドレスに身を包み地団駄を踏む侯爵家令嬢と、それを宥めるイケメン従者がいた。


 「お嬢様、もう勇者様のことは諦めて下さい。あれから五年も経ったのですよ?」


 「嫌よ嫌よ嫌よーーー!!!嫌よ嫌よ嫌よーーー!!!」


 バチーーーーン!!


 令嬢に平手打ちされ、目を若干潤ませる従者。その頬にはくっきりと手の跡が付いている。


 「ふんっ!!早く勇者様を見つけなさいっ!!役に立たないわね!!」


 令嬢は従者を足蹴りする。


 「………お嬢様………。」


 従者は大きな溜息をつき、項垂れた。


 「もう私も心も折れそうです……………。」


 「ふんっ!!嫌なら出て行きなさいよ!!役立たず!!」


 








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