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第62話

 カインが帰ってきてから、二日ほどでレオンがブレイブ城へと帰還した。レオンが帰還する前にカウダ砦防衛の報告は届いた。その話はブレイブ城から城下町へと広がっていた。


 レオンは熱い歓声に包まれながらブレイブ城に入城した。入城した後にレオンはすぐにカインの執務室へと向かった。


 レオンは執務室に入ると、カインが執務机に突っ伏していた。レイジは机に乗って窓から空を見上げていた。


「どうしたの? 二人とも何か元気ないね」


 二人を見てレオンは笑いながら首を傾げた。


「なぁ、報告したよな?」


 レイジはやつれた顔でレオンを睨みつけた。


「何のこと? 報告じゃなくてお手紙なら来たけど」


 レオンは『緊急報告』と書いてある一枚の手紙をヒラヒラさせた。レイジとカインは目を合わせた。


「「………」」


 二人は向かい合うと互いに鋭い目で睨みつけた。二人は拳を上げて一触即発の状態となったが、レオンを見ると臨戦体勢に入っているのを見てすぐに拳を下ろした。


「「はあー」」


 二人は同時にため息をつくと、立ち上がってレオンの元へとふらふらとしながら駆け寄った。


「ルーナと仲直りしたいんだ。お前、結構、女性に好かれているよな。その手伝ってくれ」

「頼む。お前からメアリーに俺を怒るのをやめるよう言ってくれ。これ以上は辛抱ならん。助けてくれ」


 二人はレオンの手を左右とって頭をレオンの手にに擦り合わせながら叫び出した。


 レオンは二人の予想していた行動にいつも通りに苦笑いした。レオンが笑っていると部屋の扉が開く音がした。


 音と同時にレイジがすぐにレオンの後ろへと隠れた。冷たい目で笑うメアリーが部屋に入ってきた。


「あら、レオンお帰り。約束の時間に来ない奴がいてね」


 メアリーはレイジを睨みつけると、レイジはレオンの後ろで睨み返した。


「今日来たら、葉巻に火をつける事を許そうと思ったんですが……」


 メアリーは残念そうな顔をすると、レイジは顔を歪めてレイジの後ろからメアリーに指を指した。


「レオン。あれは嘘だ。昨日もああ言って許されんかった。俺を呼ぶ常套句だ」


 レオンは引き攣った顔で笑って、交互に二人を見た。レイジは捨てられる直前の子犬のような顔をして、レオンを見ていた。


「まぁ、レイジも反省してるみたいだし許してあげたら。どうだい?」


 レオンはレイジの救いを求める顔を見て、仕方がなさそうにメアリーに口添えした。


「………仕方ありませんね」


 メアリーは目を閉じて、頭を押さえた。レイジはレオンから離れてガッツポーズをした後に、窓から外に出ようと乗り出した。


「ですが、予定を守らなかったので今日は来てもらいます」


 レイジはすぐにレオンを見るが、レオンは顔を変える事なく笑顔でレイジを見ていた。レイジは窓から降りてメアリーのそばに行くと、引きずられて部屋の外へと連れて行かれた。


「で、カイン。もう、僕行くけど?」


「待ってくれ。頼む。俺たち親友だよな」


 カインは帰還した日以降ルーナには一切会ってもらうことができていなかった。最初はすぐ許してもらえると思っていたが数日が経過して危機感を募らせて今に至っている。


 カインがつぶらな瞳でレオンを見上げていた。レイジは優しくカインに笑いかけた。


「カイン、仲直りするのに僕の助けを使うのはおかしいよ。誠心誠意謝らないと。僕が手伝ったら余計に怒る気がするよ。ほら、ルーナは花が好きだろ。花を摘んで謝りな」


「レオン。ありがとう。謝ってくるぜ」


 カインは再びレオンの手を力強く握った後に、執務机を飛び越えて窓に乗り、窓から外に出ていった。


「ああ、いってらっしゃい」


 レイジは窓に近寄り、壁を伝って降りていくカインを見送った。


「なんで二人は窓からでたがるのかな。一応ここ3階なんだけど」


 レオンはそれだけ言って窓から下を見下ろした後に、踵を返して、カインの執務室を出ていった。




 ルーナはカインが帰還した日以降、自室に篭っていた。カインは毎日のように部屋に通っているが一回も会おうとはしなかった。


 ルーナは毎日泣きながらペンダントを握りしめていた。そして、レオンが帰ってきた日の夜に、ベットに座りながら、満月の空を見上げていた。


 その時、黒い人影が満月の逆光により現れた。黒い人影は窓を開けようとするが鍵が閉めてあり開かなかった。黒い人影は突然に足を振って窓をぶち壊して侵入した。


 ルーナは人影を見た時はあまりの驚きに声が出せなかったが、窓を壊して侵入という暴挙に思わず叫んだ。ブレイブ城にルーナの悲鳴が響き渡った。


「おい。俺だおれ、カインだ」


 カインは花束を抱えながら、自分に向かって指を指しながら、ルーナの前に駆け寄った。


「えっ?」


 ルーナは叫ぶのをやめて、惚けた声を出した。カインはルーナが落ち着くのを確認すると頭を下げて花を差し出した。


「すまなかった。俺が悪かった。許してくれないか?」


 ルーナは花束を受け取ると、カインは嬉しそうに顔を上げた。ルーナはもらった花束をベットの上に置いてカインに飛び込んだ。


「どれだけ心配したと思ってるですか? 何故、あんなことをしたんですか? 私の気持ちも知らないで、最低です。なんで、あんな怖いことを」


 ルーナは泣きながらカインを震えた手で叩くと、カインは目を閉じてルーナを抱きしめた。


「ああ、悪かった。すまなかった」



 部屋の扉から叫び声を聞きつけて一番最初に駆け込んだレオンとレイジが抱きつく二人を見て仕方なさそうに笑っていた。


「全く、人騒がせな奴だな」


 レイジがめんどくさそうに手を振りながら、葉巻を吸って部屋の外に出た。


「そうだね。でも、ここに駆けつける人に説明しないと」


 二人はそのあと、ルーナの悲鳴を聞きつけてやってくる兵士やクラウス、ケイレブ、メアリーに説明をした。二人が説明を終えた頃には、すでに日が昇って太陽が辺りを照らし出していた。


 レイジは文句を言おうと扉を開けると、二人が花束を間にして幸せそうに眠っている二人を見て、ため息をついて引き返していった。

 最近、投稿が遅くなってしまいすみません。


 これからも投稿が遅くなるかもしれませんが、これからも読んでいただけると幸いです。

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