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第50話

 ルーナがカインと出会った時の話を終えるとカインは頭を押さえた後に手を打った。


「あー、思いました。留学の時に助けたい女の子か!」


 カインは大声で叫びながらルーナに向かって指を差して嬉しそうに頷いた。


「はい」


 ルーナは少し照れくさそうに答えた。そして、顔を切り替えて上品に笑った。


「これで少しは気分が晴れましたか?」


 カインはルーナの突然の言葉に驚いて、すぐにウォードの事を思い出して顔色が曇った、


「ああ、だいぶ落ち着いた」


 カインは悲しげな顔をしながらも先ほどとは違って静かに笑いながらルーナを見た。


「それは良かったです。これからも貴方はもしかしたら大切な臣下を失うかもしれません。ですが、あなたはそこで悲しくなり立ち止まってはいけません。その死を乗り越えてさらに前に進まなければなりません。もし、辛くなったら私を頼ってくださいね」


 ルーナはカインの方に近づいて、抱きつくとカインの背中をさすった。


「ああ、わかった。これからも頼るさ」


 カインは嬉しそうな顔をしながら、ルーナの頭を撫でた。


「なら、ひとつだけ、約束をしてください」


 ルーナはカインを見上げて、子供がいたずらをするような顔でカインを見上げた。


「絶対に私に隠し事はしないでくださいね」

「えっ?」


 カインはルーナの唐突なお願いに面食らったような顔をしながら、気の抜けた声を出した。


「返事は?」


 ルーナはカインの反応を気にせず、いつも通りの笑顔でカインには返事を求めた。


「はい…」


 カインは少し戸惑いながらも震えた声で小さく返事をした。ルーナはカインの返事を聞くとカインから離れた。


「それじゃあ、おやすみなさい」


 ルーナはカインの顔を見ずに、部屋から出ようとすると、カインがルーナの服を掴んで自分の元へと寄せた。


「待て、今日は一緒に寝てくれないか? 一人だとまた泣いてしまいそうで」


 カインは顔を赤くしながら、ルーナの顔を見ずに頭をかきながら頼んだ。


「はい……わかりました」


 ルーナもまた自分の顔が赤くなっているのを隠すように目線を逸らして答えた。






 ウォードの死がブレイブ城にて、知らされた日の夜に城下町のある地下室で集会が行われていた。


 お互いの顔がわからない、白フードと白の神官服に赤いマントを見につけた7人が、一つの円卓を囲んでいた。円卓の席は八つあり、席の後ろにそれぞれドアか扉があった。


「まさか、まさか、ウォード様が死んでしまうとは。何という事か!」


 その場にいた一人が机を叩き出して、叫び始めた。


「うるさいぞ『信仰』。貴様が叫ぶと話が進まない」


 一人が片手を振りながら『信仰』と呼んだ人物を睨みつけた。


「『節制』お前は勇者の一族であるウォード様が亡くなられたのだぞ? 何も思わないのか!?」


『信仰』は机を叩く勢いがさらに早く強くなり、『節制』と呼んだものに向かって指を差した。


「まあまぁ、落ち着きましょうよ。ヘルトの一族以外に唯一勇者の血を継ぐ者が死んでしまったのです。これは許されぬ大罪、それについて話さないと」


 二人が喧嘩し出しそうな雰囲気を読み取って、一人の人物が手を二人の方へ伸ばして喧嘩の仲裁をした。


「『愛』のいう通りだ。罪人はどうなった?」


『節制』は首を縦に振って、この場にいる者全員に向かって質問を投げかけて、机の上に膝を置いた。


『愛』と言われた人物の隣に周りの者よりも一際小さい人物が手を挙げた。


「その件ですが、私が処理しておきました。少々、薬を使いウォード様についてしっかりと教育してあげましたよ。今頃、ウォード様を全力で讃えているでしょう。まぁ、頭は悪くなりましたが、他は変わっていないのでバレないかと思います」


 小柄な人物は両腕を組んで偉そうに全員を見回して満足すると椅子にもたれかかった。


「素晴らしい! 殺すのではなく、魂をあるべき方向へと正すとはなんと素晴らしい。お代わりになったばかりで心配でしたが、さすがは『知恵』ですね」


 隣に座っていた『愛』が両手で拍手をしながら、叫び出した。


 一人でに盛り上がっている『愛』を他所に一人が急に立ちあがった。


「今回はもう終わるか。その前に警告だ。最近、あちらこちらで拠点が襲われている。おそらく帝国の暗躍部隊だ。気をつけるようにな。勇者様のご加護があらん事を」


 立ち上がった人物の発言を聞いて、集会に出席している全員が注目をした後に静かに頷いた。


「「「「「「勇者様のご加護があらんことを」」」」」」



 たちあがった人物はマントを翻して、自分の背後にあるドアに手をかけて出ていった。それに続いて、ほとんどの人物が自分の背後にあるドアからこの場を去った。


 赤いマントには金色の刺繍で剣が描かれていた。


 この場に残ったのは、『愛』と『知恵』だけどなった。


「それよりも今回の集会は機嫌がよかったですね」


『知恵』が自分よりも幾分か身長の高い愛を見上げた。『愛』はそれを見下ろして、手を打った。


「そうなのよ。わかる? 最近、直々にカイン様に会えたのが嬉しくて、嬉しくて、あー、たまらない。それじゃ、勇者様のご加護があらんことを」


『愛』は嬉しそうに顎に手を当てて頷き始めると、すぐに自分の後ろにあった扉に手をかけてその場を後にした。


「ええ、それはよかったですね。勇者様のご加護があらん事を」


『知恵』は『愛』を少し笑って、すぐに自分の扉に手をとってその場を後にした。

 昨日は忙しかったので投稿できませんでした。しばらくは忙しいので毎日投稿が出来ないかもしれません。


 これからも頑張りますので、楽しんでいただけると幸いです。

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